東京工業大学発ベンテヤー企業が抱える問題点の抽出について

23G-04
17:15-17i30
東京工業大学発 ベ ンチ ャー企業が抱える問題点の抽出について
EXTRAttION PROBLEヽ
岱 ABOUT STAR卜
U口 COMPANY LAUNCHED FROM ttTECH
ー
ー
( キ フ ド : 産 学連携 , ベ ンチ ャー , 知 的財 産 )
ecmtt PrOpeI呼
un市弱 itt C00pα
班10n,並耐―
up,Inte■
)
ー
ベ
マ
① 田中耕 太 Rほ,日 中義 敏 ,京 本 直 樹 (東京 工 業 大 学 院 イ ノ
シ ョン ネ ジ メ ン ト研 究科 )
lKEYWORDS:Indusw―
技 1日 本 における承露 TLOの 実態
1.は じめに
近年,日本 において もベ ンチ ャー企業の創成 を通 じて
経済を活性化 させ よ うとす る気運が高まつてお り,大学
が所有す る基盤技術 を利用 したベ ンチャー企 業に対す る
期待 も高まってい る。
東 工大 TLOも また,本学 の技術 を利
用 して設立 したベ ンチャー企業の支援 を活動の一環 とし
て行 ってい る。しか し,大学発 のベ ンチャー企 業 は資金 ・
ノウハ ウ t人材 が十分ではな く,経営において様 々な困難
東北大学
311(1)
慶應義塾 大
学知的資産
セ ンター
が予想 され る,そこで,大学発ベ ンチ ャー が抱 える問題点
を抽 出 し,その解決策 の糸 口を探 ることを目的 とす る,
2.研 究対象 について
研 究対象 となるベ ンチ ャー企 業 の策定にあたって,東
早稲 田大学
産学官研 究
推進 セ ンタ
京 工業大学産学連携推進本部が認定す る 「
東 正大発 ベ ン
ー
チャ 」に焦点を絞 ることにした,東京工業大学法学連携
推進本部は経 済産業省 の 「
特定分野重点技術移転事業」
ー
実施 TLO(通
称,「ス パー TLO」 )と して承認 され
関西 テ ィー
・エル ・オー
てお り,産学連携を活用 したベ ンチ ャー企業 を創 出す る
土壌 としての能力 は高い と思われ る。
対象 としたベ ンチ
ャー企 業は東京 工業大学産学連携推進本部が認定す る 45
東京 工業大
学産学連携
推進本部
早稲 田大 学
88(18)
立命
京都大学 ・
館大学等
226(5、 45)
社 (2008年7月 19日 現在)[1]で あ り,研究内容 に応 じて
適切 と思われ る企業を選 出 した,
本研究で用いたデ ー タほすべ て一般 に公 開されている
107(12)
ものであ り,企業デ ー タは東京工業大学産学連携推進本
*1関 西テ ィー ・エル ・オー の公 開数は京都大学キ立
命館大学で算出
*20内 は順位
出展 :特許 庁 [3][4]
培
モ (http!//wwtt sangaku.ti tech.ac,ど
p/index.htrl11) (
2008年 7月 19日 現在)か ら取得 し,特許に関す るデ ー タ
は「
特許電子図書館 (IPDL i lnttstrial Propttty Digital
Library)」 サー ビス 〔
2]に掲載 されているものである.
この表 か ら,東京 工業大学産学連 携推進本部 は 「
実施許
諾件数」で 7位 ,「2007年 国内大学別 特許 公 開件数」 で 2
3.東 京 工業大学産学連携推進本部 について
東京工業大学産学連携推進本部は 2007年 に承認を受 け
位 とな つて い る こ とが わか る。この こ とか ら東京 工 業 大
た TLOで あ り,財団法人理工学振興会か らTLO事 業 を移管
されたものである.表 1は 2008年 3月 の時点における実
学 は発 明創 出能力 に優れ てい る と考 え られ る。そ のた め,
技術 系 ベ ンチ ャー を立 ち上 げ る段 階 で の核 とな り得 るだ
施許諾 件数が上位 10位 までの TLO[3]と,それぞれ の TL0
可能性 を秘 めた シー ズが 多数存在 す る と思 われ る.また ,
関連大学による特許出願 の2007年 における国内特許公 開
発 明 を行 つ た教授 の意 向が 出願 す るか否 か の決 定 に も大
件数 [4]を示 している々
き く関わ る とい う点 で ,大学 でな され た発 見や発 明 を和J
用 した技 術系 ベ ンチ ャー が育 ちやす い環 境 で あ る と言 え
る.
〒1 0 8 - 0 0 2 3 東京都港 区芝浦 3 増- 6 キ ャ ンパ ス ! イ ノベ ー シ ヨンセ ンター9 0 1 号室 ,
E―maiユ : tanaka,k,azOm,titech.ac,jp
- 62 -
項
4.京 工大発 ベ ンチ ャー につ いて (全体像)
2008年 7月 現在,「東 工大発 ベ ンチ ャー 」の認 定 を受 け
て い る企業 は 45社 で あ り,事業 内容 を大 き く分類す る と
表 2の よ うにな ってい る.
表 2 東 工大発 ベ ンチャーの分類
我 3 泌 定ペ ンチヤーの特静利用状況
業種
コー ド
特許数
公開数
経過年数
lT
11
0
3
9
lT
12
0
1
0
●
13 +
やt
里S
冊謂 掛 上 r や
母斎
ヨンサルティング
上
■■ 9
0
ど8
WI
0
【
9
101i
140
約 51%の企業が IT関 連以外 の技術孫 ベ ンチ ャーであ
は
神11
皇 韮 納輔
l12‖
り,IT関連 の企業 を含めると約 87%を占める。また,パイオ
関連企業 とコンサルテ ィング関連企業 の数は共に 3社 の
み とな り,割合 としては少ない,
次 に,ベ ンチ ャー企業 にお ける特許 の活用状況を調 ベ
技術
4
0
4
T稲
1鞭
技術
5
寝事費富 (IPDL, Industrial Property Dttgital Library )J
0‖
7 3
T 一T
別番 号」を用 いて 当該企業 の出願 を特定 して行 った,出願
対
術一
術
技一
技
の公報テ キス ト検 索 か ら 「
出願 人/権利者 」 と 「申請人識
4
4
か ら公 開が され るまで には 1年 6ヶ 月 を要す るた め,2007
年 1月 以降 の 出願 について は出願公 開 の請求や早期 審 査
請求 を行 っ て い るもの を除 いて まだデ ー タベ ー ス に反映
9
技術
T10
技術
T12
︲
7 晋単 一2
〒4 千 二 6 一5 T埜 一1
るため,認定 されて い る 45社 す べてについて設 立か らの
経過年数 を計算 し,取得特許数 と特許公 関数 を調べた,そ
れぞれ のデー タについて,特許庁が提供す る 「
特許電子因
8
311
1
され て い ない ことに留 意 が必 要 で あ る.調査 で 得 られ た
結 果 は表 3の 通 りで ある,なお ,各企 業 は事 業 内容 で分別
許 数 が共 に 0件 の企 業 につい ては薄 い灰 色 を施 してあ り,
公 開特許数 が 10件 以上 の企 業 につ いては濃 い灰色 を施 し
術一
術一
術
技一
技一
枝
を 81∼B3と して表 記 して ある,なお ,取得特許数 と公 開特
T19
T20
T21
て ある。
技術
鵡
.
5
1
4
3
31
41キ
T23
1
8
け
3
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パイオ
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パイオ
83
平均
3
9
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│ 1■0ユ十
合計
0
S
1宮々ii‖
‖
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+OHl
出 肌
皿o工 o歴 墨墜撃 迦 上皿 塁 上 佃
し,技術系 (ITを除 く)企業 を Tl∼T23と し,IT系企 業 を 11
∼ 116,コンサル テ ィ ング系企 業 を Cl∼C3,バイ オ系企 業
a
0
鞘
5
10
4
6
192
4,27
6.20
図 1は 出願公 開 の状況 を示 した もので あ る,全体 を通 し
て公 開出願数 が 0件 の企 業 が 25社 と最 も多 く,これ は全
- 63 -
体 の約 56%にあた る。また ,公開出願 数 が 1件 以上 5件 以 下
の企 業 は 15社 で あ り,これ は全 体 の約 33%にあた る。つ ま
り,出願公 開がな され た 特許 数 5件 以下 の企 業が全44 の
約
89%を 占め,東 工大発 ベ ンチ ャー とぃ え ども起 業後 の特許
出願 はそれ は ど行 って い ない ことが何 え る,
特 許格 走蚊 得
好特 汗権 娘綿
図 2 特 辞権 の取 得 状況
しか し,ベ ン チ ャー企 業 が抱 え る問題 と して 常 に瀬 沢
El中 件ど
た上
な資金 を集 め られ るわ けで はな い とい う状 況 と,初期 の
段 階 の技術者 ・開発者 が不足 しが ちで あ る とい う状況 が
田 1 は ほ公開件数の状況
この結 果 に影 響 してい る可能性 も否 めな い.日 本 語 で 書
事業内容男けで見 ると,IT系 企業 で特許出願 を している
企 業は 16社 中 3社 (19%),技術系企業では 23社 中 15社
かれ た 明細 書 で特 許 出願 を し,国 内で特許 権 の成 立 がす
(65%),コンサルテ ィング系企業では 3社 中 0社 (0め,パイ
オ系企 業では 3社 中 2社 (67%)となつてい る.
る と言 われ て い る[5],そのた め,起業 して か ら問 もな い
コンサルテ ィ ング孫企 業では必ず しも特 は必要では
許
い
な ため,公開出願数が 0件 とい うの も自然 なことである
が,それ よりも IT系 企業による特許 の活用 も思 いのはか
低調 である,こ ち らも事 業 として特許 に よる保護が必須
となる事態が製造 系 の企 業 に比 べ て少ないか らであろ う
か,
るまで特許 1件 につ き平均 して 50万 円程度 の費用 がか か
時期 にお け る周辺 特許群 を構築 す るた めの大 量 出願 は資
金 的 に難 しい ことが 多 い と予dllさ
れ る.
また,関連 出願 の特許 を出願 す る場合 で も,基本 とな る
発 明 を理 解 で き る技 術者 に大 き な負 担 が掛 か るた め,ス
ター トア ップ時 の数 人だ けで 明細 書 を書 く といった 体制
ではス ピー ド感 のあ る出順戦略 は と りづ らい.
これ らを裏 付 け る よ うに,東 工大 発 ベ ン チ ャー の 中 で
図 2に は特許権 の取得状況 を表 した ものである,特許権
出願公 開 が数件行 われ て い るだ け の企 業 で は立 ち上 げ初
を取得 している企 業は少な く,45社 中 5社 (11めに留 まっ
ている。また,それぞれ特許を取得 している 5社 の企業は
期 の 出願 しか してい な い場 合 や ,設 立 後 しば ら く してか
ら特許 出願 を始 めて い る企 業 が多 い こ とが挙 げ られ ,時
いずれ も 10件 以 上の出願が公開 されてお り,公開出願数
系列 に沿 つ た特許 出願 を継 続 で きてい ない,前者 で は後
が 5件 以下の企業は特許の取得に至っていないことがわ
統 の発 明が 追 いつ か なか った こ とが ,後 者 で は初 期 の段
か る.
階 では 特許 出願 を推進 す るだ け の 資金 が 不足 して いた も
このこ とか ら,特許 を取得 しよ うとす る場合 にはある
の と考 え るこ ともで き る,ま た,東京 工 業大 学 の職 務規程
程度 ま とまった 筒願 を行 う必要があ り,特許 に よる事 業
保護が必 要な企 業 においては初期 の大量出願が必須 と言
に定 め られ て い る,教授 が 自身 のが 関連す るベ ンチ ャ ー
企 業 との業務 の掛 け持 ち禁 止 等 の規 定 がネ ック となって
えるのではないで あろ うか,特に基 本発 明を軸 として展
い る可能性 も考 え られ る,
開す るベ ンチ ャー企 業 の場合,中核 となる特許 の周辺 を
上 記 で は得 られ た特許 関係 のデ ー タに つい て 考察 を行
固 めるための周辺 特許群 の構築が有効 で あると言 われて
お り,スター トア ップか ら直 ちに周辺特許 群 の出願 を行
うことが望 ま しい.
つたが ,これ らの分 析 で用 いたデ ー タはす べ て パ プ リッ
クデ ー タで あ るた め,個 々の 企 業 が 東京 工 業 大 学産 学連
- 64 -
携推進 本部 か ら個別 に通 常実施権や 専用 実施 権 を受 けて
項
い る特許や,大学 の名義で出願 ・登録 された後に譲渡を受
4相 関係数の計算
けた ものの,名義変更届 の提 出を行 っていない特許等は
含 まれていない可能性があることに留意が必要である.
5.束 工大発 ベ ンチャー について (技術系企業)
特許 の活用が一番盛んな企業は技術 系企業に多 く見 ら
経過年 数
経過 年数
公開数
登録数
1
公開数
054
登録数
OJ4フ
1
α98
1
次 に,先 ほ どと同様 に技術孫企 業 23社 につい て公 開出
れ るので,これ以降は技術系企 業 に対象 を絞 って調 査 を
願数 を横軸 に,登録数 を縦 軸 に とつた ものが 図 4で あ
行 った。技術 孫企 業 の中には電気電子 関連 の事業 を行 う
る.
ものや,機械 関連,土木 関連,化学関連 ,計測技術関連 の事
登録数
業 を行 う企業な どが含 まれて い る,
技術系企業 23社 の設立後 の経過年数 を横軸に,公開出
願数 と登録数 を縦軸 にとつた ものが図 3の グラフであ
る,
登録 枕
公日 酸
0
20
40
60
80
公 開数
図 4 公 開出顧数 と登録数 との関係
こ ち らは公 開数 と登録 数 にか な り強 い相 関関係 が認 め
られ ,「公 関数 ―登録 数Jの 積率相 関係数 rは r=o.98で
あ る,これ は,出願 公 開 の数 が多い企 業 ほ ど取 得 で き る権
利 の数 も多 い とい う傾 向 を表 してい る.
0
10
勢
1
30
当然 とも思 え る結 果 で あ るが ,これ が意 味す る ところ
.4F)
は ,題業 して大 学 か ら離 れ て か らも継 続 して 特許 出願 を
緯過年歓
図 3 経 過 年数 と公 開出療 数 との関係
このグ ラフで は 二 見 して設 立 後 の経過年数 が大 きけれ
行 え る企 業 は高い技 術力 を有 してい る可能性 が あ る とい
ば大 きぃ ほ ど出願 公 開 の 数 ,特許 登 録 の 数 も増 えてい く
質 の悪 い発 明で あれ ば特許 登録 を受 け る こ とがで きず ,
傾向があるように思ゃれるかもしれないが,表4に示すと
登 録 数 と公 開数 に強 い 相 関 関係 は見 られ な い はず で あ
お り,積率相関係数 rを 計算す ると 「
経過年数―公 開数」
については ■=0.54,「 経i田
年数―登録数」については r=
る“
0.47と な り,共に相関関係 は微弱 で ある,そのため,単純
こ とに 留意 が必 要 で あ る,和 関が高 くな る とい うこ とは
に会社設 立か らの年数経過 によつて特許 出願 ,登 録が増
加す るわけではない,もつ と根本的な問題が存在 し,その
高 い技術力 を持 って い る とい うた めの必 要 条件過 ぎず ,
問題 の解決 に至 ってい ないか ,そ もそ も事業 を行 うにあ
それ を表 す 例 と して ,東 工大 発 ベ ン チ ャ ー 企 業 の登録
た り特 許 がそれ ほ ど事 業 中貢 献 しない場合が考 え られ
率 の 低 さが あ る,東 工大発 ベ ンチ ャ ー の 中で も特 に特許
る.
を活用 してい ると思われ る特許 登録 あ りの 5社 にお いて
うこ とで ある。そ うで な けれ ば,出願数 が 増 えた ところで ,
しか し,こ の議 論 で は相 関 関係 に しか注 目 して い な い
十分条件 ではない.
も,それぞれ の登録率 は表 5の 通 りで あ り,5社 の 平均登
録率 は 0.31なので 全 周願 の平均登録 率で あ る と言 われ て
い る 0.5を 下回 つてい る.
- 65 -
しか し,登録率 も技術力証 明の十分条件ではない,この
8
T'7
ため,ベンチャー企業を複数有す るクラス ター (TLOか ら
の派 生企 業群や,地域 クラスター に属す るベ ンチ ャー企
業群 を含む集合)の 特許活用状況や技術力 を評価す る指
標 としては,「公 開数―特許数」の相 関係数 と登録率の両
3,4
8
9
10
446110
い技術力 を擁す る企業 を多 く抱 えてい るといえ,有望 な
クラスター として評 価す る必要があるだろ う`
4002701
11
12
13
を前提 としていない もの もあ り,そ の場合は 自ず と登録
率 はな くなるであろ う`実際 に上記 の方法でクラス ター
全 体 の技術力評価 を行 う騰 は,そ ういつた企 業 の玉石 混
14
5
ただ し,ス ター トア ップ時 に周辺特許群 を構築す る自
む場合が考 え られ る。このよ うな出聴 は将来 の権利行使
0
24
0、 0
0,6
表 7 経 過年数 と公開出隠数 (8∼15年 )
方を吟味 し,どち らも高い スコアを示す クラスター は高
的で玉石混合の大量特許 出願 をす る戦略 を取 る企業 を含
4
16
03
1.2
0,6
15
13
6
2ナ
12
26
3
2.0
0,6
表 8 経 過年数 と公開出願教 (16∼23年 )
16
17
18
19
20
21
22
23
玉」の部分 だけを考慮 に入れ,特許数 を稼
合 の出願 の内 「
ぐ目的だけで出願 された ものを除 くな どの工夫 を して企
業 の特許戦略 を踏 まえて評価 を行 うことが重 要である.
技 5 特 静取得企業 5社 の登録韓
登録数 公 開数 登 録率
1.6
0、8
0.3
0、 2
0,0
0、 6
0.6
010
表 0 経 通年数 と公開出額数 (24∼27年 )
24 25 26 271合
計
6.束 工 大発 ベ ンチ ャー について (技術系特許登録 5社
)
先 ほ ど示 した とお り,東 工大 発 ベ ンチ ャー 企 業 の 中 で
特許 を積極的 に活 用 してい る S社
01,■11,T14,T15,T17
バ イ オ孫 ベ ンチ ャー も特許 の
)の 企 業が浮かび 上がった。
利 用率 は高い が ,特許 の公 開が確認 され た企 業 が少 な い
た め,こ こで は技術系 5社 に絞 つ て具体 的な状況 を掘 り下
0.4
0.2
0,0 00
設 立 か ら現在 に至 るまで の期 間 の 中で 出願 公 開 がなか
0」 を記入 し,経過 年数 が実 際 の年数 を超 えて
つた 年 は 「
い る年以降は空 白に して い る。
この調 査 で用 いたデ ー タは 出願 公 開 の デ ー タで あ り,
特許 出願 か ら通常 は 1年 6ヶ 月後 に公 開 され るもので あ
げ る.
表 6∼表 9は それ らの企 業 の設 立か らの経過年数 と公
開出願 数 をま とめた もので あ。なお ,T14に つい ては設 立
以前 の 出願公 開につい ては除 いて ある,
る,つま り,実際 の 出願 日は公 開 日か ら約 1年 6ヶ 月前 と
い うこ とが で き る.出願 公 開 の請 求 が あ つた 場合 は も つ
と早 く公 開 され るが。今回 は考慮 して い な い,
表 6∼表 9に よる とT15を 除 いた 4社 の企 業 が設 立 後 早
表 6 経 過年数 と公 開出願数 (0∼7年 )
い段 階で特許 出願 を行 つて いる こ とが わか り,今回 のケ
0123458
ー スで は T15の みが設 立か ら 12年以 上立 ってか ら特許 取
得 に向 けて の活動が盛ん になった よ うで あ る▼
図 5は 経過年数 と公 開出願数 の 累計 をグラ フ化 した も
ので あ り,図 5か らT15に 関 して は 2度 大 きな伸 び を示 し
-66-
てお り,これ らの 出願 の 内訳 を調査す る とどち らも場合
ー
大学 か らス ピンア ウ トしたベ ンチ ャ 企 業 へ の技術移 転
も関連す る発 明群をほぼ同時に出願 していることがわか
とい うよ りも既 存 の企 業 との共 同研 究や ,実 施権 の設 定
つた4これは,実際に事業 を行 う前 に関連す る技術 の周辺
が支 配的で あ る ことが考 え られ る.
特許まで押 さえることが重要だ と判断 した結果 であろ う
特 に電気電子 関連 や ハ イテ ク関連 の 市場 には大 きな影
このことを踏 まえる と,ベ ンチ ャー企 業 の設立後 の経
響 を持 つて い る大企 業 が多 いが ,それ らの企 業 に対 抗 す
一
るには先端技術 で ニ ッチ市場 か ら攻 略す る こ とが つ の
過年数 と公 開出願数 の累計 を調査す ることでその企業 の
様 子が わか るゃ技術系 ベ ンチ ャー企 業 では扱 う技術分野
道 で ある と考 え られ る,そ の よ うな ビジネ スを行 う場合,
大学 とい うリノー ス を優先 的 に活用 で き る東 工大発 ベ ン
が得意 な ものに集 中 しているこ とが多 く,出願数 の急激
チ ャー と して は,継続 的 な技 術 開発 に よ り特 許 を用 いた
な変化 はそ の企 業が得意 とす る技術関係だ と考えて よい
事業 の保護 を強化 す る こ とは費用対効 果 の観 点 か らも有
であろ う.つま り,公開出願数が急激 に伸びてい る年があ
効 で あ る と考 え られ る.
と思われ る,
そ のた め,大学発 ベ ンチ ャ ー ヘ の技 術移 転 を よ り活 発
れ ば,新規事業 を始 めるために特許 出願 をま とめて行 つ
神公臓劇 Ю
た場合か,新たな技術開発 に成功 した場合 が予想 され る.
に し,高い 開発力 を伴 う企 業 の倉J出が必 要 だ と思われ る.
参考文献
[1]東京 工 業 大 学産 学連携 推進 本 部 ;東 工大 発 ベ ンチ ャ
・
h,ac.1つ
/
llttp;〃
www santtattlitte●
― Tl
[2]特許庁 :特許 電子 図書館 ,
‐
│‐Tll
―P 4 : `
い1
[3]特許庁 :(5)承 認 TLO,認
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覧 (2008
年 4月 現在),
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一
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[4]特許庁 :(13)2007年国内大学別特許公 開件数 ,
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702‐
5特 定 5社 の経過年数 と公開数累計の隠係
[5]財 団法人京都産業 21!特
許 由願 の費用,
tml
il■
7.ま
とめ
以 上の調 査 に よ り判 明 した ,東 工大発 ベ ンチ ャー の 特
許活 用 に向 けた活 動 と,明 らか にな った 問題 点 を ま とめ
る。
まず,特許 出願 の件 数 が全 体 と して低 調 で あ る こ とが
わか つたャコ ンサル テ ィ ング孫や IT孫 の企 業 は特許 をあ
ま り活 用 して い な い傾 向が あ リナ技術 孫企 業 は特許 出願
を行 っ て い る ところが比 較 的多 いが ,登録 され た特許 の
数 は多 くな い。特 に問題 と考 え られ るのは,設 立か ら継続
した特許取得 が行 えて い る企業が少 な い ことで ある,
この こ とは,東 工 大発 ベ ンチ ャー企 業 は東京 工 業 大 学
でな され た発 明 の 円滑 な る技術移 転 に問題 が存在 す る可
能性 を示 して い る,その反面 ,TLOと して実施許諾件数や
特許公 開件数 は国 内で も上 位 で あ る こ とを考 え る と,自
- 67 -