第23弾!「被用者年金制度の一元化」

「被用者年金制度の一元化を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」により、本年 10 月、国家公
務員共済組合、地方公務員共済組合、日本私立学校共済復興・事業団の 2 階部分が厚生年金に一元化されます。
この一元化後の制度内容をまとめてみました!
《公的年金制度のしくみ》
現在の公的年金制度は、下記の図のように「基礎年金制度」「被用者年金制度」の 2 つに大きく分けること
ができます。
【現在の公的年金制度】
共済年金
厚
生
年
金
公
的
年
金
制
度
共
済
組
合
国
家
公
務
員
共
済
組
合
地
方
公
務
員
教
職
員
共
済
私
立
高
校
国 民 年 金
被用者年金制度
基礎年金制度
今後の少子・高齢化の一層の進展等に備え、年金財政の範囲を拡
大して制度の安定性を高めるとともに民間サラリーマンや公務員
を通じ同じ保険料を負担し同じ年金給付を受けるという年金制度
の公平性を確保することにより公的年金に対する国民の信頼を高
めるため被用者年金制度の一元化を行うことになった。
【被用者年金制度一元化後の公的年金制度】
公
的
年
金
制
度
厚 生 年 金
国 民 年 金
被用者年金制度
基礎年金制度
■ 改正の主なポイント ■
 厚生年金に公務員及び私学教員も加入することとし、2 階部分の年金は厚生年金に統一する
 共済年金と厚生年金の給付内容は基本的に厚生年金にそろえる
 共済年金の保険料を引き上げ、厚生年金の保険料率(上限 18.3%)に統一する
 共済年金にある公的年金として 3 階部分(職域部分)を廃止し、新たな公務員制度の一環として「年金払い
退職給付」制度を設ける
《年金給付のしくみ》
【現在の年金給付】(老齢・退職)
民間サラリーマン
公務員及び私学教員
(企業年金)
3 階部分
職域部分
老齢厚生年金
2 階部分(報酬比例部分)
退職共済年金
老齢基礎年金
1 階部分(基礎年金部分)
老齢基礎年金
公務員・私学教員の「3 階部分」は公的年金として支給される共済年金の一部であり「2 階部分」と同様に
加入者の報酬に基いて算定される
民間サラリーマンの「3 階部分」は各企業が加入する確定給付企業年金等の企業年金のこと
平成 27 年 10 月 1 日からは、公務員及び私学教員も厚生年金に加入す
ることとされ、共済年金の 3 階部分(職域部分)は廃止される。
【被用者年金制度一元化後の年金給付】(老齢・退職)
民間サラリーマン
公務員及び私学教員
(企業年金)
3 階部分
年金払い退職給付
老齢厚生年金
2 階部分(報酬比例部分)
老齢厚生年金
老齢基礎年金
1 階部分(基礎年金部分)
老齢基礎年金
■ 改正の主なポイント ■




「2 階部分」は、公務員・私学教職員ともに「老齢厚生年金」を受給することとなる(国家公務員の老
齢厚生年金については、連合会から受給する)
国家公務員の「年金払い退職給付」については、連合会から受給することとなる
平成 27 年 10 月 1 日に「職域部分」は廃止されるが、同日までの共済年金に加入いていた期間について
は同月以後においても加入期間に応じた「職域部分」が支給される。したがって同日前と同日以後の両
方を有する方に対しては、同日前期間に応じた「職域部分」と同日以後の期間に応じた「年金払い退職
給付」の両方が給付される
年金払い退職給付については、国家公務員共済組合連合会HPに掲載されています。
http://www.kkr.or.jp/seidokaikaku/27ichigenka/index.html#shin-taisyoku-kyufu
国家公務員共済組合連合会より http://www.kkr.or.jp/index.html