土地改良区コミュニケーション - 農業農村整備情報総合センター ARIC

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01―■ 巻頭言
巻 頭 言
関東農政局利根川水系土地改良調査管理事務所 所長 中里 良一
新たな取り組み「土地改良区コミュニ ケーション」等を始めました!
中里 良一
稿依頼がよくあります(最近は、「大学生サークル・農村マッチングプロジェクト」の依頼
昭和 55 年 4 月 農林水産省入省
平成 25 年 4 月 北陸農政局整備部部長
平成 26 年 11 月 博士号(農業工学)を取得
平成 26 年 12 月 関東農政局利根川水系土地改良調査管理事務所
現在に至る
関東農政局利根川水系土地改良調査管理事務所長 菅原文太さん、スタジオジブリ、有名な報道キャスターの事も含む広報に関する講師や原
昭和 55 年 3 月 九州大学農学部農業工学科卒業
14 大学で構成される「農業農村を応援する大学生サークルネッ
ト」の代表
情報収集、指導、相談対応、⑦農政の推進に取り組んでいます。
本取り組みは、土地改良区ごとに担当職員を配置(固定)
(30 団体を 2 名の職員で対応)し、
もあります。もちろん、調査計画やストマネについてもお引き受けしています。)。この時「よ
年 3 回(4 ヶ月に 1 回)訪問することを目標に進めており、7 月中に概ね 1 回目の訪問が終
りよいコミュニケーションを目指して−農業農村整備に係る広報の推進−」(H15)という冊
了しました。
子をネタ本に使用しています。この冊子は私が農村振興局設計課に勤務していた時に作成に
1 回目の訪問において土地改良区からは、「鉄筋露出の対応を直営で行いたい。このため
携わったものです。この冊子によると「広報(広義)」とは、行政から国民への情報伝達の「広
ストックマネジメントに関する資料を提供頂きたい。」、「国営事業要件がない国営造成施設
報(狭義)」と国民から行政への意思の伝達の「広聴」を双方向で行うことと定義されてい
の更新に当たって不安がある。」、「まだ使用できている施設の長寿命化対策よりも、既に機
ます。そして冊子は施策の推進にあたって、まず国民の要望を聞き(広聴)、要望を踏まえ
能に支障が出ている施設補修や突発事故に対応できる事業制度を充実して欲しい。」といっ
た施策(案)について国民に知らせ(広報)、次に施策(案)について、国民の意見を聴取(広
た要望、意見、質問など、徐々にではありますが各土地改良区の現場の実情に合わせた課題
聴)、意見を踏まえて修正した施策の実施を周知する(広報)、さらに施策実施後の反応や効
をきめ細かく伺うことが出来つつあります。解決が困難な課題もありますが、土地改良区と
果を把握する(広聴)とともに、その結果を国民に提供する(広報)と述べています。ここで、
課題を共有し一緒に考えるという基本に立ち返り、解決に向けて進めて行きたいと考えてい
「施策」を事業計画、国民を「土地改良区」と読みかえても参考になります。
利根川水系土地改良調査管理事務所は、主に①国営農業水利施設、農地再編の調査・計
画、管理、実施に関する業務、②「農業水利ストック情報データベースシステム」及び「国
営造成土地改良施設防災情報ネットワークシステム」の全国の統括業務を行っています。一
ます。また、この取り組みを継続していくことで、担当者の顔が見える調査管理事務所とし
て、管内土地改良区からの相談しやすい関係の構築に努めていきたいと考えています。
一方、本事務所では管内都県の農業農村整備事業(含む国営関連事業)の推進を応援する
ため、「補助事業等における土地改良事業の費用対効果分析相談室」も新しく始めました。
方、調査管理事務所と国営事業完了地区の土地改良区については、調査中の土地改良区との
コミュニケーションはあるものの、その他の土地改良区とのコミュニケーションは弱いとこ
[「土地改良区コミュニケーション」により入手した情報の例]
ろがあります。そこで、今年度から、これまで以上に濃密に土地改良区との関係を築くべく、
新たに「土地改良区コミュニケーション」という取り組みを開始しました。これは、管内す
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べての国営事業完了地区の土地改良区等(30 団体:連合を含む。以下「土地改良区」という。)
を対象にして、農業水利施設等国営造成施設の機能の状態(劣化状況等)、農業用水(水利
権等)の利用及び施設監視等に関する状況の把握や指導・助言を行うとともに、土地改良区
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の相談に応じた支援を実施、併せて、農業農村整備事業等施策の啓発を行うものです。
具体的には、①「土地改良区カルテ」の作成、②土地改良区の相談対応、③国営事業の制
度啓発、情報収集、④「農業水利ストック情報データベースシステム」の啓発、利用促進、
土地改良区コミュニケーションの実施状況
⑤施設監視計画に基づく施設監視の指導・支援、⑥農業用水の利用(含む水利権)に関する
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ARIC情報|No.119 2015-10
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