学校研究 1 研究主題(研究テーマ)について <研究主題> 個性を認め合い生きる力をのばす児童の育成 <副題> 考えを正しく伝え合う言語活動の工夫 (国語科) ※生きる力を育て、絆を深める埼玉教育(生きる力と絆の埼玉教育プラン)より 「生きる力」…知・徳・体の調和を図りつつ豊かな創造力を発揮する 「絆」 …教師と児童生徒など人間同士のつながりや学校・家庭・地域の結びつき 2 主題設定の理由について (1)新学習指導要領との関連 新学習指導要領のめざす「生きる力」とは、知・徳・体のバランスのとれた力である。基 礎的な知識・技能を習得し、それらを活用して、自ら考え、判断し、表現することにより、 さまざまな問題に積極的に対応し解決する力が身についてくる。また、自らを律しつつ、他 人とともに協調することで、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性が育ってく る。また、これらを実現するためには、健康や体力が必要となってくる。 本校では、「生きる力」の要素の一つである「確かな学力」を育むために、学習活動の中 で、「自分の考えを正しく伝え合う」ということに重点を置いて取り組んでいきたいと考える。 (2)学校教育目標との関連 本校の学校教育目標は、次の通りである。 ・よく考える子 ・思いやりのある子 ・たくましい子 この教育目標を達成するための、基礎・基本となる力の一つとして、「伝え合う力」を取 り上げ、自分の考えをしっかりともちそれを表現する力や相手の思いや考えを受け入れる思 いやりの心を育んでいきたい。人と人とをつなぎながら自己を完成させていくときに、「伝 え合う力」は不可欠なものであると考える。 (3)今日的教育課題との関連 子どもたちは現代社会の急激な変化に向けて、主体的な対応力(生きる力)を身につけて いかなければならない。「生きる力」を向上させるためには、子どもたちに、基礎的・基本 的な内容を確実に身に付けさせ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく 問題を解決していく能力(確かな学力)をつけさせていく必要がある。 この「確かな学力」を育てていくためには、「国語力」の育成が不可欠であると考える。 言葉は、「確かな学力」を形成するための基盤であり、他者を理解し、自分を表現するため の手段である。本校では、「伝え合う力」とは「人間と人間との関係の中で、互いの立場や 考えを尊重しながら、言語を通して適切に表現したり理解したりする力」と考える。 このことから、話し手や書き手の思いや考えを正しく理解したり、自分の思いや考えを相 手にわかりやすく伝えたりする「伝え合う力」は、「確かな学力」を育むために大切である と考えられる。 (4)これまでの研究との関連 平成22年度 国語 「個性を認め合い生きる力をのばす児童の育成」 ―思いや考えを豊かに伝え合う国語科指導― 平成21年度 人権教育 (町委嘱・県協力校) 「個性を認め合い生きる力をのばす児童の育成」 ―豊かな体験活動をとおし、互いに支え合える子をめざして― 平成20年度 算数 「個性を伸ばし生きる力をはぐくむ学習指導」 ―確かな学力の定着を図る指導法の工夫と改善― 平成19年度 算数 「個性を伸ばし生きる力をはぐくむ学習指導」 ―確かな学力の定着を図る指導法の工夫と改善― 平成18年度 体育 (小体連委嘱) 「運動の楽しさ・喜びを味わい、仲間とともに高めあう子どもの育成」 ―運動の楽しさを味わわせ、体力を高める授業実践― (5)児童の実態との関連 本校の多くの児童は、比較的穏やかで素直でな面をもち、与えられた課題や仕事に対して はしっかりと取り組める子が多い。休み時間も進んで外遊びを行い、元気に活動する姿が多 くみられる。自然にも親しんでおり、心豊かに成長している。 しかし、行動にやや消極的な面があり、自主性や主体性に欠けるところがある。学習面に おいては、自分の考えをまとめて他者に伝えたり、自分の思いや考えと他者の思いや考えを 交流させながら学習を高めたりできる児童は多いとはいえない。また、既習事項を基にして、 筋道立てて考えたり、個々の情報を関連付けたりしていく思考力がやや弱いといえる。また、 自分の考えを明確に示して積極的に行動したり、他者に分かりやすく自分の考えを発表した り、表現したりすることを苦手としている。 以上の5つの関連から、「話す」「聞く」「読む」「書く」などの基本的・基本的な力を身 につけ、その上で工夫したさまざまな言語活動に、相手意識や目的意識をもって意欲的に取 り組むことにより「正しく伝え合う力」が大きく育つと考え、上記の研究主題を設定した。 3 研究の仮説と手だてについて 仮説1 単元構成や教材を工夫すれば、自分のや考えを正しく伝えることができるように なるだろう。 【手だて】 「伝え合う力」を育てていくためには、自分の思いや考えを伝えたり、相手の思いや考え を知ったりしたいという気持ちを高めていく必要がある。そのためには、楽しく感動のある 体験活動、生活科や総合的な学習の時間と関連させた活動を取り入れるなど単元構成を工夫 したり、児童の思いや願いを受け止めて、興味・関心・意欲を生かす教材などを取り入れた りすることが大切であると考える。 また、単元構成の工夫として、教材の読み取りなどを行ったあとに、そこから自分で課題 を見つけ、自ら調べ、自分なりに考えたことをまわりに発信する時間を設けることで、「伝 え合う力」が育ち、「確かな学力」が育まれると考える。 仮説2 「伝え合う方法」「伝え合う場」(言語活動)を工夫すれば、自分の考えを生き生 きと正しく伝え合うようになるだろう。 【手だて】 単元構成の中で、自分の思いや考えをまわりに発信する時間を設定する際には、「伝え合 う方法」や「伝え合う場」を工夫する必要がある。 学年の発達段階に応じて言語活動の伝えあう方法を工夫することで楽しく取り組むことが でき、伝えあう力を高めることができると考える。また、どんな場で伝え合うかを工夫する ことによって、伝える目的をはっきりともち、伝え合おうとする意欲を高め、伝え合う力の 育成につながると考える。 仮説3 共感的な理解に基づく評価の方法を工夫すれば、自分の思いや考えを生き生き と伝えるようになるだろう。 【手だて】 子ども一人一人が充実感を持って学習を終えることが大切である。そのためには、自分の 学びの様子がわかり、お互いに共感できるような評価の仕方を工夫していく必要がある。 自分の学習の様子を振り返ることができる自己評価や互いのよさを認め合うような相互評 価を工夫することにより、子ども自身が自分の学習の進歩を把握したり、安心して自分の思 いや考えを伝えたりすることができ、学習を終えたときに子ども一人一人が満足感をもつこ とができると考える。 仮説4 日常の言語活動や言語環境を充実させることにより「確かな学力」を育ててい くための土台となる「国語力」を育成することができるだろう。 【手だて】 国語の時間だけでなく、日常の言語環境を整えることが大切である。そのためには、普段 の授業の中で、発表の仕方や聞き方などのルールを決め、子どもたちに話し方や聞き方のマ ナーをしっかりと身につけさせることが必要である。また、教師も言語環境の一つである。 教師の話し方・聞き方・読み方・書き方などが、子どもたちの手本となるように心がける必 要がある。同時に、身の回りに言語に関する掲示やコーナーを設けることにより、児童の言 語に関する興味や関心を高めることができると考える。さらに、チャレンジタイム国語(週 1 回、朝の時間に実施)の充実を図り、子どもが楽しく国語の学習に取り組んだり、基本的な 言葉の力をつけたりしていくことが大切であると考える。 4 研究組織について 校長 教頭 研究推進委員会 校長・教頭・研修主任・研究主任 低学年ブロック 1 名・高学年ブロック 1 名 全体研修 授業研究部 低学年ブロック 1~3年担任・ 養護教諭 高学年ブロック 4~ 6 年担任 研修主任 研究専門部 学力対策 調査・環境整備部 掲示板 研究主任 高学年担任 →(3階) 研究副主任 中学年担任 →(2階) 研修主任 低学年担任 →(1階) ↓ ↓ ↓ ※「3つの達成目標」推進委員会… 「学力」 「規律」 「体力」
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