情報公開文書 虎の門病院上部消化器外科 大倉遊 研究テーマ:食道癌に対する術前化学放射線療法後の効果予測因子の検討 研究目的: 食道癌に対する化学放射線療法の効果予測因子に関しては, 未だ研究段階であります.今回 我々は化学放射線療法後に外科的切除をし,切除した病理検体から組織学的効果判定とし て Grade2 以上の効果が得られた症例(以下 CRT-Effective group)の術前化学放射線療法効 果予測因子を明らかにすることを目的としました. 研究計画・方法: 対象患者・方法 ・2000 年から 2014 年 6 月まで当院での食道癌 1540 例中,初回治療として化学放射線療法を施 行され,その後に食道切除を施行した臨床病期 StageⅡ以上の 113 例を対象としました. ・治療後の生存率から DSS)から予後予測因子を算出するとともに,化学放射線療法の効果が得 られやすい患者背景の検討を行ないます. ・予後因子の算出には年齢,性別,嗜好歴や臨床病期等,治療前の因子と病理所見等の手術後の 因子を解析します. ・化学放射線療法の効果が得られやすい因子の解析については,年齢,性別等の患者背景 や治療前の採血結果,また治療後の因子や化学療法の内容などについて解析を行います. ・さらに同期間中に当院で施行した術前化学療法後に食道切除した 146 例を追加解析し化学療 法単独群での効果予測因子も同様にして検討します. ・ 解析内容は同様に患者背景因子や治療前の採血結果などについて検討します. 研究特色 現在食道癌の治療は,手術, 化学療法, 放射線療法が中心となっております.その中で、1980 年代に有効性が示されてから化学放射線療法が広く用いられております.過去に化学放射線療法 の有効性や予後因子についての報告がいくつか挙げられております.また化学放射線療法の効果 予測因子としては、治療前の画像所見による効果判定の報告はいくつか認められております. しかしながら,画像所見以外、患者背景や術前採血データ等,術前因子のみを元に化学放射線 療法の効果を予測できる指標を算出した報告はありません.治療開始前の段階で採血結果や生 検結果などから化学放射線療法の効果が得られやすい因子が分かれば,個々の患者に合わ せたより有効な治療法選択の一助につながると考え本研究を行なうこととしました. 尚,参加したくない場合は下記連絡先まで御連絡ください. 本研究に参加の有無に関わらず,当該患者さんへの不利益にはなりません. 連絡先 虎の門病院 上部消化器外科 大倉遊 代表番号:03-3588-1111
© Copyright 2024 ExpyDoc