「FUNtoFUN Presents-人材GoodPractice」(定期連載第一回目)

2016年(平成28年)7月8日(金曜日) (10)
中食・惣菜現場の今
中食・惣菜市場の伸長が続い
ている。日本惣菜協会の発行す
年版惣菜白書」に
る「
よると、 年の惣菜市場規模は
兆
億
万円
(前年比 ・ %増)の見込み
となり、 年間で %増となっ
た。一方、少子高齢化や生産年齢
人口の減少など、食品業界共通
の課題として人手・人材不足の
課題は今後もさらに先
鋭化することが予想さ
れている。中食・惣菜
に期待される役割がますます大
きくなる中、食を提供する担い
手側に今何が起き、今後どのよ
うな解決の道が拓かれていくの
か──食に特化した人材サービ
スを提供するファントゥファン
が、中食・惣菜の最前線から、
年に向けての食の生産
性向上をシリーズで展望する。
(小澤弘教)
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が目立ってきた。製造
そのものは機械設備の
導入による生産性の向
上を目指す一方で、ア
イテムの多品種化やプ
レミアム商品ニーズの
高まりなど、人の手に
よる製造工程は避けて
通れない。
さらに、就業人口の
減少も食品工場では早
い段階から目立ってき
た。製造現場では ~
代が主力で、人材確
保はますます困難な状
況となっている。
最近ではピンポイン
トでの人手確保と同時
に、正社員として中間
管理マネジメント人材
(生産管理、品質管理
など)が求められる。
本来は主力として活躍
してほしい層だが、教
育体制の未確立もあり
ミスマッチがたびたび
起きている。
こうした動きはリー
マン・ショック後に特
に加速している。リー
マン・ショックで省人
化された現場では、現
在も少ない人数での製
造をボトムラインとし
て、派遣・請負などで
の生産力確保が続いて
いる。
人材サービス市
場の激化を招く
慢性的な労働力不足
は人材サービス市場の
激化・過酷化につなが
っている。先述の通り
製造現場からの要望は
多様化しているが、同
時に働く側のニーズも
多様化している。こう
した状況は人材の需要
と供給のミスマッチを
招きがちだ。
企業側としては、長
く、休まず勤務を続け
てくれる人材がほしい
ところだが、慢性的な
労働力不足はやむなく
即戦力の雇用にならざ
るを得ない。しかし、
実際に入職前の研修不
足や十分な説明がない
まま作業に入って、早
期退職につながるケー
スが増えている。また
応募媒体もWeb化が
進んでいるが、それに
より就労意識が低下し
ていることも見逃せな
いポイントだ。
人材サービス企業に
とっては、「継続して
働いてほしい」という
企業側の要望と、「好
きな時間に自分の都合
で働きたい」という働
き手側の要望をいかに
マッチさせていくかが
求められている。例え
ば、店舗形態がある企
業では、開店・閉店の
人員がほしいという要
望があるが、そこにプ
ラスアルファの勤務を
合わせることで、働き
手側とのミスマッチを
解消することも方策と
してある。フレキシブ
ルな勤務形態を用意す
る企業や、 代以上の
人材の受け入れ、外国
籍の人材の受け入れな
ども増えてきたため、
潜在的労働力の活用が鍵
企業・人材のミスマッチ続く
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社会変化に影響
される製造現場
少子高齢化や女性の
社会進出など、人口動
態・社会構造の変化は
製造現場に大きな影響
を与えている。近年は
高齢者向け惣菜・弁当
や、健康志向などによ
る低糖質・減塩メニュ
ー、嚥下(えんげ)し
やすいソフト食など、
消費者の嗜好(しこう)
や要望は多様化を極め
ている。
そうした中、現場で
はコスト増、製造にお
ける工数・手間の増加
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事前研修などの教育を
いかに人材サービス企
業で引き受けることが
できるかが鍵だ。
潜在的労働力へ
必要な個別対応
労働力不足の原因の
一つとして、
「ミスマッ
チ」が大きい。高齢化
社会の進展による人手
不足の加速は事実とし
てあるが、「潜在的労
働力」への企業ごとの
対応が求められるので
はないだろうか。
生産年齢人口の減少
と並行して、海外から
の人材受け入れが続い
ていることから、潜在
的な労働可能人口は決
して減少しているとは
いえない。今後はライ
フスタイルやニーズの
変化に対応した働く環
境の整備が必要で、明
確化された雇用の入り
口が各企業に求められ
ていくと予想される。
人材サービス提供側も
コンサルティングなど
の推進がますます求め
られていくだろう。