科目名 キリスト教学ⅡB

2015 年度 後期 2単位
科目名 キリスト教学ⅡB
対象学科・学年: グローバル・スタディーズ 学科
時
間: 月曜日 Ⅱ時限(10:40~12:10)
教
室: 1号館121室
教
科
2 年
書: 『聖書』(授業で配布する)
1.担当教員
(1) 名前: 川上直哉(かわかみなおや)
(2) 研究室: 無
(3) 連絡先:
(4) オフィスアワー: 無
(5) 主な研究・教育業績
研究業績:神学博士(組織神学/立教大学)。日本基督教団仙台市民教会主任担任教師、NPO
法人「東北ヘルプ」事務局長、食品放射能計測所運営委員長。「「キリスト教学」と「神学」:「キリス
ト教大学のアイデンティティーとキリスト教学の可能性」の探求」『東北学院大学キリスト教文化研
究所紀要』(東北学院大学、2010 年)、『日本におけるフォーサイス受容の研究:神学の現代的課
題の探究』(キリスト新聞社、2011 年)、『食卓から考える放射能のこと』(共著・いのちのことば社、
2013 年)、『被災地支援と教会のミニストリー』(共著・いのちのことば社、2014 年)、『被ばく地フク
シマに立って』(ヨベル社、2015年)。日本基督教学会、日本基督教史学会、立教大学キリスト教
学会 会員。
教育業績:「キリスト教学」講師(2007年度より2013年度まで 東北学院大学・2009年度より
2015 年度まで 仙台白百合女子大学)、「キリスト教入門」「キリスト教と文化」講師(2012年度尚
絅学院大学)、「キリスト教文化史」(2014年度以降 東北学院大学)、「宗教間協力」「宗教者の
倫理」「臨床宗教師と放射能」講師(2012年度より2013年度まで 東北大学実践宗教学寄附講
座臨床宗教師研修)。「現代世界」(2015年度 宮城学院大学)。
2.授業の目的
(1) 授業の目的
キリスト教学Ⅰで修めた「私と世界」の学びから一歩を踏み出し、「教養(paidea, liberal arts)=人
間と世界についての学び」としての「キリスト教学」を、「キリスト教実践(礼拝・奉仕・神学)」との関係
の中で学び、次年度以降に受講する「人間論」への架橋を行う。
(2) 到達目標
① 「教養」とは何であるかを理解し、大学の意味を自らのものとする。
② 「キリスト教」について理解することで、「人権」と「平和」を理解する。
③ 聖書を自分で読めるようになる。
3.授業の概要
「キリスト教学ⅡA」での学びに基づき、イエス物語をたどり「キリスト教」を理解しつつ、「古典」と「哲
学」を通して「教養」を学び、人権とは何か、平和とは何かを自らの言葉で考え表現する。
4.授業の受け方・勉強の仕方
(1) 予習の仕方
最初の授業の前に、「キリスト教学ⅡA」の内容を復習すること。第二回目以降は、各回の授業
で配布する資料を読み、授業録音(聴取方法は授業にて紹介する)を聴いて、毎回の授業を祖
述し批評すること。この復習が、次回への予習ともなる。
(2) 授業の受け方
授業は、教師と学生との対話の成果として展開する。可能な限り授業への祖述・批評・質問に
答えつつ、毎回の授業は組み立てられる。授業で語られることを記憶する必要はない。ただ、授
業で聞いた事柄を友人・家族と議論し自分の言葉として取り入れることが奨励される。
レジメを中心にし、板書をその補足のために用い、映像・音響教材を活用しつつ、授業は進め
られる。したがって、プリント資料が中心となる。そのプリントに書き込みをして、ノートの代わりとな
るよう、教師はプリント資料の構成を考える。授業中の発言・質問は、歓迎する。挙手の上、指名さ
れてから、簡潔に質問を組み立て語ることは、学生諸賢にとって、良い訓練となるだろう。
(3) 復習の仕方
上記「予習の仕方」を参照のこと。
5.受講にあたってのルール
(1) 受講時のマナー(私語、内職、居眠り等)とその違反に対する扱い: 常識の範囲を逸脱するも
のには、注意を行う。改善が認められないときは、退席を命ずる。
(2) 遅刻・欠席・早退の扱い:原則として 90 分の授業時間を全うしない者は「欠席」とする。事情が
あって遅刻・欠席・相対をする者は、その都度、相談すること。
(3) 課題提出にあたってのルール:授業の祖述・批評は、次週の授業までに必ず提出すること。事
情がある場合は、その都度、教師宛連絡をすること。
6.授業計画
回
月日
9/28
1
10/5
2
10/12
3
10/19
テーマ・内容
予習・復習
休講
平和と人権:「世界と人間を学ぶ」営みとして
の教養の意味を、宗教の視角から考え、
「キリス
ト教学ⅡA」の復習とする。
休講
十戒と主の祈り:「キリスト教学ⅡA」の復習
としてモーセ物語を振り返り、その到達点とし
ての十戒と、その点かいとしての主の祈りを確
認する。
4
10/26
イエスの地理と歴史:イエス物語の背景を確認
し、その、現代日本との類似を指摘する。イエ
ス物語を、現代日本のコンテキストで読み直す
準備が行われる。
5
11/2
イエスの師匠と思想:「名もなき者」が「神の
子」であるというイエス物語の使信を確認し、
そこに「人権」あるいは「人間の尊厳」の根拠
を見出す。
6
11/9
イエスとモーセ:現代米国の事例と黒人霊歌を
素材に、「聖書の神の働き」が具体的に展開し
前回授業配布の資料
を読み、授業録音を聴
き、その批判と祖述を
提出すること。
備考
ていることを確認する。
7
11/16
聖書の構成:旧新約聖書の構成と読み方を確認
する。
8
11/23
休講
9
11/30
「マリアの讃歌」とお母さんは正しい:アドベ
ントとなるので、教会暦の説明と共に、マリア
の讃歌を用いて、原子力災害地の「正しさ」を
考え、人間の尊厳とは何かを検討する。
10
12/7
クリスマス物語1:ルカ福音書のクリスマス物
語を用いて、貧しくされた人々への「良い知ら
せ」を確認する。
11
12/14
クリスマス物語2:マタイ福音書のクリスマス
物語を用いて、「無辜の犠牲」と人間の尊厳に
ついて検討する。
12
12/21
愛と友情:「イーリアス」と「ラエリウス(友
情論)
」
「ヨハネ福音書」を比較し、古典を読解
する技術と喜びを学ぶ。
13
1/18
デモ・テロ・十字架そして復活:イエスの十字
架事件の背後にある流れを確認する。
14
1/25
最後の晩餐:「ヨハネ福音書」最後の晩餐場面
を読解する。
15
2/1
全体の復習:後期の授業を振り返ってから、
「洞
窟の比喩」を用いて教養の意味を確認し、「い
のち・尊厳・絆」の三位一体的理解を以て人間
と世界についての理解を求め、議論をまとめ
る。
※ 上記に加えて、補講を行います。また、授業の展開によっては、変更の可能性があります。変更の場合には随時
お知らせします。
7.評価方法
(1) 各授業への祖述と批評(60%)…各回への祖述と批評の提出を以て60点とする
(2) 受講態度(15%)…各回への祖述と批評の内容を見て、最高 15 点までを加点する。
(3) 課題レポート(25%)…授業で提示するレポート課題に取り組んだ場合、最高 15 点までを加点
する。
8.参考図書・文献
川上直哉『被ばく地フクシマに立って』ヨベル、2015年。
山浦玄嗣『ガリラヤのイェシュー』イーピックス、2011年。
板橋恵子『ラジオ カフェ・デ・モンク』イーピックス、2012年
プラトン『クリトン』(翻訳・版はどれでもよい。)
プラトン『ゴルギアス』(同上)
映画「プリンス・オブ・エジプト」
映画「トロイ」
映画「300」
映画「JESUS」(http://p.tl/MeDH)
9.履修上の注意
(1) 前提科目や履修条件についての情報:キリスト教学Ⅰの内容を一度復習しておくこと。
(2) 資格要件に関する情報:特になし
(3) 特別な配慮を要する学生に対する扱い:個別に対応します。ご相談ください。