補足プリント6:指数関数 松井宗也 南山大学経営学部 平成 27 年 5 月 10 日 今回の内容は「微分積分学(理工系の数学入門コース)」(和達三樹、岩波書店) を参考にした。 1 指数関数 a をある定数として y = ax を指数関数 (exponential function) という。特に重要なのは極限 ( ) 1 n lim 1 + = e = 2.7182818 · · · n→∞ n で定義される定数 e の指数関数 ex である。ここで limn→∞ は n が ∞ に近づくときの極限という意 味である。ネイピア数 (Napier’s constant)と呼ばれる。自然対数 log の底である。ex は定義域が −∞ < x < ∞ で定義された単調増加関数(だんだん増えていく関数)となる。 10 5 0 y 15 20 y=exp(x) −2 −1 0 1 2 x 図 1: 指数関数 y = ex のグラフ 1 3 指数関数の基本的性質 a, b は定数とする。 (1) ax ay = ax+y (2) (ax )y = axy ax (3) y = ax−y a ( a )x ax (4) = x b b 対数関数の基本的性質 指数関数の逆関数を対数関数 (logarithmic funciton) という。すなわち、ay = x のとき、「y は a を底とする x の対数」といい、y = loga x で表す。特に、a = 10 を底とする対数を常用対数、 a = e を底とする対数を自然対数という。関数電卓では ln x と表記されることもあるので注意が 必要である。 (1) loga xy = loga x + loga y x (2) loga = loga x − loga y y (3) loga xy = y loga x loga x (4) logb x = loga b 指数関数:発展的知識 2 指数関数 e の表現 ネイピア数には以下の表現がある。 ex = lim n→∞ ( x2 x3 xk x )n ∑ xn =1+x+ + + ··· + + ··· = n n! 2! 3! k! ∞ 1+ n=0 証明はやや技術的なので省略します。証明自体は特に必要な知識ではありません。 2
© Copyright 2024 ExpyDoc