2015 年 10 月 5 日 朝礼の話(2015 年 10 月) 皆さんお早うございます。先週の後半から土曜日にかけ、「爆弾低気圧」が日本海を北上 し、台風並みの暴風雨となり、各地で大きな被害をもたらしました。今週は、移動性高気 圧に覆われ、秋らしい晴天が続くとのことです。このところ朝晩は随分と涼しくなってき ました。本格的な秋の到来を感じさせます。スポーツの秋、収穫の秋、味覚の秋です。気 持ちのよい汗を流し、美味しいものを食べて、健康な体をつくりましょう。読書の秋とも いいます。秋の夜長にじっくりと読書にも親しんでみましょう。 最近、最も注目した出来事の一つは、ラグビーW 杯イングランド大会での日本代表の 活躍です。1 次リーグ戦で、優勝候補の南アフリカを破りラグビー史上に残る大金星をあげ ました。選手同士の衝突が連続するラグビーは体格差がそのまま実力に反映されるため、 番狂わせが少ない競技とされています。南アは、過去 2 度の優勝経験があり世界ランキン グ 3 位でした。日本は、過去 7 大会連続出場していますが、たった 1 勝しかあげておらず、 直前のランキングは 13 位でした。南アや英国の地元紙、地元ファンのみならず、日本のラ グビー関係者やファン含め誰 1 人として日本の勝利を予想していませんでした。日本は、 主将のリーチマイケルのトライなどで前半を 10-12 で折り返し、後半も FB 五郎丸の PG な どで何度も同点とする一進一退の激しい攻防を繰り返しました。南アの 3 点リードでロス タイムに入り、南アゴール前のラックから、終了直前途中出場のヘルケスが南アゴール左 隅に劇的な逆転のトライを決め、34-32 で歴史的な勝利を収めました。地元英国の各紙は、 「W 杯史上最大の衝撃」 「ラグビー史上最大の番狂わせ」と一面トップで報じました。中 3 日後のスコットランド戦では、南ア戦の疲れが抜けきれず守備面でミスが出て完敗しまし たが、3 日(土曜日)のサモア戦は、ほぼ完璧なゲーム展開で圧勝しました。同日行われた 南ア対スコットランド戦で、南アが勝利し勝ち点 11 で首位となり、スコットランドが勝ち 点 10 で 2 位、日本は勝ち点 8 で 3 位となっています。日本のベスト 8 進出は、可能性はあ るも厳しい状況となりました。11 日のアメリカ戦は、予選突破の如何に関わらず、もう一 度日本ラグビー史上に残るような素晴らしい闘いを繰り広げ、2019 年の日本大会につなげ てほしいと願っています。 もう一つの出来事は、独フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル車の排ガス試験不正問 題の発覚です。米国の環境保護局(EPA)が VW に対して、規制テストの時だけ排気ガス を減らす不正なソフトを使っていたとして、対象となる 48 万 2 千台のリコールを命じたと 公表しました。その後、VW は、米国 EPA の指摘を認めた上、問題のディーゼルエンジン を搭載した車両は世界で 1,100 万台に上り、その対策費用として 65 億ユーロ(約 8,700 億 円)を計上すると発表しました。米国 EPA の制裁金は、最大 2 兆円を超える厖大な金額に 膨らむ可能性があるといわれています。VW は、トヨタ、GM と世界の首位を競う自動車メ ーカーであり、リーマンショックを挟んで最も成長した自動車グループといわれています。 今年上期には世界販売台数でトヨタを抜いて世界トップに立ったばかりでした。欧州と中 国でトップを占めていますが、米国ではシェア 3.5%と弱小勢力であり、米国でのシェア拡 大が世界トップを目指す VW の至上命題でありました。独通信社は、2005~6 年ごろに米 国の排ガス基準をクリアするため、違法ソフトの使用を決めたと報じています。VW のブラ ンドと信用を失墜させるだけでなく、技術大国としてのドイツ製造業全般への信用と信頼 を大きく損ねる事件となりました。特に「環境」については世界のトップランナーを自他 ともに認めている国であり、自動車業界のみならず世界中に大きな衝撃を与えています。 何故このような不正行為に及んだのか今後の調査で明らかになると思われますが、不正を 犯して得ようとしたものと不正が露呈して失ったものではそのプラス・マイナスの価値に 余りにも違いがあり過ぎます。社会のルールを破り、不正行為を行えば、いつか必ずばれ てしまいます。その時は大きな社会的制裁を覚悟しなければなりません。今回の VW の不 正事件は決して対岸の火事ではなく、日本企業も他山の石とすべきと考えます。 以上
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