マーケットの見方(No.86)「G20から中国全人代へ」

2016年3月7日
あおぞら投信株式会社
『政策を 総動員と 世界中
通貨安競争 抜け駆け許さず』
2月26-27日に開催された今回の主要20カ国の財務相・中央銀行総裁会議(G20)は、年初からの世
界的な株式市場の低迷や、中国が初の議長国となったことから注目を集めました。閉幕後の共同声明
では「金融緩和だけでは経済成長を続けるのは難しい。財政状況に余裕がある国は財政出動で世界
経済を下支えすべきである」など、先進国を中心に市場の安定化に向けて、政策を総動員すると発表
されています。
そしてG20直後の2月29日には、中国人民銀行(中央銀行)が預金準備率を0.5%の引き下げを決定
し、今年の中国の金融政策は緩和姿勢を継続することを示唆しています。近年、中国ではこのような金
融政策の方針転換が、12月開催の中央経済工作会議と3月の全人代(全国人民代表大会)の間に生
じることが多くみられます。今回の全人代では、2016年開始の第13次5カ年計画で「供給側の構造改
革」を柱の一つに据え、「鉄鋼の過剰生産能力削減に向けて世論を醸成する」など、その過剰生産能
力削減について述べると推測されます。現在の中国では、地域をまたぐ企業統合や雇用対策など、政
策内容がこれまでになく具体的であることが見てとれます。習近平国家首席が2020年に目指す「小康
社会」に向けて政策を実行に移すのか、世界第二位の経済大国の行方は今年の世界経済の行方にも
大きな影響を持つでしょう。そして、マイナス金利政策を導入した日本でも、具体的な政策が必要だと
考えます。
中国の預金準備率と政策金利の推移(2010年12月末~2016年3月2日)
(%)
(%)
22
9
21
8
20
7
19
6
18
5
17
4
16
2010/12/31
3
2011/12/31
2012/12/31
中国預金準備率(左軸)
2013/12/31
2014/12/31
2015/12/31
*
中国政策金利(右軸)
出所:中国人民銀行 *中国政策金利は1年物貸出基準金利
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