を生み出す社会科の専門家へ・・・・・・・・・・・・安田 一義

附属小学校に赴任して
附属小学校 に赴 任して
「 え っ !?」 を 生 み 出 す 社 会 科
の専門家へ
1
安田
新たな集会 づくりへ
一義
拝崎
50円玉からのス タート
拓郎
体 育 館に 響き 渡 る歓 声と 笑い声 ,割 れん
ばか り の拍 手と 喜 びに 満ち あふれ た笑 顔。
児 童 集会 当日 , 全校 の盛 り上が りが 最高
「あっ,50円玉を出した社会の先生だ。」
潮に達した瞬間の子どもたちのパワーに
本 校に 着任 し た当 初, 子ど もたち が何 度
は,本当に 圧倒 されます。
もこ のよ うな 声 を掛 けて くれ ました 。4 月
こうした集会をつくりあげていくため
の着 任式 で巨 大 な5 0円 玉を 提示し て自 己
に, 私 は二 つの こ とを 大切 にして いま す。
紹介 をし たか ら です 。そ のと き,子 ども た
ち は ,「 な ぜ お 金 は 丸 い の ? 」「 な ぜ 5 0
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思いを 共有 すること
円玉 は銀 色な の ?」 と様 々な 気付き を返 し
児 童 集会 をつ く る際 ,集 会委員 会の 子ど
て く れ ま し た 。 私 は ,「 多 様 な 視 点 で 資 料
もた ち は, まず 思 いを 語り 合いま す。 皆が
を見ることで,社会科の学びが始ま ること」
納得 い くま で話 合 いを 重ね ること で思 いを
を子 ども たち に 伝え まし た。 この日 から ,
共有 し てい きま す 。そ の際 ,私は ,そ れぞ
私 は ,「 社 会 科 の 専 門 家 」 と し て の ス タ ー
れの 思 いの よさ を 生か しな がらも ,集 会の
トを切ったのです。
テー マ を実 現す る ため の新 たなア イデ アを
生み 出 す視 点を 与 える よう にして いま す。
2
「生きた資料」の 使い手を目指して
そう す るこ とで , 皆の 思い も大切 にで き,
着任1年目を対象とした授業研究会で
「 全 校 を 巻 き 込 み , 一 つ に し た い 。」 と い
は, 様々 な課 題 が見 付か りま したが ,そ の
う子 ど もた ちの 集 会へ の願 いが具 現化 され
中で ,あ るこ と をほ めて いた だきま した 。
ていくので す。
2
活動を 価値 付けること
本 校 の 特 別 活 動 が 目 指 す の は ,「 自 己 を
「先生の資料は,45分の中で,子ども
生か す よさ の実 感 」で す。 これは ,他 者と
に7回も『えっ!?』って言わせたぞ。」
とも に 活動 をつ く りな がら ,自己 有用 感を
こ の言 葉か ら 私は ,自 分が 目指す 「社 会
もつ経験を 重ね ることが,集 団における「 自
科の専門家」と しての姿を見いだし ました。
己の 生 かし 方」 に 気付 くた めには 大切 なこ
社 会科 は「 資 料が 命」 と言 われま す。 最
とだと考え てい るからです。そのためには,
新の 社会 的事 象 を扱 い, 子ど もたち の知 的
主体 的 に集 会を つ くり あげ ていく 子ど もの
好奇 心や 内面 的 な学 習意 欲を 高める 「生 き
活動 を ,的 確に 価 値付 けら れる教 師の 力量
た資 料」 が必 要 です 。私 は, この生 きた 資
が必 要 です 。私 は まだ 不十 分です が, これ
料の 使い 手と な るこ とで ,子 どもた ちに 社
から磨いて いき たいと考えていま す。
会科 を学 ぶ楽 し さを 伝え たい と思い ます 。
子 ども たち の 「え っ! ?」 を生み 出す 社
子 ど もた ちが , 他者 とか かわり なが ら,
会科 の専 門家 と して ,こ れか らも日 常生 活
新た な 集会 をつ く り, 自分 の価値 に気 付い
の中 にあ ふれ る 「生 きた 資料 」を自 分の 足
ていく姿をこれからも大切にしていきま
で稼ぎ続けます。
す。
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