学校便り 宮川っ子号外 保護者の皆様へ 平成 27 年9月吉日 上市町立宮川小学校 校長 宮田 正起 育てたい確かな学力・平成27年度 全国学力・学習状況調査の結果を生かす 本年度実施された6年生対象の全国学力・学習状況調査の結果につきましては、個票を配布させ ていただきます。あわせて、該当学年だけでなく、結果から考えられることを全校の保護者の皆様 に知っていただきたいと思い学校便り号外としてお知らせします。 まず、本校の全体的な傾向としては、国語に若干課題はみられますが、算数や理科はおおむね満 足できる状態にあります。本校の課題だけでなく、全国や富山県全体の傾向に関しても、保護者の 皆様にも一緒に考えていただければと思います。 先に質問紙の結果から、次のような点があげられます。これは、本校だけでなく、富山県全体も 同様の傾向なのですが、「朝食を毎朝食べている」はよい結果になっています。朝食は、1日を健 康的にスタートする基になります。これからも、続けていただければと思っています。 気になるのは「ゲームやテレビの利用時間」です。これは、富山県全体も国より多い傾向にある のですが、さらに本校は多くなっています。また、「1日の学習時間」が県の平均より下がってい ます。特に、「予習をあまりしていない」という回答が多いのが気になります。 昨年度から始まった中学校と連携したノーメディアウィークを是非活用していただき、今一度、 お子さんの家庭での生活を見直すきっかけとしていただければ幸いです。中学校では、教科毎に課 題が出ることも多く、家庭学習の時間がより必要になります。特に、6年生は今のうちから、尐し ずつでも家庭学習の時間を増やしていくことが大切です。がんばりましょう。 次に、本校だけでなく、富山県全体や国全体でも、特に課題がみられる問題を教科毎に、ピック アップしてみました。学校では、これらの結果を生かし、より分かり易い授業づくりや個別指導を 行っていきます。ご家庭でも家庭学習の参考にしていただければ幸いです。 □ 理科 理科が全児童生徒対象に行われたのは、今回が初めてでした。ご存じの通り、決して順位を 争っているわけではありませんが、富山県は、全国で小中とも平均点が1位という結果で、教 員同士でも喜んでいるところです。そんな中、理科で意外な課題が見えてきました。 ○ 必要な器具を正しく選択し、実験の準備を行う。 設問(4)は、メスシリンダーの名称を理解しているかどうかをみる問題です。主に「知識」 に関する問題で「技能」との関連もあります。間違った解答には「ビーカー」や「フラスコ」 等理科で使われる用具との勘違いもあるのですが、「はかり」など、日常よく使われる用具 との混同もみられます。実験用具の名前をしっかり、目的に応じて覚えるということは、実 験を進める上でも大切なことです。日常であまり使わないからこそ、理科の授業で「理科の 用語」をしっかり指導し、ノートにきちんと書かせる必要があります。 □ 国語B 国語については、今年のアクションプランの一つに「書く」ことをあげたように、本校の昨 年度からの課題です。学力調査の結果でも、県や国を下回っている問題もありました。 問題を全部載せると紙面が足りませんので、割愛させていただきます。問題文は保護者の皆 様もご存じの一休さんの「とら退治」です。 右の問題は、登場人物の気持ちの変化を 想像しながら音読できるかどうかをみる問 題です。正答例は ・ わたしは、小さい声で読みます。との さまは一休さんをこまらせようと考えて いたのに、逆に一休さんにやりこめられ てしまい、落ち込んで元気をなくしたと 思うからです。 ・ とのさまは、思ったとおりにいかなく て残念な気持ちだったと思います。だか ら、声をだんだん低くして読みます。 などです。 ①声を出して読むときに工夫することが 書かれている。 ②とのさまの気持ちについて想像したこ とを理由として取り上げている。 ③40字以上、80字以内で書いてある。 この3つを満たしているものが正解となります。本校の傾向としては、「①については書い てあるが②がない」や無解答がみられました。読みましょうならできるのですが、どう読むか 書きましょうになるとやはり難しいようです。ここでも書くことがハードルになっています。 □ 算数B 算数は、全国と比べても比較的よい結果でした。そこで、国も富山県も本校にも課題のみら れる問題を紹介します。 『20%増量後の量が 480mL で増量前の洗剤の量は?』 この問題は、 「日常生活の事象の解決に、割合や単位量当 たりの大きさを活用して、合理的かつ適切な判断ができる かどうかをみる」問題です。日常生活の中で使われる物の 多くに 20%増量、30%引きなどの表記がみられます。しか し、これらの意味を正しく理解するためには、基準量と比 較量、割合の関係を的確に捉えることが、大切になります。 20%を 0.2 と数字に置き換え、計算しましょうでは、なか なか理解できないのです。 右の図のように、増量前が1で、0.2 増えたから、1.2 だ ということがイメージできないと、式を立てるのも難しいと いうことになります。他にも「0.7 は、0.01 が何個分ですか」 という問題の正答率も高くありません。数字を、図や言葉で 表しながら、丁寧に理解を進めることが大切といえます。 今日的な教育の目標の一つとして、「永続的理解を身に付ける」があります。例えば「異常気 象」という言葉を知っているだけでなく、それを人に説明できるということです。知識だけでな く、生活で生きる知恵を育むことに努めていきます。
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