東洋医学「ツボのつぼ」を訪ねて

東洋医学「ツボのつぼ」を訪ねて
∼自分でできる症状緩和∼
最近では、東洋医学でいう『未病』という言葉も、たびたびテレビの情報番組などで聞かれるよう
になるなど、一般的になりました。現在、婦人病・更年期障害などにも東洋医学は有効と言われてい
ますが、東洋医学では更年期をどのように捉えているのでしょう。
今回は、東洋医学に基づいたツボマッサージや薬膳を中心に市内で活動中の「東洋医学ツボのつ
ぼ」代表・藤原しず子さんに、お話を伺いました。
東洋医学ツボのつぼ
代表 藤原 しず子さん
更年期障害とは、
西洋
医学的に言うと「ホルモ
ンの分泌が不足し、
自律
神経が乱れることで、
不
快な症状が出ること」で
すが、
東洋医学では、
肝・
腎・脾という臓器の働き
と深い関係があると考え
られているそうです。
肝・腎・脾の働き
肝 → 臓血をつかさどる (血を蓄える)
腎 → 臓精、
発育、
生殖をつかさどる (精を蓄える)
● 脾 → 血を統べ、
血を化成する (血を造る)
●
●
※血と精は互いに転化し、
不足を補いあう(精血同源)
これらの 臓 器は上 図 のような働きをつかさ
どっていますが、
この 働きが弱ることで臓 器 間
のバランスが崩れ、不快な症状が出てきます。
東 洋 医 学 的には、
この 状 態 のことを更 年 期 障
害と呼ぶのだそうです。
特 に 春 は 肝 の 臓 器が 活 発 になる時で、
うま
く機 能しないと、イライラ・ほてり・肩こりなど
の 更 年 期 症 状が 起こりやすくなるため 、要 注
意の季節だそうです。
つまり、更 年 期 症 状 を緩 和 するた め に は 、
肝・腎・脾 の 働きをバランスよく高 める必 要が
あります 。そ の ため に は 、緑 色 の 野 菜 やワカ
メ・黒ゴ マ・黒 豆 など の 黒 い 色 の 食 材 、ナツメ
や カボチャ、酸 味 の ある食 べ 物 を摂ることが
有効だそうです。そして、食べ物全体にいえる
ことですが 、そ の 季 節 にあった 旬 の 新 鮮 な 食
材を用い調 理することが大切とのことです。
また、
自然のリズムと人間の体には深いつな
がりがあるので、
自然のリズムに合わせた規則
正しい生 活 、つまり夜に睡 眠をたっぷり取るこ
となどが、
とても大切なことだそうです。
それでは、
数ある東洋医学のツボの中から更
年期症状にも有効で、
しかもすぐに実行できる
ものを紹介します。それはずばり「耳ツボ」です。
耳にはあの 大きさに、
110箇 所ものツボが
あり、
そのツボは足や手など他の部分にあるツ
ボと同じものが多いそうです。ですので、耳 の
ど の 部 分 を押しても何かのツボを刺 激し 、体
の 不 調 に 効くとのことです 。耳 たぶを軽く揉
む、引っ張るという簡単な手順だけで効果はあ
るので、整体やヨガなどでも取り入れられてい
ます。足や手など他 の 体 のツボとは異なり、電
車 やバスの 中など 場 所を選 ばず 、そして何か
をしながらでもできます。この手軽さは何にも
変えがたい魅 力ですよね。毎日続ければ 必ず
効果があるそうですよ。
肩こりに悩む編集委員も、
ツボを押していただきました!
最 後に、更 年 期 の 辛い症 状で悩んでいる方
に 向けて藤 原さんからメッセージをいただき
ました。
「自分がリラックスできること、好きなことを
見つけ、それに夢 中になってみてはどうでしょ
うか?更 年 期 症 状で悩 んでいた 知 人が 、東 洋
医 学に興 味を持って勉 強に取り組 んでいるう
ちに、
いつの 間にか治っていたそうです。更 年
期 は 病 気ではありません 。症 状 を気 にして自
分を追い込むよりも、
『 いつか治るんだ 、一 生
続く訳ではないんだ 』という前 向きな 心 を持
ち 、生 活 を楽しむことが 大 事 な の ではないか
と思います」