小林康彦氏の御冥福をお祈りいたします。 公益財団法人廃棄物・3R研究

小林康彦氏の御冥福をお祈りいたします。
公益財団法人廃棄物・3R研究財団 理事長 田中 勝
元厚生省水道環境部長、前日本環境衛生センター会長である小林康彦氏が 2015 年 8 月
15 日に逝去されました。廃棄物分野にも大きな足跡を残した偉大な行政マンであり、また
見識の高い学者でもありました。心からお悔やみを申し上げます。
小林さんと廃棄物との関わりを簡単に振り返ると*、1974 年から厚生省水道環境部計画課
補佐で廃棄物を扱い始め、1976 年に法改正、第3次計画に関わり、大阪湾のフェニックス
センターの設立まで担当されました。1982 年に環境整備課長に就任しダイオキシンと乾電
池問題を担当されました。1990 年に水道環境部長に就任されて産廃特措法を手がけられて
います。1992 年には厚生省を退官され財団法人廃棄物研究財団(当財団の前身)に顧問と
して来ていただき災害廃棄物について研究されました。
一方、私は米国で経営工学や廃棄物工学を学び研究して 1976 年に帰国して、国立公衆衛
生院に衛生工学部の主任研究官に就任したのですが、1983 年のダイオキシン問題の解決に
小林さんと一緒に関わりました。
小林さんは国際協力、国際貢献にも熱心で、日米廃棄物処理会議(1973 年に第1回が東
京で開催)や日独廃棄物ワークショップが開催され先進国の情報を収集し、また日本から
の情報発信にも熱心でした。小林さんは開発途上国に対して廃棄物分野の JICA 集団研修を
始められ、私はそのコースリーダを長く勤めました。今考えて見れば、色々の研究や教育、
国際貢献は小林さんの提案や計画に沿ってお手伝いをさせていただいたような気がいたし
ます。
また、1990 年に廃棄物学会を設立したときには、大変喜んで下さいました。2003 年に岡
山大学で廃棄物に関する 21 世紀 CEO プログラムを立ち上げたときも、オープニングシン
ポジウムに御出席いただき、大きな期待と励ましの言葉を頂戴いたしました。
小林さんのご指導、励ましに感謝し、御冥福をお祈りいたします。
*
小林康彦「廃棄物と私の関わり、私の発言―わが国における3Rの潮流と廃棄物処理法
1970-2008―」(「都市と廃棄物」2009 年,Vol.39,No.4)から