チャイルドが暮らす地域のご紹介 SLV-190776 チャイルド・スポンサーシップは、１人の子どもを対象にしたお金や物の提供ではありません。支援地域の人々が、子どもの健やかな成長のために必要な環境を整えていくことを支援するプログラムです。チャイルドが暮らす地域と、現地でワールド・ビジョンが実施している開発プログラムについてご紹介します。エルサルバドル共和国国情報中央アメリカ中部に位置し、グアテマラ、ホンジュラスと国境を接し、南は太平洋に面しています。日本の四国と同じくらいの国土に約630万人が暮らす、中米で一番人口密度の高い国です。1980年から約20年にわたる内戦で75,000人以上が戦死し、治安と経済が悪化しました。現在も経済復興と治安回復が課題となっています。出典：外務省地域情報サンアグスティン地域開発プログラム（SLV-190776）支援期間：2009年～2024年* *支援期間はプログラム準備期間を含みます。支援終了予定日や活動の目標は、予期しない突発事項やプログラムの進捗状況により、変更される場合があります。首都サンサルバドルより約100ｋｍ東に位置する、ウスルタン県サンアグスティン郡でプログラムを実施しています。エルサルバドルでは200万を超す人々（主に男性）が海外（主にアメリカ）に出稼ぎに出ており、支援地域にも母子家庭が数多く存在します。周りに模範となる大人が少ないため、ギャング*に入ったり、薬物やアルコールに依存する若者が多くいます。また、内戦以降暴力の連鎖が続いており、地域や家庭内での子どもや女性に対する暴力も問題となっています。サンアグスティン地域開発プログラム * 「マラス」という巨大な青少年凶悪犯罪集団で、殺人、強盗、恐喝、暴行、性犯罪、麻薬売買などを行い、深刻な社会問題になっています地域の課題保健・栄養汚染された水と不衛生な住宅環境が原因で頻繁に起こる子どもの下痢と肺炎教育支援地域の一般的な住居の様子治安が悪く、学校でも身の危険を感じ中退する子どもが存在生計向上青少年がギャングに加わることなく、心身ともに健康に成長できる地域環境づくりが課題です貧困ゆえにギャングに加わったり、アメリカへの移住を試みる青少年が多い保健・栄養基本的な衛生知識が不足しているため、予防できる下痢や肺炎にかかる子どもが後を絶ちません。また、子どもへの適切な食事の与え方を知らない親が多く、栄養不良の子どもが少なくありません。ワールド・ビジョンが行う支援活動  母親たちから成る「子どもの健康・栄養サークル」の組織化  サークルで、栄養バランスのとれた食事の作り方、母乳育児、予防接種、呼吸器疾患や下痢への対処方法などについての情報提供を行う「子育て指導員」の養成母親たちが保健や栄養について知識をつけることで、子どもたちの健康状態が改善します教育エルサルバドルは、就学前教育を受けられる子どもの割合が中南米地域の中で最も低い国の一つです。特に支援地域のような農村部では、就学前教育を受けられる子どもは非常に限られます。また、小学校以降では、授業内容についていけなかったり、貧しい家庭の事情や、ギャングの脅しにより学校でも身の危険を感じ、退学してしまう子どもが少なくありません。ワールド・ビジョンが行う支援活動  就学前教育センターの整備や教師を対象とした研修の実施  放課後に「子どもクラブ」を開催し、算数、国語の補習授業のほか、音楽、絵画、ダンスなどのレッスンや道徳教育、性教育の機会を提供子どもたちが就学前教育を受け、小学校入学に備えることができるよう取り組みます生計向上住民の多くが、農業や家畜の飼育で生計を立てていますが、近年は気候変動の影響もあり、干ばつに襲われることもあります。国内での就業機会が限られており、多くの家庭が海外にいる家族や親戚からの送金に頼って生活しています。貧困ゆえにギャングに加わり、恐喝や麻薬ビジネスにより現金収入を得る若者も多くいます。編み物を始める前は、テレビを見たり、遊んだりして自由時間を過ごしていましたが、今は有意義に時間を使えるようになりましたワールド・ビジョンが行う支援活動  養鶏や農業などの技術支援  青少年などを対象とした、編み物、宝飾品製作、パン製造などの職業訓練支援は人々の生活を変える力となります青少年が健全な手段で生計を立てられるよう支援しますルイス君は、ワールド・ビジョンのプログラムで学んだ編み物の技術を生かして、かばんや財布など、様々な小物を作っています。ルイス君が作る小物は友だちの間で人気が高く、作るとすぐに売れてしまいます。作った小物を売ったお金で、ルイス君はノートなどの学用品を購入しています。ワールド・ビジョンは、ルイス君のような子どもたちが技術を身に付け、心身ともに健やかに成長できるよう、支援活動を行っています。