年金ライフサブノート

平成29年度版
年金ライフサブノート
年金のしくみと退職時の手続
見本版
はじめに
―本書の目的と使い方―
本書『年金ライフサブノート』
は、
これから会社を退職される方に対して、退職
後の生活を支える年金制度のしくみを中心に、退職時およびその後の年金ラ
イフに関係する社会保険やその手続などについて、簡潔にわかりやすくまとめ
たものです。本書を通じて、退職後の生活設計に大きくかかわる社会保険制
度をご理解いただくうえで、
ご活用いただければ幸いです。
なお、本書は、退職者向けの「退職準備セミナー」のテキストとしてご利用い
ただけるよう、
セミナー講師の講義内容やポイントを書き込んでいただくMEMO
欄を設けてあるほか、
セミナー参加者ご本人のことがらも記入できるようになっ
ています。
会社中心の生活から退職後の年金ライフへの確かな橋渡しとして、本書を
お役立てください。
60歳前に知っておきたいこと!
「ねんきん定期便」
「ねんきんネット」で自分の年金額を確認 ………………………2
60歳台前半になったら!
退職する場合
厚生年金は60歳台前半から受け取れる
いつから受けられる?̶̶受給開始年齢 ………………………………………4
いくら受けられる?̶̶̶̶受給年金額 ………………………………………6
受けるための手続は?̶̶̶年金請求 ………………………………………10
雇用保険の失業手当(基本手当)を受けると?
̶̶年金は全額支給停止されます ……………………………………………12
退職後の医療保険は?̶̶3つの選択肢があります …………………………14
税金がかかる場合がある
年金と税金/年金受給者の確定申告 …………………………………………15
退職金と税金 ……………………………………………………………………16
在職する場合
働きながら年金を受けると?̶̶60歳台前半の在職老齢年金 ………………17
雇用保険の高年齢雇用継続給付を受けると?̶̶厚生年金が調整されます…18
65歳になったら!
年金は再度請求手続をする
………………………………………………………19
65歳以後も働く場合の年金は?̶̶65歳以後の在職老齢年金 ………………19
退職に伴う社会保険関係の手続一覧/問い合わせ先一覧 ………………………20
60歳前に知っておきたいこと!
国民年金・厚生年金に加入しているすべての人には毎年、誕生月(1日生まれの人は誕生日の前月)に日本年金機構よ
り「ねんきん定期便」が送られてきます。35歳・45歳・59歳の節目年齢以外の人にはがき形式のねんきん定期便が送られ
てきます。節目年齢の人には封書のねんきん定期便が送付されます。また、
「ねんきんネット」では、自分の年金記録が確
認できるほか、希望者には電子版のねんきん定期便(PDF)が通知されます。
●50歳以上の人に送付されるねんきん定期便
現在加入している制度にこれからも加入し続けた場合に、いつから
(年齢)、いくら
(年金見込額)、どのような(年金の種
類)年金を受けられるかが記載されています。ただし、厚生年金基金(厚生年金の代行部分)の年金額は含まれません。国
民年金保険料を前納している場合は加入期間にカウントされますが、未納期間は含まれません。
●50歳未満の人に送付されるねんきん定期便
今までに加入した制度や現在加入している制度の種類と加入期間、これまでの加入実績に応じた年金額(厚生年金基
金の代行部分を含む)が記載されています。今後加入実績が増えるに従って年金額も増えていきます。
自宅のパソコンを使って年金の加入履歴、国民年金の保険料納付状況、厚生年金の標準報酬月額などの年金記録を調
べることができます。
んネットを利用する際に必要なユーザIDとパスワードを即時に取得することができます。なお、アクセスキーの有効期限
は誕生月から3ヵ月です。アクセスキーがなくてもユーザIDの取得は可能です。
ユーザIDとパスワードを使って年金記録の照会やねんきん定期便の被保険者記録を基にした年金見込額が確認でき
ます。自宅にパソコンがないときは、一部の市区町村や郵便局でも利用できます。年金記録のほかにも保険料納付済額や
在職・退職・繰上げ・繰下げの条件での年金見込額が試算でき、また、
「持ち主不明記録検索」機能で未統合記録の有無の
確認もできます。
ねんきん定期便やねんきんネットについてのお問い合わせは、20頁の「問い合わせ先一覧」でご確認ください。
歳前に
知っておきたいこと!
日本年金機構のホームページを開き、ねんきん定期便に記載されているアクセスキー(17ケタ)
を入力すると、ねんき
60
*を満たし、厚生年金や共済組合に1年以上加入したことがある人は60歳
受給資格期間(原則10年以上)
台前半から、1年未満の加入の人や国民年金のみに加入の人は65歳から、年金を受けられます。
60歳台前半から65歳になるまでの間に受ける老齢厚生年金(退職共済年金)の受給開始年齢は、生年月
日や性別によって異なり、段階的に65歳に引き上げられます(加給年金額を受けられる場合は、定額部分ある
いは老齢基礎年金の受給開始の時点から受けられます)。
*平成29年7月31日まで受給資格期間は
「原則25年以上」
です。
■ 昭和30年4月2日∼昭和32年4月1日生まれの男性が受ける年金
62歳
▼
65歳
▼
報酬比例部分
加給年金額
老齢厚生年金
*62歳から報酬比例部分を受けられます。
老齢基礎年金
*加給年金額が受けられる場合
■ 昭和29年4月2日∼昭和33年4月1日生まれの女性が受ける年金
60歳
▼
65歳
▼
報酬比例部分
老齢厚生年金
老齢基礎年金
振替加算
*60歳から報酬比例部分を受けられます。
■ 厚生年金・共済年金の受給開始年齢
*共済組合に加入した女性は、
男性の場合と同じです。
*地方公務員の特定警察組合員と特定消防組合員は、受給開始年齢が異なります。
いくら受けられる?―― 受給年金額(平成28年度価額)
7.125
5.481
1,626円 × 支給率(1.000)× 加入月数
厚生年金と共済年金(第1号∼第4号厚生年金)の加入
期間が20年以上ある人が65歳から受ける老齢厚生年金
(男性は昭和24年4月2日以後生まれの場合)には、生計
を維持している65歳未満の配偶者がいるとき、配偶者加
給年金額(年額390,100円)が加算されます。
配偶者が65歳になると、加給年金額は加算されなくな
り、配偶者が受ける老齢基礎年金に振替加算がつきます。
! 最近の改正点
●確定拠出年金(イデコ)
公務員等(第2・3・4号厚生年金被保険者)およびサラリーマンの妻(国民年金第3号被保険者)も加入できます。
公務員等は月額12,000円まで、サラリーマンの妻は月額23,000円までです。
●個人番号(マイナンバー)
年金請求書に「個人番号(マイナンバー)」を記入するようになりました。
! 被用者年金一元化による厚生年金の主な変更点
①厚生年金被保険者の種類
第1号厚生年金被保険者(従来の厚生年金被保険者)
[略称 一般厚年]
第2号厚生年金被保険者(従来の国家公務員) [略称 国共済厚年]
第3号厚生年金被保険者(従来の地方公務員)
[略称 地共済厚年]
第4号厚生年金被保険者(従来の私立学校教職員)
[略称 私学厚年]」
②年金額の端数処理:1円未満を四捨五入します。
③退職時の年金額改定:退職した日から起算して1ヵ月が経過した日の属する月の年金額から改定されます。
(例)
3月31日に退職⇒4月分の年金額から改定
④在職老齢年金の支給停止対象月:退職した日の属する月までが対象です。
(例)
3月31日に退職⇒3月分の年金まで支給停止の対象
⑤新しくなった年金コード
老齢年金
遺族年金
障害年金
1号厚年
(年金機構支給)
1150
1450
1350
2号厚年
(国共済支給)
1120
1420
1320
3号厚年
(地共済支給)
1130
1430
1330
4号厚年
(私学支給)
1140
1440
1340
780,100円(満額)
×
保険料を
納めた月数
+
保険料を免除
された月数
×
免除の割合に応
じて5/6∼1/3
480ヵ月
年金を受けられる年齢
歳∼
歳∼
× 繰上げ・繰下げ受給率
歳∼
基礎年金
厚生年金
円
特別支給の老齢厚生年金
老齢厚生年金
特別支給の老齢厚生年金
特別支給の老齢厚生年金
(報酬比例部分)
(報酬比例部分)
(報酬比例部分)
年金の種類と年金額
︵ 見込額 ︶
円
円
第1号厚生年金期間
(定額部分)
(定額部分)
(報酬比例部分)
(定額部分)
円
円
(報酬比例部分)
(定額部分)
円
円
円
(定額部分)
円
円
第2号・第3号厚生年金期間
歳∼
老齢基礎年金
(報酬比例部分)
(定額部分)
円
円
円
(報酬比例部分)
(定額部分)
円
円
(経過的定額加算額(共済年金))(経過的定額加算額(共済年金))(経過的定額加算額(共済年金))(経過的定額加算額(共済年金))
(報酬比例部分)
第4号厚生年金期間
(定額部分)
円
円
(報酬比例部分)
(定額部分)
円
円
円
(報酬比例部分)
(定額部分)
円
円
円
(報酬比例部分)
(定額部分)
円
円
円
(経過的定額加算額(共済年金))(経過的定額加算額(共済年金))(経過的定額加算額(共済年金))(経過的定額加算額(共済年金))
年金額(見込額)
円
円
円
円
円
円
円
円
本来65歳から受ける老齢基礎年金を60歳から65歳になるまでの間に繰上げて請求することで、減額された年金を
受けることができます。
また、老齢基礎年金を65歳のときに請求せずに、66歳以後に繰下げを申し出ることで、増額された年金を受けること
ができます。
繰上げ
繰上げ減額率=繰上げ請求月から65歳到達の前月までの月数×0.5%
減額率
請求時の年齢
受給率
60歳0ヵ月∼11ヵ月
30.0%∼24.5%
70.0%∼75.5%
61歳0ヵ月∼11ヵ月
24.0%∼18.5%
76.0%∼81.5%
62歳0ヵ月∼11ヵ月
18.0%∼12.5%
82.0%∼87.5%
63歳0ヵ月∼11ヵ月
12.0%∼ 6.5%
88.0%∼93.5%
64歳0ヵ月∼11ヵ月
6.0%∼ 0.5%
94.0%∼99.5%
繰下げ
繰下げ増額率=65歳到達月から繰下げ申出月の前月までの月数×0.7%
請求時の年齢
増額率
受給率
66歳0ヵ月∼11ヵ月
8.4%∼16.1%
108.4%∼116.1%
67歳0ヵ月∼11ヵ月
16.8%∼24.5%
116.8%∼124.5%
68歳0ヵ月∼11ヵ月
25.2%∼32.9%
125.2%∼132.9%
69歳0ヵ月∼11ヵ月
33.6%∼41.3%
133.6%∼141.3%
70歳0ヵ月∼ 42.0%
142.0%
!
繰上げ受給
ここに注意
*生涯、減額された年金を受ける。
*障害基礎年金や寡婦年金を受けら
れなくなる。
*国民年金の任意加入者は繰上げ受
給できない。
*平成26年4月から、70歳に達したあとに繰下げ受給の申し出をした場合でも、70歳時点からの年金が受給できます。
[昭和30年4月2日∼昭和32年4月1日生まれの男性が62歳で老齢基礎年金を請求する場合]
62歳
▼
65歳
▼
報酬比例部分
老齢厚生年金
老齢基礎年金
老齢基礎年金の
全部を繰り上げる
全部繰上げの老齢基礎年金(本来の老齢基礎年金の82%)
*62歳から報酬比例部分と全部繰上げの
老齢基礎年金(本来受給の82%)を受給
*65歳から老齢厚生年金(報酬比例部分相
当)と老齢基礎年金(本来受給の82%)を
受給
◉老齢厚生年金の繰上げ受給
昭和28年4月2日∼昭和36年4月1日生まれの男性と、昭和33年4月2日∼昭和41年4月1日生まれの女性は、
60歳から受給開始年齢到達までの間、老齢厚生年金の繰上げ受給を請求できます。減額率は、老齢基礎年金と同じ
く1ヵ月につき0.5%となります。繰上げは老齢基礎年金といっしょに行うこととなります。どちらか一方のみを繰上げ
ることはできません。
[昭和30年4月2日∼昭和32年4月1日生まれの男性が60歳で請求する場合]
62歳
▼
65歳
▼
報酬比例部分
老齢厚生年金
老齢基礎年金
60歳
▼
繰り上げの老齢厚生年金(本来の報酬比例部分の88%)
全部繰上げ受給の老齢基礎年金(本来の老齢基礎年金の70%)
*「経過的加算」
も受けられます。
*60歳から報酬比例部分の88%と全部繰
上げの老齢基礎年金(本来受給の70%)
を受給
*65歳から老齢厚生年金(報酬比例部分相
当の88%)と老齢基礎年金(本来受給の
70%)を受給
◉受給開始年齢になったら請求する
年金を受けるには、本人が請求手続を行うことが必要です。年金の請求は退職
しているか在職しているかにかかわらず、受給開始年齢になる誕生日の前日から
行うことができます。受給開始年齢になったら年金請求しましょう。
◉年金請求書が受給開始年齢になる3ヵ月前に届く
報酬比例部分の年金を受けられる人には、受給開始年齢になる誕生日の3ヵ月
前に「年金請求書」が届きます。65歳から老齢基礎年金・老齢厚生年金を受ける
人には、60歳の誕生日の3ヵ月前に「お知らせ」のはがきが届き、65歳の誕生日の
3ヵ月前に「年金請求書」が届きます。
年金請求に必要な書類
・年金請求書
(事前送付用のほかにも年金事務所等に備え付けの請求書も使用できます)
・年金手帳または厚生年金保険被保険者証
(配偶者がいる場合は、配偶者の年金手帳または年金証書の写しが必要になります)
・戸籍謄本、場合によっては戸籍抄本
・世帯全員の住民票
(個人番号[マイナンバー]が記載されているもの。記載がない場合は個人
番号[マイナンバー]通知カード等のコピーが必要です)
*加給年金額を受ける場合や振替加算が加算される場合は、戸籍謄本、世
帯全員の住民票、配偶者(振替加算の場合は請求者)の所得証明(課税ま
たは非課税証明書や源泉徴収票)なども必要となります(受給開始年齢
以後に発行されたもので有効期間は6ヵ月です)。
年金の請求
! ここに注意
*請求が遅れた場合でも、5年前
までの分はさかのぼって受ける
ことができますが、5年を過ぎ
た分は受けられなくなります。
*給料が高く、在職老齢年金の
しくみにより年金が全額支給
停止になる場合でも、受給開
始年齢になったら年金を請求
しておくことで、給料が下がる
などして年金が受けられるよう
になったときに、自動的に年金
が支払われます。
*年金請求書は本人の加入期間
だけで10年以上 ある場合に
送られてきます。したがって、
カラ期間を含めて資格期間を
満たす場合には送られてきま
せん。この場合は、
「年金請求
書101号」を使って請求しま
す(用紙は年金事務所などに
あります)。
・雇用保険被保険者証の写し ・印鑑(認め印)
そのほか、ケースにより必要となる書類
加給年金額対象者がいる場合
➡配偶者の課税または非課税証明書や源泉徴収票
カラ期間を加入期間に算入する場合
➡年金加入期間確認請求(通知)書
請求者本人が振替加算対象者の場合
➡本人の課税または非課税証明書や源泉徴収票
老齢厚生年金 ・ 老齢基礎年金の繰上げ受給をする場合
➡厚生年金保険 ・ 国民年金 老齢厚生年金 ・ 老齢基礎年金
本人または配偶者がほかの年金を受けている場合
➡その年金証書の写し
支給繰上げ請求書
*カラ期間とは、加入期間には加えますが、年金額の計算には入れない期間のことです。
■年金請求書の提出先
加入した制度
提出先
国民年金のみの人(自営業者など)
市区町村の国民年金担当窓口
168-8505
スギナミクタカイドニシ3-5-24
杉並区高井戸西3-5-24
ネンキン タロウ
年金 太郎
03
共済組合に加入したことのある人
各共済組合(平成27年10月
以降は年金事務所または街角
の年金相談センターでも提出
できるようになりました)
社保研太郎
1234-123456
社保
年金太郎
年金
厚生年金に加入したことのある人、
第3号被保険者の期間のある人
お近くの年金事務所
または
街角の年金相談センター
昭和31年5月12日
1234 5678
090
1234 5678
ネンキン
タロウ
年金
太郎
スギナミ
タカ イ ド
杉並
高井戸
1234567
●厚生年金基金
厚生年金基金の退職年金を受ける場合は、日本年金機
構への年金請求とは別に、日本年金機構に請求手続を終え
てから、加入していた基金に備え付けの裁定請求書に必要
書類を添えて、基金に提出します。なお、一定期間(原則10
年)
を満たさずに基金から脱退した人(中途脱退者)で脱退
一時金相当額を企業年金連合会に移換した人は、同連合
会に請求します(20頁参照)。あるいは、脱退一時金相当額
を再就職先の企業年金に移換した場合は移換先に請求しま
す。
*老齢厚生年金を繰上げまたは繰下げて受ける
人は……
国の老齢厚生年金を繰上げまたは繰下げて受け
る人は、基金の基本年金(基金の加算年金は繰上
げ・繰下げの対象にはなりません)もあわせて受給
することになります。その場合は、基金にも請求手
続が必要です。
雇用保険の失業給付(基本手当)を受けると?
年金は全額支給停止されます
60歳台前半の老齢年金の受給権者が、雇用保険の失業給付(基本手当)を受ける場合、年金の全部が支給
停止となります。なお、60歳台前半の老齢厚生年金の年金請求をするときには、
「年金請求書」に雇用保険の
被保険者番号を記入のうえ、
「雇用保険被保険者証」を添付します。
◉基本手当
退職したときに、その日以前2年間の雇用保険に加入していた期間のうち、賃金支払が11日以上ある月が通算して
12ヵ月以上あれば受給できます。また、倒産・解雇などによる退職の場合は、退職の日以前1年間のうちで賃金支払が11
日以上ある月が通算して6ヵ月以上あれば受給できます。
基本手当を受ける場合には、年金は全額支給停止されます。
●基本手当の額
退職した日の直前6ヵ月間に
支払われた税込の賃金
(3ヵ月を超える期間ごとに支
払われるボーナス等を除く)
÷180=
賃金日額
*1■基本手当の給付率
賃金日額 2,290円以上
4,580円未満
離職日の年齢
80%
賃金日額
× 給付率
基本手当日額
(4週に1回支給
=
され、所定給付日
数*2あり。)
(平成28年8月∼平成29年7月)
4,580円以上
10,460円以下
60歳未満
60歳以上
65歳未満
*1
10,460円超
11,610円以下
11,610円超
80%∼50%
80%∼45%
50%
45%
*賃金日額の上限は45歳∼
59歳15,550円、60歳∼
64歳14,860円。基 本 手
当日額の上限は45歳∼59
歳7,775円、60歳∼64歳
6,687円。
*2■基本手当の給付日数
退職理由
被保険者であった期間
定年・自己都合等の退職
特定受給資格者・
特定理由離職者
45歳以上60歳未満
60歳以上65歳未満
1年未満
1年以上
5年未満
̶
90日
5年以上
10年未満
90日
10年以上
20年未満
20年以上
120日
150日
180日
240日
270日
330日
150日
180日
210日
240日
*特定受給資格者は、倒産・解雇等により失業した人。特定理由離職者は、有期の労働契約が更新されなかったこと等により失
業した人。なお、特定理由離職者については、離職した日が平成21年3月31日∼平成29年3月31日の人に限って特定受給
資格者と同じ扱いとなります。
12
●基本手当の受給手続
退 職 ・退職後10日程度で会社から「離職票」が届く
・ハローワークに「離職票」を提出
求 職 ・求職の申し込み
・「受給資格者証」の交付
失業認定 ・ハローワークの指定した日(原則4週間に1回)に出向いて失業の認定を受ける
受 給 ・失業の認定から3∼4日で支給される
雇用保険被保険者離職票―2
雇用保険被保険者離職票―1
雇用保険受給資格者証
雇用保険被保険者証
(表)
(裏)
シャホケン ハナコ
12345−67−890123−4
女
1234−567890−1
60
3−241224
1234567
1234567−8901234567890
630901
220331
220408
4型−木
67−890123−4
150
0 0 0 0
社保研 華子
25
11,877
0506
5,344
歳台前半になったら!
60
67−890123−4 シャホケン ハナコ
230331 氏名変更 シャホケン ハナコ
67−890123−4 シャホケン ハナコ
支払方法指定 口座払い 1234567− 739906
名称 日本信用金庫
東京支店
0506
67−890123−4 シャホケン ハナコ
待期満了 待期満了日 220414
0506
67−890123−4 シャホケン ハナコ 次回認定日06月03日
220415−0505 21 基本手当 ¥112,224− 129
0506
13
・年金生活の場合
①従来の健康保険の任意継続被保険者となる
(2年間可能)
②国民健康保険の被保険者となる
③家族の被扶養者となり家族の加入する健康保険に加入する
保険料負担が
●手続
75歳になって14日以内に、市区町村経由で後期高齢者
医療広域連合に届け出ると、保険証が交付されます。
●保険料の納め方
保険料は原則、加入者(被保険者)全員が負担します。
特別徴収(年金からの天引き)
または普通徴収(口座振替・
納付書など)により、市区町村に納めます。
! 軽減されています
健保組合など被用者保険の被扶養者であった人
は、保険料のうち、所得に応じて支払う所得割が免
除されるとともに、所得と関係なく等しく負担する均
等割についても10分の1に軽減されます。この措置
は、平成28年度も継続されます。また、被扶養者で
あった人以外の保険料についても所得に応じた段
階的な負担軽減措置があります。
年金受給者の確定申告――最終的に税額を精算します
年金受給者には、会社員のような年末調整がないため、
確定申告により最終的に税額を精算することになります。
その際には1月末に日本年金機構から送られてくる「公的
年金等の源泉徴収票」を添付します。
●確定申告が必要な場合
・国と厚生年金基金等企業年金から年金を受けている人
・給与と年金を受けている人
・不動産所得がある人
・医療費控除や生命保険料控除を受ける人
■公的年金等控除額①の算出方法
受給者の
年齢
その年中の公的年金等の
公的年金等控除額①
総収入金額(A)
330万円以下
65歳
以上
120万円
330万円超 410万円以下 (A)
×25%+ 37.5万円
410万円超 770万円以下 (A)
×15%+ 78.5万円
770万円超
(A)
× 5%+155.5万円
130万円以下
65歳
未満
70万円
130万円超 410万円以下 (A)
×25%+ 37.5万円
410万円超 770万円以下 (A)
×15%+ 78.5万円
770万円超
(A)
× 5%+155.5万円
■給与所得控除額②の算出方法
収入金額
給与所得控除額②
180万円以下
収入金額×40%
180万円超 360万円以下
収入金額×30%+ 18万円
360万円超 660万円以下
収入金額×20%+ 54万円
660万円超1,000万円以下
収入金額×10%+120万円
1,000万円超1,500万円以下
収入金額× 5%+170万円
1,500万円超
245万円(上限)
働きながら年金を受けると?
■60歳台前半の在職老齢年金の支給停止額
年金月額
28万円以下
総報酬月額相当額
47万円以下
支給停止額の計算式
( 総 報 酬 月 額 相 当 額 + 年 金 月 額 − 2 8 万 円 )×1/2
28万円以下
47万円超
{(47万円+年金月額−28 万円)×1/2}+総報酬月額 相当額−47万円
28万円超
47万円以下
総報酬月額相当額×1/2
28万円超
47万円超
( 4 7 万 円×1 / 2 )+総 報 酬
月 額 相 当 額−4 7 万 円
*平成27年10月からは退職した日の1ヵ月後の年金額から
改定されることになりました。
60歳台前半の在職老齢年金
◉在職中は本人の手続は不要
在職老齢年金の受給者の標準報酬月額相当額が変わ
ると、その月から年金額の調整も変わります。また、退職
して被保険者資格を失い(資格喪失日は退職日の翌
日)、被保険者とならずに(再就職せずに)1ヵ月が経過す
ると支給停止がなくなり、在職中の被保険者期間を加え
て年金額が再計算・改定(退職時改定)されます。これら
に伴う手続は、事業主が行うので、本人による届出の必
要はありません。
■退職すると年金額が改定される(退職時改定)
3月15日に退職
3月31日に退職
・3月16日に資格喪失
・4月1日に資格喪失
*
・4月分の年金額から改定 ・4月分の年金額から改定
・支払月は6月(4、5月分)
・支払月は6月(4、5月分)
雇用保険の高年齢雇用継続給付を受けると?
厚生年金が調整されます
◉高年齢雇用継続給付
60歳以上65歳未満の人の賃金の減少を補う給付で、高年齢雇用
継続給付を受けている間は、在職老齢年金のしくみによる調整に加え
て、最高で給料の6%相当額の年金が支給停止となります。なお、第1
号から第4号の厚生年金被保険者期間がある場合は、年金の支給停
止額が年金額に応じて按分して調整されます。
●受給要件
次の両方にあてはまる場合に受けられます。
・雇用保険の被保険者期間が5年以上ある
・賃金が①60歳時点の賃金に比べて75%未満、かつ
②339,560円未満(平成28年8月∼平成29年7月)
●受給額
①:60歳時点の賃金の61%以下の場合▶賃金の15%
②:60歳時点の賃金の61%以上75%未満の場合▶賃金の0∼
15%未満
*なお、
①または②で計算した額と賃金との合計額が339,560円
(平成
28年8月∼平成29年7月)
を超える場合は、
超えた額が減額されます。
●受給の手続
・支給申請書類は原則、事業主がハローワークに提出します。
・支給が決定されると、ハローワークから本人に「高年齢雇用
継続給付支給決定通知書」が交付されます。
高年齢雇用継続給付支給決定通知書
1234 −567890−0
600401
199,980
アズマ キョウコ
女
9999−000001−0
149,985
75
3− × × 0 3 1 1
高年齢雇用継続基本給付金を以下のとおり決定しましたので口座振込します。
支給対象月 賃金支払額 支払金額
△△年3月 143,333円 4,357円
△△年4月 143,333円 4,357円
合計金額 8,714円
1.次回支給対象月 平成△△年5月、平成△△年6月
2.次回支給申請月 平成△△年7月1日∼平成△△年7月31日
△△
18
5
〒112−8577 文京区後楽1−9−20
TEL03−3812−8609
14
△△0316
△△03−□□03
1234001−7654321
■高年齢雇用継続給付支給率と年金停止率
の早見表
60歳時点 高年齢雇用継続給付の
に対する
60歳以降(現在)の
賃金の割合 賃金に対する支給率
75%以上
74%
73%
72%
71%
70%
69%
68%
67%
66%
65%
64%
63%
62%
61%以下
0.00%
0.88%
1.79%
2.72%
3.68%
4.67%
5.68%
6.73%
7.80%
8.91%
10.05%
11.23%
12.45%
13.70%
15.00%
年金の
停止率
0.00%
0.35%
0.72%
1.09%
1.47%
1.87%
2.27%
2.69%
3.12%
3.56%
4.02%
4.49%
4.98%
5.48%
6.00%
65歳になったら!
年金は再度請求手続をする
●65歳の年金請求
65歳になると
60歳台前半の老齢厚生年金の受給権がなくなり、新たに老齢厚
生年金と老齢基礎年金の受給権が発生する。
65歳到達月の初めごろ
日本年金機構からはがき様式の年金請求書が郵送されてくる。
65歳到達月の末日までに
年金請求書に必要事項を記入のうえ、日本年金機構に送り返す。
*65歳時に提出する年金請求書
繰下げ増額分
◉老齢厚生年金の繰下げ受給
65歳以後も働く場合の年金は?
在職老齢年金
在職老齢年金
支給停止
61歳
老齢厚生年金
支給停止
66歳以後繰下げ
請求
65歳
年金を受けない
65
歳になったら!
65歳から受ける老齢厚生年金を66歳以後に繰下げて受
給できます。繰下げによる年金の増額率は老齢基礎年金の
場合と同じです。繰下げは老齢基礎年金といっしょでも、老
齢厚生年金のみでも可能です。
在職中の場合は、在職により減額調整された後の年金額
(在職老齢年金)が増額の対象となります。
65歳以後の在職老齢年金
■65歳以後の在職老齢年金の早見表
全額受給
全額
支給停止
一部受給
年金月額(万円)
総報酬月額相当額︵万円︶
8.0
10.0 12.0 14.0 16.0
8.0
10.0 12.0 14.0 16.0
35.0
8.0
10.0 12.0 13.0 14.0
40.0
7.5
8.5
9.5 10.5 11.5
45.0
5.0
6.0
7.0
8.0
9.0
50.0
2.5
3.5
4.5
5.5
6.5
55.0
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
30.0
◉在職中は本人の手続は不要
*年金月額は、老齢厚生年金(報酬比例部分相当で加給年
金額を除く)のみとなります。
*老齢基礎年金は全額受給できます。
*年金月額と総報酬月額相当額との合計額が47万円を超
えると、年金額の一部または全部が支給停止されます。
支給停止額(月額)=(年金月額+総報酬月額相当額−47万円)
×1/2
*70歳以後も会社で働く場合は在職老齢年金のしくみで年金
額が調整されますが、
厚生年金保険料の負担はありません。
在職老齢年金受給者の総報酬月額相当額が変わると、
その月から年金額の調整も変わります。また、退職して被保
険者資格を失い(資格喪失日は退職日の翌日)、被保険者
とならずに(再就職せずに)1ヵ月が経過すると支給停止が
なくなり、在職中の被保険者期間を加えて年金額が再計算・
改定(退職時改定)されます。これらに伴う手続は、事業主
が行うので、本人による届出の必要はありません。
■退職すると年金額が改定される(退職改定)
3月15日に退職
3月31日に退職
・4月1日に資格喪失
・3月16日に資格喪失
*
・4月分の年金額から改定 ・4月分の年金額から改定
・支払月は6月(4、5月分)・支払月は6月(4、5月分)
*平成27年10月からは退職した日の1ヵ月後の年金額から改定
されることになりました。
19
退職に伴う社会保険関係の手続一覧
社会保険制度
加入時
国民年金(第1号被保険者)
第3号被保険者
年金
厚生年金
手続先
添付書類など
市区町村の国民年金
担当窓口
年金手帳、印鑑、退職日を確認
できるものなど
配偶者(第2号被保険者)の会社
再就職の会社
年金手帳など
年金手帳
請求時
最後に厚生年金に
厚生年金に加入した
お近くの年金事務所
加入
ことがある人、
または
第3号被保険者期間
最後に国民年金に 街角の年金相談センター
がある人
加入
年金手帳、住民票、雇用
保険被保険者証など
国民年金(第1号被保険者)のみに加入の人 市区町村の国民年金担当窓口 年金手帳、住民票など
医療保険
雇用保険
在職中の健康保険に引き続き加入
(任意継続被保険者となる)
在職中に加入の健康保険
組合または全国健康保険
協会都道府県支部
国民健康保険に加入
区町村の国民健康保険
担当窓口
印鑑、健康保険組合などの
資格喪失証明書など
家族の被扶養者となる
家族が加入の健康保険
扶養を証明する書類など
基本手当
住所地を管轄するハロー
ワーク
離職票、雇用保険被保険者証、
印鑑、預金通帳、運転免許証など、
3×2.5cmの写真2枚
印鑑など
(退職後20日以内に届出)
*必要書類など、
くわしくは手続先にお問い合わせください。
問い合わせ先一覧
年金
日本年金機構ホームページ http://www.nenkin.go.jp/
・年金相談用の「ねんきんダイヤル」 ☎0570-05-1165(IP電話・PHSからは☎03-6700-1165)
・「ねんきん定期便・ねんきんネット専用ダイヤル」 ☎0570-058-555(IP電話・PHSからは☎03-6700-1144)
*全国の年金事務所、街角の年金相談センターでも受け付けています。
企業年金のことは加入していた厚生年金基金や企業年金基金、会社にお問い合わせください。
厚生年金基金を短期間で脱退した人は企業年金連合会にお問い合わせください。
企業年金連合会ホームページ http://www.pfa.or.jp/
〒105-0011 東京都港区芝公園2-4-1芝パークビルB館10階
・企業年金コールセンター☎0570-02-2666
20
医療
保険
全国健康保険協会ホームページ http//www.kyoukaikenpo.or.jp/
平成20年10月に全国健康保険協会が設立され、政府管掌健康保険を運営していた国に代わって、
全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)
を運営しています。
*健康保険組合の加入者は加入の健康保険組合にお問い合わせください。
雇用
保険
厚生労働省ハローワークインターネットサービス https://www.hellowork.go.jp/
*雇用保険の手続や全国のハローワークの所在地を掲載しています。
税金
国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/
*税金や確定申告などについて説明しています。
下表に社会保険の被保険者番号などを控えておくと便利です。
*記載内容は大切な個人情報です。他人に知られることがないよう、
くれぐれも取り扱いにはご注意ください。
基礎年金番号
年金コード
厚生年金基金加入員番号
雇用保険被保険者番号
健康保険証の番号
●年金ライフにかかわる問い合わせ・連絡先
所在地 所在地 所在地 所在地 所在地 所在地 所在地
名称
かかりつけの
医療機関
名称
税務署
名称
健康保険組合
名称
ハローワーク
名称
市区町村役場
名称
厚生年金基金
など企業年金
名称
年金事務所
☎
☎
☎
☎
☎
☎
☎
●国民年金・厚生年金保険年金証書
平成28年11月発行
監修/社会保険労務士・三宅明彦
発行/株式会社 社会保険研究所(不許複製)
〒101-8522 東京都千代田区内神田2-4-6 WTC内神田ビル
☎03-3252-7901