薬 剤 学 Ⅱ Pharmaceutics II(2単位) 2年次後期 必修 【担当教員】 教授 森部 久仁一 講師 東 顕二郎 助教 植田 圭祐 二年次後期 【授業概要及び目標】 【授業概要】医薬品は原料を製剤化することにより最終的な投与形態となる。医薬品製剤の有効性及 び安全性は、製剤中の物理化学的状態や投与時の物理化学的条件により著しく影響を受ける。薬剤学 Ⅱでは主として、固形製剤を理解するために必要な物理化学的基礎理論を講述する。 【到達目標】固体製剤を物理化学的な知見に基づいて理解し、固形製剤を取り扱う際に起こる現象を 説明できる。 【授業計画及び授業内容】 回 月日 1 10. 1 担当者 森 部 項 目 <授業方法> 粉体の性質Ⅰ <講義> 授 業 内 容 多形、相転移、水和物、溶媒和物、非晶質およびガラス 状態、液晶など、固体医薬品の結晶レベルの性質につい て解説する。 2 10. 8 〃 粉体の性質Ⅱ <講義> 固形製剤の製造過程においては粉末を扱うことが多く、 その粒子径は最も基本的な粉体特性である。粒子径の定 義および粒子径測定法のうち顕微鏡法・篩分け法につい て解説する。 3 10.15 〃 粉体の性質Ⅲ <講義> 粒子径測定法のうちコールターカウンター法および沈 降法について解説する。 粉体の性質Ⅳ <講義> ガス吸着法・空気透過法などの比表面積測定法を解説す る。比表面積と粉体の粒子径との関係を講述し、平均粒 子径についても解説する。 4 10.22 植 田 5 11. 5 東 粉体の性質Ⅴ <講義> 粉体の集合体としての性質である、流動性、充填性、混 合性、ぬれ性、吸湿性について解説する。 6 11.12 〃 粉体の性質Ⅵ <講義> 塩、シクロデキストリン包接化合物、固体分散体などの 複合体について解説する。 小括・試験 <講義・演習> 前半6回の講義についてのまとめ及び質疑応答を含め た知識の確認を行う。 X線結晶学Ⅰ <講義> X線の性質、特に結晶による回折現象の本質を理解し、 X線結晶学を概観する。X線の干渉・Bragg 反射につい て解説し、三次元への展開を通して構造解析や位相問題 について論述する。 7 11.19 8 11.26 森 部 〃 66 9 12. 3 森 部 X線結晶学Ⅱ <講義> 結晶の対称性について考察し、晶系分類や格子と逆格子 の関係、および空間群について解説する。実際の単結晶 X線構造解析手順を学ぶことによりX線結晶学への理 解を深める。 10 12.10 東 熱測定法I <講義> 熱質量測定について解説する。機器、応用について学習 する。 11 12.17 〃 熱測定法Ⅱ <講義> 示差熱分析および示差走査熱量測定について学習する。 各種転移などの応用例を解説する。 1. 7 森 部 溶解度と溶解速度Ⅰ <講義> 固体の溶解度を中心に、溶解度に及ぼす温度の影響や錠 剤の崩壊と溶解との関係について講述する。また、溶解 のメカニズムと律速過程について解説したのち、溶解速 度式である Noyes-Whitney 式について講述する。 13 1.14 〃 溶解度と溶解速度Ⅱ <講義> 溶解速度の測定方法および球形粒子の溶解現象につい て解説する。溶解度や溶解速度を高める方法について解 説する。 14 1.21 植 田 薬物の安定性 <講義> 薬物の安定性に影響を及ぼす因子について概説する。ま た、薬物の安定性を高める製剤的手法を解説する。 15 1.28 森 部 総括・試験 <講義・演習> 後半7回の講義についてのまとめ及び質疑応答を含め た知識の確認を行う。 【授業外学習】 講義後に講義内容の復習と整理をし、各自で理解度を確認する。 【キーワード】 粉体、多形、非晶質(アモルファス)、水和物、ガラス転位、塩、共結晶、シクロデキストリン、 包接化合物、固体分散体、粒度分布、平均粒子径、Stokes の式、吸着、Langmuir 式、BET 式、比 表面積、流動性、充填性、混合性、ぬれ性、吸湿性、粉末 X 線回折、単位格子、Bragg の式、熱質 量(TG)測定、示差熱分析(DTA)測定、示差走査熱量(DSC)測定、拡散、溶解速度、Noyes-Whitney 式、Hixon-Crowell 式、酸化、加水分解、光分解、配合変化 【教科書・参考書】 教科書:山本恵司編「基礎から学ぶ製剤化のサイエンス」(エルゼビア・ジャパン) 参考書: 「マーチン物理薬剤学」 (廣川書店) 【評価方法・基準】 履修態度(10%)、小括(45%)、総括(45%)で評価する。 試験は、小括・試験、総括・試験ともに 60%以上取得すること。 履修開始時に配布する評価基準に基づき各評価を実施する。 原則として授業時数の3分の2以上の出席が必要である。 67 二年次後期 12
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