「命」をいただいて『いのち』を守る

11 月
平成27年 月
日
舞 鶴 市 教 育 委 員 会
11月23日は『勤労感謝の日』です。
以前は、この日は「新嘗祭(にいなめさい、またはしんじょうさい)
」といわれ、五穀、農作物の収穫を祝
い、感謝する大事な行事とされていました。現在では、
「勤労を尊び、生産を祝い、国民がお互いに感謝しあ
う日」として法律で定められ、仕事をしている人たち、その労働で生産された農作物・商品に対しても感謝す
る日ということを再確認しましょう。
「命」をいただいて『いのち』を守る
11月23日の勤労感謝の日、身近でわかるのが家族の働く姿ですが、それだけでなく、皆さんの生
活は毎日たくさんの人々の働きによって成り立っています。
給食時間に間に合うように届けられている給食でも・・・・皆さんの健康を考え献立を考える栄養士・
物資を届けていただいている舞鶴市内の各業者さん・調理、盛り付けをする調理員さん・ドライバーさ
ん・学校の配膳員さん、その他にも毎日給食を滞りなく提供するために見えないところで働いてくださ
っている人々がたくさんいます。その人々のさまざまな努力や苦労があることを忘れてはなりません。
そして、食べ物の「命」をいただいて、自分の『いのち』を守っています。その感謝の気持ちを込め
て、あいさつをする、残さず食べる、味わって食べる、お弁当箱をていねいに扱う、きちんと後片付け
をするなど・・・皆さんにできることは何か考える機会にしてみましょう。
食事に感謝の「いただきます」から
「ごちそうさま」ではねぎらいの気持ちを
「いただく」は漢字では「戴く」
「頂く」とも書
「ごちそう」は漢字で「御馳走」と書きます。
「馳
き、大切なものを受け取るときに感謝の気持ちを
走」とは「走り回る」という意味です。昔は大切
込めて頭の上にあげるしぐさのことです。
な人をもてなすために遠くまで駆け回り、材料を
食事を通して、多くの動物や植物の命をいただ
集めて食事を準備しました。そうした心づかいへ
き、自分のいのちを守っています。
「いただきます」
のねぎらいを表す言葉でした。食事作りに関わる
のあいさつはこうして命をいただいて食事ができ
人の思いや苦労、そして努力に感謝する気持ちを
ることへの感謝の言葉です。
表します。
「いただきます」「ごちそうさま」は全てのものに感謝するという日本古来からの美しい伝統、
文化だといわれています。家庭や学校、お店でもその気持ちを大切にしましょう。
11月24日は『和食の日』です。
日本の食文化 ~「だし」を味わう~
平成25年に「和食―日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺
産に登録され、「和食」が海外でも認められ、注目されています。
和食は、食材の味を大切にしたり、四季を大切にしたり、また、その地
域ならではの郷土料理があり、それを受け継いでいます。
また「一汁三菜」といわれる食事の形態で、栄養バランスのとれた食事
をとることができます。それも注目されているところです。
和食の特徴のひとつ、
「だし」の『旨味(うまみ)』が海外で認められています。繊細な味わいができる
日本人が発見した『旨味』は和食の良さの中で最も重要なものです。
だしは昆布やかつお節、干ししいたけ、煮干しなどを水や湯につけて旨味を引き出します。昆布とかつ
お節でとるだしを混合だしといい、どちらかだけでとるよりも、混合して使うと相乗効果でうま味が強ま
ります。
「旨味3兄弟」
昆布(植物性食品)
・・・グルタミン酸
かつお節・煮干し(動物性食品)・・・イノシン酸
干ししいたけ(きのこ類)
・・・グアニル酸
だしの良いところ
*材料の持ち味を生かし、風味をよくする。
*みそやしょうゆなどの塩分を控えられる。
化学調味料などのインパクトのある味に舌が慣れてしまうと、自然のだしや食材そのものの持つ旨味がわ
かりにくくなり、濃い味を好むようになります。その結果、塩分・糖分・脂肪のとり過ぎになる場合があり
ます。
濃厚なうま味で、みそ汁にむ
いています。
給食でも煮干しを使ってみそ
『煮干しだし』
汁などのだしをとっています。
【とり方】① 煮干しの頭とはらわたを手で取り除き、水を入れた鍋に入れ、30 分ほどおく。
②①を火にかけて沸騰したら中火にし、5分間煮て、だしの香りがするくらいしっかり
だしをとる。
☆
5年生の家庭科でこのようにだしのとり方を学習します。基本のだしのとり方は上記の通
りですが、家庭でお急ぎの時は、頭とはらわたを取り除かなくても、ぐらぐら煮立たせなけれ
ば苦みの出ないだしをとることもできます。
また、煮干しを長めに水に浸しておくことで、その間においしいだしが出ます。