聖籠町魅力ある農業調査研究報告に基づく提言

聖籠町魅力ある農業調査研究報告に基づく提言
聖籠町農業の持続的発展を図るため町は、地域の実情を考え合わせ、次の事
項について積極的な措置を講じられるよう提言します。
1
農業関係団体等との連携の深化
・ 町農業を振興するには、農業者、非農業者、土地改良区、農業委員会、
農業協同組合、その他の関係団体及び町が地域の農業について共通の認識
を持つことが必要であるため、組織強化を図るとともに主体間の連携を深
めることに努める。
2 新規就農者と農業理解者の確保
・ 町の新規就農者は平成 22 年 2 人と低迷し深刻な状況となっていることか
ら、年少期からの農業や農村に対する理解の醸成を図る。
・ 農業に対する理解を得るには、子どもの頃からの関わりが重要であるた
め、播種から収穫までの一連の作業体験を通して関心を深める。また、販
売体験を通して農産物の価値を確認するとともに営農について理解を深め
る。
3
コミュニティ・ビジネスの推進
・ 新鮮な町内産の農産物を販売している直売所の売り上げは年々増加して
いる。今後は、供給する生産者側が需要に対応できるよう品目数や数量の
確保に努める。また、農産物加工センターを有効活用し町特産品の開発な
ど商工団体との連携を図りブランド化に向けたコミュニティ・ビジネスを
推進する。
・ 学校給食における地産地消についても、学校、生産者、農業協同組合等
による情報交換や連携が重要であり、地域における連携強化のための組織
化を図る。
4 農地集積のための組織強化
・ 水田は、コスト低減を図る観点から、担い手農業者への農地集積を図り、
1 経営体 20ha 以上の耕作面積を確保する。
・ 農地委託の組織を強化し、委託する農家への補助制度等の構築により、
農地の流動化と集積を促進させる。
5
大規模経営化の促進
・ 農業機械のコストは、大規模経営において低いことから、規模拡大、農
業機械の共同利用、農作業受託組織への作業委託等を促進させる。
・ 観光果樹園は、個別農家による分散的な土地利用となっていることから
団地化を図る必要がある。
・ 農業経営における施設、資材などのコストが高いことから、果樹栽培に
必要な雨よけハウスの更新事業に対する継続的な支援を行う。
6
町づくりに寄与する農業・農村整備の実現
・ 非農業者にとっても、参加や交流を通じて魅力を感じる農業を確立し、
町内・町外の人々の定住促進に寄与する。
・ 生物多様性の保全、安全・安心な食料の確保、潤いと安らぎが得られる
町づくりの方向に沿った農業部門の立地、農地や施設等の整備を進める。
平成23年8月
聖籠町魅力ある農業調査研究委員会
委員長 木 南 莉 莉