子どもの「しなやかなこころ」育成に心理学からチャレンジ

学校教育研究科(教職大学院)
SHIMODA
YOSHIYUKI
下田 芳 幸
准教授
「子どもの不登校・いじめの解決や予防に関する研究」
「子どものこころの成長に寄与する心理教育に関する研究」
「子どものメンタルヘルスに関する研究」
[キーワード]
不登校,いじめ,抑うつ,小児心身症,ACT を活かした心理教育
ストレスマネジメント教育,アンガーマネジメント教育
子どもの「しなやかなこころ」育成に心理学からチャレンジ
研究紹介
◆研究概要
不登校やいじめの問題など,学校生活に苦戦
する子どもは少なくありません.また,子ども
のうつ病や起立性調節障害をはじめとする小児
心身症などに対する対応も,学校現場の大きな
課題の一つです.さらに,文部科学省が提言す
る「生きる力」を育むという理念に象徴され
る,“しなやかなこころ”の育成も,学校に求
められています.
こういった教育相談に関する諸問題に対し,
心理学の立場からアプローチしています.
不明な点が多くあり,この問題に対して,心理学
の立場からの研究を進めています.
現在は他大学と共同で,中学生における抑うつ
やアレキシサイミア,社交不安傾向について年間
を通じた変動パターンの解明に取り組んでいま
す.
◆成長促進的な心理教育の開発と実践
教育相談は,悩みを抱えたり問題を呈したりし
ていない児童・生徒の成長促進にも必要な教育的
営みの一つです.
そこで,教育相談手
◆不登校やいじめの問題に対するアプローチ
スクールカウンセラーとして県内の公立小中 法の洗練や,学級単位
学校で教育相談関連の問題に携わり,実践の中か で取り組む実践,特に
ら一般化が可能なモデル・理論を抽出することを ストレスマネジメント
研究しています.特に現在は,先行研究でモデル 教育,アンガーマネジ
化された不登校生徒に対する家庭訪問の手法や, メント教育,ソーシャ
「まずは元気になる」
・
「自分で工夫する能力」と ルスキル教育といった
心理教育の実践と改良
いったキーワードの洗練を試みています.
を行っています.
◆子どものうつ病や
また,第三世代認知
小児心身症に関する研究
行動療法の一つに位置
ここ数年,子どものうつ
づけられる,アクセプ
病や小児心身症(起立性調
タンス&コミットメン
節障害や過敏性腸症候群な
トセラピー(ACT)の子どもへの適用や,その
ど)が注目されています.
エッセンスを活かした心理教育プログラムの開発
しかし,その実態や予防・
と効果検証の共同研究にも携わっています.
促進要因については,まだ
掲載情報 2016 年8月現在
教育関係の皆さんへ
一言アピール
小中学生の教育相談関係の講演・研修(不登校,いじめ,メンタルヘルス
関連,ストレスマネジメント,アンガーマネジメント,ソーシャルスキル
など)でお役に立てることがあるかと思います.
産学・地域連携機構より
下田准教授が研究・実践する「教育相談」は,心理学的アプローチを用いていま
す.現場で発生する問題の解決に携わり,さらに多くの方が利用できるようモデル
化を試みています.本分野の知見を必要とされる方は,気軽にお問合せください.
佐賀大学研究室訪問記
2016
佐賀大学
産学・地域連携機構
(佐賀県佐賀市本庄町1番地)
(お問い合せ先) 国立大学法人 佐賀大学 学術研究協力部 社会連携課
TEL:0952-28-8416
E-mail:[email protected]