衛 生 薬 学 I

衛 生 薬 学
I
Nutritional Chemistry and Public Health(2単位)
2年次後期
【担当教員】
特任教授 小椋 康光
准教授 鈴木 紀行
非常勤講師 阿南 弥寿美
必修
二年次後期
【授業概要及び目標】
人々の健康増進、公衆衛生の向上に貢献できるようになるために、現代社会における疾病とその予防、
栄養と健康に関する基本的および応用的な事項について、最新の知見を踏まえた講義を実施する。本講
義では、人々(集団)の健康と疾病の現状およびその影響要因を把握するために、保健統計と疫学に関
する事項、健康を理解し疾病の予防に貢献できるようにし、感染症、生活習慣病、職業病などについて
の現状とその予防に関する事項、食生活が健康に与える影響を科学的に理解するために、栄養と食品機
能、食品衛生に関する事項について、基本的な内容の理解と修得に加えて、実際の衛生薬学・予防薬学
の現場における問題解決能力を涵養することを到達目標とする。
【授業計画及び授業内容】
回
項
目
<授業方法>
健康と疾病の概念
<講義>
月日
担当者
授
業
内
容
1 10. 2
小 椋
2 10. 9
〃
保健統計学
<講義>
集団の健康と疾病の現状およびその影響要因を把握する
上での人口統計の意義を概説する。また、人口統計およ
び傷病統計に関する指標について講義をし、人口動態(死
因別死亡率など)の変遷について説明する。
3 10.16
〃
疫学
<講義・演習>
疾病の予防における疫学の役割について講義する。特に、
疫学の三要因(病因、環境要因、宿主要因)、疫学の種類
(記述疫学、分析疫学など)とその方法、リスク要因の
評価として、オッズ比、相対危険度、寄与危険度および
信頼区間について説明する。また、実例を挙げて解析を
行う。
4 10.23
〃
予防薬学
<講義>
疾病の予防について、一次、二次、三次予防という定義
と概念について説明する。また本学で推進する0次予防
という概念についても説明する。また、健康増進政策や
生活習慣病の種類・リスク因子とその動向・予防法につ
いて説明する。さらに、食生活や喫煙などの生活習慣と
疾病の関わりについて一部討議を行う。
5 11. 6
〃
保健学・労働衛生学
<講義>
保健学のうち、特に母子保健について、新生児マススク
リーニングや母子感染とその予防対策について説明す
る。また、労働災害や職業性疾病、さらに予防薬学とい
う観点から労働衛生管理について説明する。
6 11.13
〃
栄養化学1
<講義>
五大栄養素を概説し、三大栄養素の消化、吸収、代謝の
プロセスを説明する。また三大栄養素の栄養的な価値を
説明する。
7 11.20
〃
栄養化学2
<講義>
五大栄養素以外の食品成分(食物繊維、抗酸化物質など)
の機能について説明する。また、疾病治療における栄養
の重要性や臨床栄養学について概説する。
健康と疾病の概念・定義の変遷と、その理由について講
義する。また健康と疾病を理解という基本的事項が、ど
のような応用へと繋がるのかを概説する。
70
阿 南
栄養化学3
<講義>
ビタミンおよびミネラルの消化、吸収、代謝のプロセスを
説明する。またこれら栄養素の過不足による主な疾病につ
いて説明する。さらに、エネルギー代謝に関わる基礎代謝
量、呼吸商、推定エネルギー必要量の意味および日本人の
食事摂取基準について説明する。
9 12. 4
鈴 木
食品衛生学1
<講義>
食品衛生に関わる法的規制について説明する。また、食
の安全や安心についても考察を行う。
10 12.11
阿 南
食品衛生学2
<講義>
代表的な食品添加物の機能について説明する。
11 12.18
〃
食品衛生学3
<講義>
特別用途食品と保健機能食品について説明する。また、
健康食品の機能性表示についても、現状を概説する。
12
1. 8
鈴 木
食品衛生学4
<講義>
食品の変質に関する機構及び食品の変質を防ぐ方法につ
いて説明する。また、食品成分由来の発がん性物質につ
いて、その生成機構を説明する。
13
1.22
〃
食品衛生学5
<講義>
細菌性・ウイルス性食中毒の原因、臨床症状、原因食品
および予防方法について説明する。食中毒を引き起こす
代表的な自然毒について、その原因物質、作用機構、臨
床症状を説明する。
14
1.29
〃
食品衛生学6
<講義>
化学物質(重金属、残留農薬など)やカビによる食品汚
染がヒトの健康に及ぼす影響を説明する。
15
2. 5 小 椋
総括と試験
<講義・演習>
以上 14 回講義についてのまとめ及び質疑応答を含めた
知識の確認を行う。
【授業外学習】
レポートを課す場合がある。授業内容について、各自予習と復習を行うこと。
【キーワード】
保健 予防 統計 疫学 労働衛生 栄養 食品汚染 代謝
【教科書・参考書】
教科書:
「考える衛生薬学」 平山晃久編(廣川書店)
参考書:
「衛生試験法・注解 2015」 日本薬学会編(金原出版)
【評価方法・基準】
試験(80%)および授業態度(20%)で総合的に評価する。なおレポートを課した場合は、その
評価は授業態度(20%)に含める。
原則として授業時数の3分の2以上の出席が必要である。
履修開始時に配布する評価基準に基づき各評価を実施する。
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二年次後期
8 11.27