平成27年4月 年金を受給されている皆様へ 岩手県建設業厚生年金基金 理事長 宇部 貞宏 岩手県建設業厚生年金基金解散について 皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 さて、当基金は、加入事業所で働く従業員の老後の生活の安定と福祉の向上を図るため、 昭和 62 年 10 月に設立されました。 しかしながら、基金を取り巻く環境は大きく変化し、デフレ経済と低成長により資産運用 環境も低迷する中、平成 23 年には退職金積立に係る給付引き下げ、平成 24 年には事業主掛 金引き上げなど厳しい事業運営を行ってまいりました。 また、平成 25 年 6 月に厚生年金基金制度の改正法が成立したことを受けて、基金の将来 について検討を重ねてまいりましたが、今般、平成 27 年 2 月開催の代議員会において岩手 県建設業厚生年金基金解散計画を策定し、解散に向けて準備を進めることといたしました。 突然のお知らせで誠に恐縮には存じますが、その概要について下記のとおりお知らせいた します。このたびこのような状況となりましたことは、誠に残念なことではありますが、何 卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。 記 1 厚生年金基金制度見直しの経緯と当基金の検討状況 (1) 厚生年金基金制度見直しについては、国が厚生年金基金制度の抜本的な改正に着手 し、平成 25 年 6 月に厚生年金基金制度の改正法が成立しました。内容は、厚生年金基 金の存続基準を厳しくし、基準を満たさない基金は、平成 31 年 3 月末までに解散等を 選択しなければならないとされています。全国の厚生年金基金の約9割が新しい存続 基準を満たしておらず、決断を迫られております。 (2) 当基金では、改正法の成立を受けて平成 25 年 9 月に設置した検討委員会を中心に、 理事会、代議員会において、基金の将来について検討を重ねた結果、新しい存続基準 を満たすためには、事業主の掛金負担を大幅に引き上げなければならないことから、 平成 26 年 9 月開催の代議員会において、基金解散の方針を議決いたしました。 (3) 今般、平成 27 年 2 月 26 日開催の代議員会において、基金解散計画を策定し国へ提 出、解散に向けて準備を進めることを決定いたしました。 2 今後のスケジュール 基金の解散時期は、今後、理事会、代議員会で検討してまいりますが、解散に当たりまし ては、基金の加入員記録と国の被保険者記録を一致させる必要があり、その作業に1年半程 度を要することから、実際に解散するまで2年~3年程度かかると見込んでおります。 解散時期が決まりましたら、改めてご案内いたします。 3 基金からの給付について 厚生年金基金の給付は、 「国の厚生年金の代行部分」と「基金独自の上乗せ給付」から成 り立っております。基金が解散すると代行部分の年金支払い義務は国へ返還されます。 解 散 前 (現 状) [ 国 基 本 年 金 代 行 部 分 老 齢 厚 生 年 金 老齢厚生年金の 報酬比例部分 老齢厚生年金 (物 価 ス ラ イ ド 部 分 等 ) 報酬比例部分 国 物価スライド部分等 ] が 支 給 老齢基礎年金 ] ] が 支 給 解散により廃止 プラスアルファ部分 [ [ 基 金 解 散 後 (2~3年後) が 支 給 老齢基礎年金 ① 基本年金のうち代行部分の年金は、事業主と加入員が折半で掛金を負担していた部 分の給付です。この代行部分の年金は、解散の認可以降、厚生年金保険法に基づき、 国(日本年金機構)より支給されます。 ② 基本年金のうちプラスアルファ部分(基金独自の上乗せ給付)の年金は、全額事業 主が掛金を負担しており、この部分の年金は、解散認可申請月まで支給され、その 後の給付は廃止となります。 (プラスアルファ部分の年金額は、基本年金の2%程度 となります。 ) ③ 基本年金は基金規約に基づいて支給しておりますが、解散後は厚生年金保険法に基 づく給付となりますので、老齢厚生年金の受給権がない方は、年金を受給できなく なります。 また、在職による支給停止や雇用保険との調整による支給停止は、老齢厚生年金 と同様の取扱いとなります。その他に、遺族厚生年金、障害厚生年金を受給してい る場合、老齢厚生年金は併給調整が行われます。 ご不明な点がございましたら、下記問合せ先までご連絡ください。 問合せ先 岩手県建設業厚生年金基金 TEL 019-653-4484
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