無機化学 小テスト No.3-4(H27.1.9)解答例

無機化学 小テスト No.3(H28.1.22)解答例
1.下記の錯体の有効磁気モーメントを推定せよ(√
のまま,単位 μB).Pt は Ni 族
(NH4)3[FeF6]:
Fe3+,d5,八面体型 high spin,μ= 2 5 / 2 x 7 / 2 = 35 µ B
K2[PtCl6]:
Pt4+,d6,八面体型 low spin,μ= 2 0 x1 = 0
学籍番号_____氏名___________
7.[Ni(CN)4]2-の塩は反磁性であった.この錯体はど
んな構造をもっていると考えられるか.理由も説
明せよ.
2+
Ni は d8 である.四面体配位であれば S>0 となるが,
平面四配位であれば S=0 となる.この錯体は反磁性
であるので,平面四配位構造となっている.
2.下記の錯体の有効磁気モーメントを推定せよ(√
のまま,単位 μB).Pd は Ni 族
K3[Co(CN)6]:
Co3+,d6,八面体型 low spin,μ= 2 0 x1 = 0µ B
[Pd(H2O)4](ClO4)2:
Pd2+,d8,平面型,μ=0
8.[NiCl4]2-の塩は常磁性であった.この錯体はどん
な構造をもっていると考えられるか.理由も説明
せよ.
Ni2+は d8 である.四面体配位であれば S>0 となるが,
平面四配位であれば S=0 となる.この錯体は常磁性
であるので,四面体配位構造となっている.
3.下記の錯体の有効磁気モーメントを推定せよ(√
のまま,単位 μB).Rh は Co 族
Na2[CuCl4]:
Cu2+,d9,四面体型,μ= 2 1 / 2 x3 / 2 = 3µ B
[Rh(NH3)5Cl]Cl2:
Rh3+,d6,八面体型 low spin,μ= 2 0 x 2 = 0µ B
9.[NiCl2(P(C2H5)3)2]は反磁性であった.この錯体は
どんな構造をもっていると考えられるか.理由も説
明せよ.
2+
Ni は d8 である.四面体配位であれば S>0 となるが,
平面四配位であれば S=0 となる.この錯体は反磁性
であるので,平面四配位構造となっている.
4.[Co(NH3)6]3+の結晶場安定化エネルギー(CFSE or
LFSE)を求めよ.根拠となる図も示せ.
Co3+,d6,低スピン,
3∆ o
右の図より,
10.18 電子則に基づいて次の化合物中の n の値を
求めよ.
[W(η6-C6H6)(CO)n](ただし,W は Cr と同族)
(η6-C6H6)は中性で 6 この供与電子をもつ.W は 0 価
であるので d6 であるので,
価電子総数=6+6+2n=18 より,n=3
5
2∆
12∆ o
or 2.4∆ o
LFSE = 6 × o =
5
5
2∆ o
5
5. [Mn(H2O)6]2+ の結晶場安定化エネルギー(CFSE
or LFSE)を求めよ.根拠となる図も示せ.
2+
Mn ,d5,高スピン,
右の図より,
3∆ o
5
LFSE = 3 ×
2∆ o
3∆
− 2× o = 0
5
5
2∆ o
5
6. [Ni(en)3]2+ の結晶場安定化エネルギー(CFSE or
LFSE)を求めよ.根拠となる図も示せ.
2+
Ni ,d8,
3∆ o
右の図より,
5
LFSE = 6 ×
2∆ o
3∆
6∆ o
− 2× o =
or 1.2∆ o
5
5
5
2∆ o
5
11.18 電子則に基づいて次の化合物中の n の値を
求めよ.
[Rh(η5-C5H5)(CO)n](ただし,Rh は Co と同族)
(η5-C5H5)は-1 価で 6 この供与電子をもつ.Rh は+1
価であるので d8 であるので,
価電子総数=8+6+2n=18 より,n=2
12.18 電子則に基づいて次の化合物中の n の値を
求めよ.(ヒント:3 つの Ru は正三角形を形成)
[Ru3(CO)n](ただし,Ru は Fe と同族)
Ru は 0 価であるので d8 である.Ru-Ru 結合をもつの
で,ひとつの Ru では,
価電子総数=8+2+2n=18 より,n=4
よって 3 つの Ru では,4x3=12
13.四面体錯体が z 軸方向に対して平べったくなる
方向にゆがんだ時の d 軌道の分裂の様子を正四
面体錯体の場合から変形して示せ(全員).
dxy
dyz,dzx
dx2-y2
dz2