なかのライフサポートビジネス創造塾 第7回テーマ別セミナー 実施日 平成 27 年11月19 日(木)19 時 00 分~21 時 00 分 実施場所 中野区産業振興センター 2階 セミナールーム テーマ 「プレゼンテーションセミナー」 講師名 伊東 絹子 氏 (キャプラン株式会社 J プレゼンスアカデミー チーフインストラクター) 講師プロフィール JAL 客室乗務員を経て、北海道洞爺湖サミット・愛知万博など、ナショナルイベントに関わ る研修を担当してきた経験を有す。 内 容 自らのプランを他者に対して魅力的にかつ分かりやすく説明するために、効果的なプレゼン テーション手法について学ぶ。 参加者数 23名 <第7回テーマ別セミナーの流れ> 18:30 受付開始 19:00 開会・事務連絡 19:08 なかのライフサポートビジネス創造塾 第7回 テーマ別セミナー「プレゼンテーションセミナー」 講師:伊東 絹子 氏 (キャプラン株式会社 Jプレゼンスアカデミー チーフインストラクター) 講義とワーク 20:05 休憩(10分) 20:15 講義とワーク 21:00 セミナー終了 名刺交換・あいさつ 21:30 退出 1 第7回テーマ別セミナー 「プレゼンテーションセミナー」 【講 師】 伊東 絹子 氏 (キャプラン株式会社 J プレゼンスアカデミー チーフインストラクター) 【添付資料】 資料 ① 第7回セミナー配布資料 【セミナーの流れ】 今までの 6 回のセミナーで習得(input)してきたいろいろな知識を、OUTPUT(発表)する手法を学ぶ。他者に対して 魅力的にかつ分かりやすく説明するために効果的なプレゼンテーション手法について講師と受講者の意見交換を交えたワー クショップ型の講義を行ったあと、ショートプレゼンテーションの実習を行った 1.プレゼンテーションとは? 2.オーディエンスを惹きつける技 3.話の組み立てのコツ 4.ワーク「ショートプレゼンテーション実習」 □1.プレゼンテーションとは? ・プレゼンテーションとは、 一言でいうと、伝えたことを受けいれてもらうために行うこと。人が伝えられたことを受け入れようとする 時、物事を決定する時には、必ず心の動きがある。聞き手が受け入れる決心に王手をかけるのがプレゼンテーションである <例:プロジェクトについてプレゼンを行った場合の、聴き手の心のプロセス> 注目 ⇒ そんなプロジェクトがあるのか。 興味 ⇒ なんかおもしろそうだな 連想 ⇒ このプロジェクトに参加するといろいろなことができそうだ 比較 ⇒ 他のプロジェクトとの違いはなんだろう 信頼 ⇒ この人のすすめるプロジェクトならよさそうだ ※王手の部分 決定 ⇒ この人のプロジェクトなら応援しよう ・プレゼンテーションとインフォメーションの違い インフォメーションは 情報を、データ化し提供するのみ、プレゼンテーションは情報を、人間力を用い表現すること。人を介して 想いを伝えていくからこそ、相手の心を動かすことができる。 ・プレゼンテーションにおいて一番大事なのは、わかりやすく伝えることだけではなく、そこに心を動かされて「よし」と第一歩を踏み 出させること(プレゼンテーションのゴール)である。 □2.オーディエンスを惹きつける技(資料①p1~6) ○相手を引きつける話し方、視線の使い方、ボディ・コミュニケーション 1.自分の持ち味を生かし、礼儀正しく (資料①p1の1) ・自分らしさを忘れず自分の言葉で表現をすると同時に、オーディエンスが一瞬で礼儀正しい人だと判断できるようにする。 礼儀正しい人かどうかの第一印象が、 その後の話をきちんと聴いてくれるか否かを大きく左右する。 ・一般的に人は、第一印象を3~7秒で判断し、その後の 4 分間で、判断した第一印象を裏付ける理由(情報)を探っ ていると言われている。4 分間という時間は、思いのほか長いので、オーディエンスは第一印象をより深く刷り込んでしまう。 ⇒マイナスをリカバリーするには大変な労力を要するため、第一印象はとても重要である。 ※人は礼儀正しさをどこで判断するのか? オーディエンスの視線の動きは、挨拶時に全体を、内容に入ると顔、手元足元に移る。人は耳で聴く以上に 目 で 聴 い て いるので、最初の挨拶を大切にすること。 2 ※礼儀正しい挨拶とは 姿勢(かかとを合わせ、明るい表情のまま笑顔でお辞儀)、笑顔(人に視線を向け、感謝する)に留意する。 頭を下げ姿勢をやや長め止めると想いの深さが伝わる。 <5 分間のプレゼンテーションの場合> 男性は、挨拶時はかかとを合わせ、内容説明では腰幅程度に開けて足先を 12 時の方向にむける。このアクションで、オ ーディエ ンスも内容を聞くギアチェンジができる。女性は、常にかかとを合わせておく。 2.内容を整理し自分の言葉で(具体的かつ簡潔) (資料①p1の2) ・伝えたいこと(情報)が多すぎるとオーディエンスは混乱をするので、ポイントは多くても 3 つまでがよい。 3.重要なポイントに重点をおき、大事なことは繰り返し伝える (資料①p1の3) ・重要なことを重要として伝えるメリハリが必要。ぐっと間をおくこと、声の高低、話すスピードなど、緩急をつけると更によい。 ・大事なこと(プロジェクト名等)をオーディエンスに覚えてもらうためには、一般的には 6 回反復と言われている。“大事なこ と“を代名詞(これ、この)に置き換えてしまうとオーディエンスは忘れやすいので注意。 固有名詞を覚えてほしいときは、必 ず固有名詞で伝えること※例:ABCプロジェクトを“このプロジェクト”などと置き換えない方がよい。 4.伝えたいという情熱をこめて (資料①p1の4) ・ 情熱は、信頼感を持ってもらうためにも大切な要素。視覚・聴覚・体感覚を上手く使って訴える。 ①視覚:視線 (しっかり視線を向ける)、表情( 笑顔だけではなく、しっかり伝えたいときには真剣な表情で)、ジェス チャー(熱意が現れる動き) ②聴覚面:声(全員に届ける。特に最後尾の席の方にも届く声を意識) ③体感覚:味覚、触覚などを伝える表現力(情報を言葉で伝える) 5.相手の反応を見て進める(アイコンタクト) (資料①p1の5、p2、p3の中下段) ・オーディエンスの前に立った時に、どの様に視線をむけるかに留意する。プレゼンテーションでは、3~5秒ずつ、句読点で視 線を移していくと、落ち着いた視線配りになる。アイコンタクトは、熱意を伝える以 外に一方的な伝達にならないためにも有 効。必ず双方向を意識して、オーディエンスのうなずきや、首をかしげるしぐさ等で相手の気持ちを理解することに努める。 ・視線はオーディエンスに全体の時間の80%以上向けるようにすること。特にスライド資料利用時は、視線をオーディエンス へ戻してから補足説明する方がよい。オーディエンスに視線を向ける時間が60%以下の場合、自信がない、準備不足等 のマイナス印象を与えてしまう。 6.ボディ・ランゲージを活用する (資料①p1の6、p3の上段) ・視覚面(服装や姿勢、表情)を意識する。傾いた姿勢は疑いの印象を持たれるので、シンメトリーをとって(対称となるよ うに)立つ。正対(相手に対して正面)となるよう意識し、視線と一緒に体を向けること。最初と最後は必ず笑顔で、伝 えたいところは真剣な表情にする。人間力を発揮するためには表情の豊かさが必要である。 ・ハンド・ジェスチャーは、腰から上の高さで、体から離して行い、戻す位置を必ず決めておく。手を戻す位置は、相手から見え る位置(体側もしくは前)に置くこと。ジェスチャーが過剰にならないようメリハリをつける。 ○身だしなみ(資料①p4,5) ・目に入るものは第一印象を左右する。身だしなみとおしゃれは違う。おしゃれの主体は本人だが、身だしなみの主体は相手 である。身だしなみを整えることは、礼儀正しさをあらわす。信頼される人は、人に対する配慮がある。 ・フォーマルな場面では、スーツの色は濃紺が最も誠実さを表すといわれる。その他であれば、ダーク系(チャコールグレーやブ ラック等)。女性の場合は自分らしさが出せるカラー(原色以外)がよい。 ○人前で話をする際の声の演出と言葉遣い(資料①p6) 1.声について ・明瞭に伝える。 日本語は「あいうえお」の母音のうち、口が一番大きくあく「あ」を意識してしっかり発音する。「あ」段の「あか 3 さたなはまやらわ」を明瞭に伝えること。 ※発声・発音の練習を発表前に行うと効果的 「お綾や 母親に お謝り」(おあやや ははおやに おあやまり) 「母親は お綾を おあわれみ」(ははおやは おあやを おあわれみ) ・声の高低・メリハリは、 意識して活用する。強調したいポイントで声を強めたりする。 ・強調点はゆっくりと早口にならないように話す。 ※スタンダードなスピードは、400 字 1 分。プレゼンテーション 5 分であれば 2000 字。いずれも句読点を含んだ文字数。 2.言葉について ・ 文章は短く。だらだらと長い文章で話すと、わかりにくい印象を持たれる。10秒を超えて句読点がないと人は混乱する。 読点が3つ「(10 秒間)、(10 秒間)、(10 秒間)、(10 秒間)。」くらいで収めるように組み立てる。 ・聞き手にとって耳障りな 「あのー」「えー」などの言葉癖は、3回/1分が限度。出そうになったら、飲み込んで、沈黙を“間” にかえる。 ・話すときは、漢語(漢字が重なる言葉)よりも和語(ひらがなが多い言葉)の方がわかりやすいと言われている。 ※例:ご確認ください(漢語) ⇒ お確かめください(和語) ・曖昧な言葉は間違って伝わりやすい。話の内容の決定権は聴き手にあるということを忘れず、価値観の相違を踏まえ、言 葉を惜しまず話すこと。ポイントは、①全体像を伝えること、②共通言語を使う(具体的な数字や単位を活用する)こと、 ③話を結論(要約)⇒内容⇒まとめの順で組み立てること。 ※例:「聞いたとおりに書いてください。マルを書いてください。マルを二つ書いてください。サンカクを一つ書いてください。最 後に棒を 1 本書いてください」⇒以上の情報で書かれたものは、人によってマルの数も全体の配置も違う。初めに 「人の顔を描きます」などの情報を伝えると、イメージが共有できる。 □3.話の組み立てのコツ(資料①p7~9) ○基本構成(資料①p7)SDS法によるプレゼンテーションの基本構成 ・SDSとは S=Summary(全体) イントロダクション(みんなが知っていること、ポジティブな内容)で聞き手の注意を引き、大見出しとなる結論を述べ、ひ きつける。つなぎの言葉(というのは、その理由は、なぜならば、など)を活用してDetails へブリッジをかける。 D=Details(詳細) 各論を述べ、つなぎの言葉(最後にもう一度、要するに、など)を活用して Summary へつなげ、まとめに入る。 S=Summary(全体) 要約(重要ポイントの繰返し)と結論(お願いしたいこと)を伝える。 ・SDSの時間配分 S:D:S=2 割:7 割:1 割 ※例:5 分間のプレゼンの時間配分では、S:D:S=1 分:3 分半:30 秒 ○視覚器材の有効活用 (資料①p8) プレゼンテーションには器材を活用すると効果的 (割愛)⇒資料参照 ○質疑応答 (資料①p9) プレゼンテーションが終了し、質疑応答に入った瞬間から、主導権は質問者に移る。その時に、しっかりと応えられないと、いく らよいプレゼンテーションをしても意味が無くなる。常に冷静に、堂々とした態度で応対を し、 主導権を握る。そのために、事前 4 に質問を想定し、しっかり準備をしておくこと。厳しい質問に対しても、“よいご質問をいただきました”などの言葉で間をつなぎ つつ、自分の軸を外さずに答える。 <質疑応答の流れ> ①質問者を促す(手のひらで差し示し、向き合う)。 ②質問内容をまとめて復唱する。このことにより、3つの効果が期待できる。ア)質問者との 1 対 1 でなく、全員と質問内 容を共有できる、イ)質問の意図を確認できる、ウ)答えをまとめる時間をつくることができる。 ③質問に感謝する(興味をもってくれたことに感謝)。 ④質問者に対しワンセンテンスで応える。 ⑤全員に対し関連付けて応える。 ⑥質問者に納得度を確認する。 ⑦質問者に感謝する。 □4.ワーク「ショートプレゼンテーション実習」 ○SDS 法を用いプレゼンの構成を組み立て、ペアで発表・質疑応答の実習を行う。 <プレゼンの課題>「○○のすすめ」、 「私の大切にしている○○」 のいずれか <ワークの内容> ・個人ワーク :上記テーマどちらかでの 1 分用のプレゼンとして SDS 法を用いて構成する。(3 分) ・ペアワーク :2人1組、交代で行う。一人が発表(1分)し、聞き手からの質疑に回答する(1 分) <まとめ> 講師からのメッセージ 「短い時間でお伝えすることはできましたでしょうか?何をどう伝えたいか? 聴き手の心に響くように練習をしてみてください。今までの全 7 回の学びを活かして、 ぜひビジネスプランコンテストにご参加してみてください。皆様のこれからのご活躍を お祈りしております。ありがとうございました。」 <セミナー風景> 5
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