きめ細かな教育環境の充実に必要な教職員の定数改善を求める 意見書 次代の社会の担い手となる児童・生徒を豊かに育む教育環境の充実を図るた めには、いじめ・不登校、貧困による教育格差の解決に、きめ細かな指導が必 要であり、これまで地方からは国に対して教職員定数の改善を求めるとともに、 地方単独ですでに約 1 万人の教員を採用してきました。 一方、財務省は、公立小中学校の教職員を9年間で3万7千人削減する方針 案を提示されました。財務省は削減の理由を、2024年度までで子どもが9 4万人減少する見込みで、学力向上やいじめ、不登校の解決として学級規模を 縮小するために教職員を増やしても効果の証拠がない、としています。 しかし、いま教育現場では、すべての子どもへの教育の機会均等を保障する ために、授業のみならず、いじめ・不登校等への対応、特別支援教育の充実、 貧困による教育格差の是正と学力の底上げなど、複雑化する教育課題の解決が 教職員に求められています。これら教育活動には、子どもや家庭にきめ細かな 配慮ができるよう十分な体制が不可欠であり、加配定数の削減で国庫負担を縮 小しようとする財務省の方針は、義務教育に対する国の責任を放棄するもので あり、地方に財務負担を転嫁するものです。 よって、国においては、学校教育における教職員配置の重要性をふまえ、以 下の措置を講ずるよう強く要望します。 記 1.少子化を理由とする機械的な教職員定数の削減を行わず、地方が教育的課 題をとらえ、計画的に必要な教職員配置をできるよう、地方の実情に沿う 教職員定数の改善計画を策定し、着実に実施するとともに、国において必 要な財源を確保すること。 2.いじめ・不登校、貧困による教育格差、特別な支援が必要な子どもや外国 人児童生徒への対応、アクティブ・ラーニング等の新たな教育の推進等、 児童生徒一人ひとりが抱える課題に応えるために、少人数教育等のきめ細 かな指導を組織的に展開できるよう、加配教員の定数確保とともに、教職 員体制の充実のため、国において財源を確保すること。 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出します。 提 出 先 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、文部科学大臣 一億総活躍担当大臣
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