2015年9月号 金を吐く、小さな草

金を吐く、小さな草
森野かずみ
今月 日は、かぐや姫が月に帰った中秋の名月ですね。この
日にかぐや姫とウサギが見る地球は新月で、翌月 日に見る地
球は大きな満月のはずです(月の4倍!)
。
細い茎は横に這って分 枝し、ところどころ
から根を出し、全体で5㎝〜 ㎝位になりま
ないと見つけられないかもしれません。
ゆる「雑草」ですが、とても小さいので、探さ
科の1年草で、庭や道端、畑などのやや湿った所に見られるいわ
彼岸を過ぎて朝夕の涼しさにはっきりと秋を感じ始める頃に
実を結ぶ小型の草本に、トキンソウ
(吐金草)があります。 キク
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す。 葉の長さは ㎜前 後で、互 生して上 半
よく見ると、頭花の緑色の子房が目につき
ます。 中 心 部がやや茶 色になった頭 花 を指
り観察してください。
見るのに抵抗感を感じる方は、肉眼でしっか
なります。 道端に這いつくばるような姿勢で
葉腋に小さな頭花を付けますが、直径は
3~4㎜なので、細かい観察はルーペの世界に
分に鋸歯があります。
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さないようにしてください。
全体が紫褐色に見えているのは蕾の状態の両性花ですから、潰
名がつきました。 なお、頭花がより小さく、茎の先端の辺りで
で潰すと、黄色の痩果(そうか)が飛び出すので、「吐金草」の
トキンソウ
のホームページでカラー写真をご覧いただけます。
Kacce
小さな雑草にも名があります。 足元にも気配りしながら残
暑の散歩をお続けください。
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