チャイルドが暮らす地域のご紹介 CAM-182126 チャイルド・スポンサーシップは、１人の子どもを対象にしたお金や物の提供ではありません。支援地域の人々が、子どもの健やかな成長のために必要な環境を整えていくことを支援するプログラムです。チャイルドが暮らす地域と、現地でワールド・ビジョンが実施している開発プログラムについてご紹介します。カンボジア王国国情報インドシナ半島に位置し、ラオス、ベトナム、タイと国境を接し、南部は南シナ海に面しています。国土は日本の半分弱の広さで、クメール人が国民の90％以上を占め、宗教は上座部仏教が主流です。1970年代のクメール・ルージュ率いるポル・ポト政権による大量虐殺やその後の内戦を経て、1990年代に民主的な選挙が行われ、立憲君主制国家として歩んでいます。カンボジア出典：外務省地域情報ポニャー・ルウ地域開発プログラム（CAM-182126）支援期間：2006年～2020年* *支援期間はプログラム準備期間を含みます。支援終了予定日や活動の目標は、予期しない突発事項やプログラムの進捗状況により、変更される場合があります。ポニャー・ルウ地域開発プログラム ● プノンペン首都のプノンペンから北西へ約46km、車で1.5時間程のカンダール州ポニャー・ルウ郡では、住民の多くが農業を行っています。土地がやせている上、11月～4月の乾期はほとんど雨が降らないため、農作物が収穫できず、食べ物にも困る世帯が少なくありません。このため、現金収入を求めて都市の縫製工場や建設現場へ出稼ぎに行く住民が多くいます。貧困に加え、出稼ぎに行った住民が都市から持ち帰る飲酒やギャンブルなどの悪習慣、また家庭や地域内での暴力も問題となっています。地域の課題保健・衛生年間を通して安全な水を得られない人の割合約79％* 衛生的なトイレを使用していない人の割合支援地域では生活のために働かなければならない子どもたちが少なくありません約54％* 教育の質労働や家事の手伝いのために学校を休んだり中退する子どもが多い地域や家庭の荒廃家庭内暴力やアルコール中毒の支援地域の一般的な住居の様子犠牲になる子どもたち *2012年時点保健・衛生親の知識不足と貧困から、栄養状態の悪い子どもが大勢います。また、安全な飲み水を得ることが難しく、トイレも普及していないため、水が原因で下痢などの病気が頻繁に発生します。親や、親の出稼ぎ中に子どもを預かる祖父母に対して、健康管理や衛生についての知識を普及させる必要があります。ワールド・ビジョンが行う支援活動  保護者を対象とした、母乳育児や栄養ある食事、予防接種、産前産後健診の重要性など、健康管理や栄養に関する啓発活動・研修  井戸や貯水池の建設支援、貧しい家庭への水ろ過装置の提供  野外排泄廃止のための啓発活動とトイレの設置支援地域の人々が安全な飲み水を得て健康に過ごすために必要な支援を行います教育の質小学校への入学率は高いものの、貧困家庭では子どもも働かなくては生活できないため、家事労働のために頻繁に学校を休んだり、9年間の基礎教育修了前に、中退して働く子どもが少なくありません。また、教師の給料が低いため副業を持つ者が多く、指導方法の問題もあり、教育の質が低迷しています。ワールド・ビジョンが行う支援活動     保護者を対象とした、教育の重要性についての啓発活動教師を対象とした教授法や教材作成についての研修保護者と教師の間で協力関係を構築するための働きかけ教育環境改善のための政府に対する働きかけ子どもたちが継続的に質の高い教育を受けられるよう支援します地域や家庭の荒廃親が出稼ぎで不在であったり、生活のための労働で忙しい貧困家庭では、子どもが十分にケアされず、劣悪な衛生環境や学業の遅れが放置されがちです。また、親のストレスのはけ口として、家庭内暴力やアルコール依存の犠牲になってしまうケースもあります。ワールド・ビジョンが行う支援活動  住民を対象とした家庭内暴力防止のための研修  青少年グループの組織化と、子どもの権利と虐待防止のための青少年グループでの啓発活動子どもたちが安全に過ごせる地域づくりを目指します支援はチャイルドの生活を変える力となりますダルチ君の父親は、数年前に家族の元を去り、ほかの女性と再婚してしまいました。父親が去ってからというもの、ダルチ君は口数が少なくなり、友達ともあまり遊ばず、何事にも消極的になっていました。しかし、ワールド･ビジョンのスタッフが頻繁に訪問してくれるようになり、衛生的で規律正しい生活や教育の大切さを学んだダルチ君は大きく変わりました。今ではクラス委員を務めるほど積極的になり、学校の先生になるという夢を持って一生懸命勉強に取り組んでいます。ワールド・ビジョンは、ダルチ君のような子どもたちが夢を持って健やかに成長できるよう、支援活動を行っています。