マイワシ資源量、増加傾向強まる

2015年(平成27年)
12月15日(火)12226号
マイワシ資源量、増加傾向強まる
水産総合研究センターが調査結果発表
水産総合研究センター(水研センター、横浜
市)は14日、マイワシ資源の増加傾向がさらに
強まる可能性が高いと発表した。
マイワシ太平洋系群は100万t以上の漁獲が
あった1990年代前半以降、資源量が激減し、08
年には漁獲量が2万7000tまで減少。
ところが近年は2010年生まれの数が増え、そ
れが1歳魚となった11年夏は三陸北部漁場、さ
らに道東漁場まで来遊し、道東では18年ぶりに
マイワシ漁場が形成された。
水研センターはマイワシ資源評価のため、毎
年秋に太平洋北西沖合域の調査を実施している
が、それによると11~14年生まれのマイワシも
数が多く、最近の資源量および漁獲量は増加傾
向にある。14年の漁獲量は約19万t、15年はさ
らに20万tを若干上回る見込み。
水研センターでは今年秋の調査で、15年生ま
れの0歳魚が沢山生き残っており、10~14年の
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各年の生まれを大きく上回る数であることを確
認。15年生まれの加入量は2000年以降では卓越
して多く、
「1977年、78年と同じ1000億尾近い加
入量であった可能性がある」
( 中央水産研究所資
源管理研究センター資源評価グループの由上龍
嗣研究員)と見られている。
寒冷レジームに入った可能性も
マイワシの資源量は、数十年ごとに地球規模
で起こる海洋環境のレジームシフトと同期し、
北西太平洋の“寒冷レジーム”により資源が増
大したことが知られている。
“寒冷レジーム”で
は、餌料環境などがマイワシにとって良好とな
り、稚仔魚の生存率の高い年の頻度が高くなる
と考えられている。
由上研究員は「寒冷レジームの段階に入った
可能性がある。来年、再来年と高水準の状態が
続けば、80年代のようなマイワシ資源の高水準
期へ移行していく可能性がある」と指摘する。
(11226)
福一漁業㈱
代表取締役社長
こんどう
近藤
かずしげ
一成 氏