2015年FIA-F4 選手権シリーズ第3大会 (PDF:1512KB)

2015 年 8 月 13 日
2015
2015 年 FIAFIA-F4 選手権シリーズ
選手権シリーズ第
シリーズ第 3 大会富士
大会富士 参戦報告書
2015 年 FIA-F4 選手権シリーズ
HFDP 参加選手レポート
第 3 大会(第 5 戦/第 6 戦) 参戦レポート
2015 年FIA-F4 選手権シリーズ第3 大会(第5 戦及び第6 戦)が 8 月8 日/9 日、静岡県富士スピードウェイで開催されました。
今シーズン、第 3 回目の大会は第 2 大会から 3 か月のインターバルを置いての開催です。このレースに、Honda フォーミュラ・
ドリーム・プロジェクト(HFDP)ドライバーとして#7 大津弘樹(21 歳)、#8 上村優太(20 歳)、#9 石坂瑞基(20 歳)の 3 名、SRS-F
スカラシップとして#10 金石勝英(19 歳)の 4 名が参加しました。
今大会の参加者は 36 台。土曜日に公式予選と第5 戦(15 周)、日曜日に第6 戦(15 周)が行われ、4 名のドライバーは長いイン
ターバルに積み重ねた練習の成果をあげようと、激しいレースを繰り広げました。
大津弘樹、金石勝英が表彰台に上がる!
■公式予選(30 分間):天候/晴れ 路面/ドライ
今回の大会も、FIA-F4 選手権シリーズの 1 大会2 レース制、公
式予選は土曜日の午前中に 30 分間、各選手のベストタイム順
で土曜日のスターティンググリッド、セカンドタイム順で日曜日
のスターティンググリッドを決めるという仕組みで行われまし
た。
8 月 8 日土曜日、真夏の太陽が照りつける富士スピードウェイ
で、午前 8 時 10 分から公式予選セッションが行われました。出
走は 36 台。#8 上村はコースイン直後にパドルシフトが不調に
なりピットへ帰還、コンプレッサーの交換を行ったため、タイム
アタックに入るのが遅れましたが、他の 3 者は快調に走行、タイムを順調に縮めていきました。
30 分間の走行の結果、#10 金石が 1 分46 秒283 のベストタイムを記録するも、モラルハザードの累積により 10 グリッド降格と
なって惜しくも第 5 戦のポールポジションを逃しましたが、#7 大津が 1 分 46 秒455 で 2 番手(タイムでは 3 番手)、#9 石坂が 1
分 46 秒 751 で 6 番手(タイムでは 7 番手)、#8 上村が 1 分 46 秒 754 で 7 番手(タイムでは 8 番手)、のスターティンググリッド
を獲得しました。
セカンドタイムで決まる第 5 戦のスターティンググリッドは、#10
金石が 1 分 46 秒 516 でポールポジション、#7 大津が 1 分 46
秒 634 で 2 番手と HFDP と SRS-F ドライバーがフロントローに
並び、#9 石坂が 1 分46 秒860 で 8 番手と続き、マシントラブル
で 8 周しかできなかった#8 上村は 1 分 47 秒 301 で 19 番手に
つけました。
■第 5 戦決勝レース(15 周):天候/晴れ 路面/ドライ
第5 戦決勝レースは、午後1 時10 分から行われました。全車ク
リーンスタートしましたが、第 1 コーナーで混乱が発生、この中
で#10 金石がホイールをロックさせて前走車に追突、バランス
を失ったそのマシンの煽りを受けて #8 上村は前後ウイングを
破損して走行不能となりレースを終えました。#10 金石はコース
に復帰したものの、マシンを破損していたため 1 周で走行を打
ち切りました。
好スタートをきった#7 大津は 2 番手を維持、#9 石坂は 4 番手へ
順位を上げて 1 周目を無事終えました。3 周目に#9 石坂は順位
をひとつ落とし、#7 大津も後続車から攻められて 5 周目の第 1 コーナー手前でスリップストリームに入られてアウト側から並
ばれ順位を落としました。
#7大津は順位を落としながらも前を行くマシンを慎重に追い、7周目のダンロップコーナーで狙い定めたようにインへ飛び込み、
2 位へ復帰しました。また#9 石坂は 8 周目のストレートで外側から前走車に並び、一旦順位を入れ替えましたが第 1 コーナー
で止まりきれずラインを外してしまい、再び 5 番手に戻りました。その後、#9 石坂は前走車の背後につけ、後続車1 台、前走車
2 台と共に 4 台の集団を作り 3 位争いを始めました。
ところが 10 周目の第 1 コーナーでアクシデントが発生、セーフ
ティーカーがコースインして隊列を組んで徐行が始まりました。
セーフティーカー走行は 11 周目以降も続き、13 周を終えた段
階でスタート後 30 分というレース時間の制限を超えたため、セ
ーフティーカー先導のままレースは 14 周でフィニッシュを迎え
ました。#7 大津は 2 位でチェッカーフラッグを受け、今季2 回目
の表彰台に上がることになりました。また#9 石坂は 5 位でフィ
ニッシュし、岡山での第4 戦に続き 2 回目のシリーズポイントを
獲得しました。
【FIA-F4 選手権シリーズ第 5 戦・レース結果】
#7 大津弘樹選手 予選 3 位/決勝 2 位(31 分 53 秒 565/ベストタイム 1 分 46 秒 647/トップ差 0 秒 551)
#8 上村優太選手 予選 8 位/決勝 DNF(0 周/ベストタイム /トップ差 14 周)
#9 石坂瑞基選手 予選 5 位/決勝 5 位(31 分 56 秒 547/ベストタイム 1 分 46 秒 661/トップ差 3 秒 533 遅れ)
#10 金石勝英選手 予選 1 位/決勝 DNF(1 周/ベストタイム トップ差 13 周)
(注)モラルハザード累積のペナルティで#10 金石は 10 グリッド降格処分を受けて 11 番手グリッドとなり、#7 大津、#8 上村、#9
石坂のスターティンググリッドは予選結果からひとつずつ繰り上がっています。
■第 6 戦決勝レース(15 周):天候/晴れ 路面/ドライ
日曜日午前10 時35 分から第6 戦が行われました。富士スピー
ドウェイは前日に引き続き快晴。#10 金石は初のポールポジシ
ョンスタートだったが、スタート合図後の加速は鈍く、第 1 コー
ナーまでに#7 大津がトップに立ち、#10 金石は 3 番手でレース
を始めることになりました。#9 石坂は 8 番手、#8 上村は前走車
の背後について 19 番手で 1 周を終えました。
先頭を走ることになった#7 大津は 1 周目から後続車に攻めら
れ、必死に押さえ込もうとしたものの 2 周目の最終コーナーの
インに入られ 2 番手へ順位を落としましたが、立ち上がりの加
速で並び返し再び首位に立って2周目を終えました。しかし3周目のストレートでスリップストリームに入られ、コントロールライ
ン手前で抜き返されてしまいました。
#7 大津は 4 周目の第 1 コーナーで前走車のインに飛び込み首位を取り戻しましたが、引き離すことはできず、第 3 セクターで
インに入られ、また 2 番手となりました。この攻防の後方で#10金石は様子を見ていましたが、後続車から追い上げを受け一旦
順位を落としながら逆転、3 番手を守りました。その後方では#9 石坂が 4 周目には 6 番手まで順位を上げ、勢いに乗ってさらに
順位を上げようと前走車に並びましたが、第 1 コーナーで接触、マシンを壊してレースを終えてしまいました。
#10 金石は後続車と激しい 3 番手争いを繰り広げながら#7
大津を追いかけましたが 7 周目の第 3 セクターで後続車に
追い抜かれポジションを 4 番手へ落としました。#7 大津は 2
番手を守っていましたがペースが上がらず、11 周目の第 1
コーナーで後続車に抜かれて3 番手へ順位を落としました。
さらに#10 金石が#7 大津に迫りテールトゥノーズの争いに入
りました。
#10 金石は最終ラップの第1 コーナーで#7 大津をアウトから
抜いて 3 番手へ進出、そのままフィニッシュして今季初めて
表彰台に立つことになりました。#7 大津は 4 位でフィニッシュ、選手権ポイントを重ね、後方から着実に順位を上げた#8 上村は
12 位でチェッカーフラッグを受けましたがシリーズポイント獲得はなりませんでした。
第 3 大会を終えて#7 大津はシリーズポイントを 49 点へ伸ばしランキング 4 番手から 3 番手へ進出しました。また#9 石坂は 16
点でランキング 13 番手から 7 番手へ、#10 金石は 14 点でランキング 20 番手から 9 番手へとそれぞれ順位を上げました。#8
上村は今大会ではポイントを獲得することができずランキングは 13 番手から 16 番手へと後退しました。次回第4 大会(第7 戦
及び第 8 戦)は、8 月 29~30 日、鈴鹿サーキットで開催される予定です。
【FIA-F4 選手権シリーズ第 6 戦・レース結果】
#7 大津弘樹選手 予選 2 位/決勝 4 位(27 分 03 秒 435 /ベストタイム 1 分 47 秒 502/トップ差 5 秒 210)
#8 上村優太選手 予選 19 位/決勝 12 位(27 分 18 秒 153/ベストタイム 1 分 47 秒 412/トップ差 19 秒 928)
#9 石坂瑞基選手 予選 8 位/決勝 DNF(4 周ベストタイム 1 分 47 秒 631/トップ差 11 周)
#10 金石勝英選手 予選 1 位/決勝 3 位(27 分 03 秒 435/ベストタイム 1 分 47 秒 159/トップ差 4 秒 547)
■選手権シリーズポイントランキング(第 6 戦終了時点)
3 番手 大津弘樹 49 点
7 番手 石坂瑞基 16 点
9 番手 金石勝英 14 点
16 番手 上村優太 8 点
(1 位 20 点、2 位 15 点、3 位 12 点、4 位 10 点、5 位 8 点、6 位 6 点、7 位 4 点、8 位 3 点、9 位 2 点、10 位 1 点)
●ドライバーズコメント:#7
HFDP/SRS-F/コチラレーシング 大津弘樹
予選ではもう少し頑張っていればポールポジションがとれたかもと思うと悔しいです。第 5 戦では前
半、ペースの上がりが悪くて、それで後続車に先行されてしまいました。このままだと後から近づい
てきてダメだと思い、前の周から狙っ
て攻め込みました。相手もこちらの
動きをよく見てくれていたのでうまく
前に行けました。表彰台には上がれ
ましたが悔しいレースでした。第 6 戦
では前半からペースが上げられるようにセッティングを少し変
えました。スタートはうまくいってトップに立ったのですが、ペー
スが思うように上がらず、どちらかというと守りに入ったレース
になりました。第5戦もそうでしたが、自分の走りの幅が狭いん
ですね。ミスをしない幅でいろいろトライすることができていま
せん。終盤さらにペースが上がらなくなった原因はわかりません。このままでは同じことの繰り返しになってしまうので対策を
じっくり考えます。
●ドライバーズコメント: #8 HFDP/SRS-F/コチラレーシング 上村優太
予選では、コースインしたらギアがおかしくなったのでそのままピットインして対応してもらいました。
そこからコースインして最後の最後にタイムアタックすることができたのですが、セカンドタイムまで
は出せなかったので第 6 戦のスターティンググリッドは後になってしまいました。まだまだタイムが
出そうな感触だったので、もったいな
いことをしました。第 5 戦はまともに
走れなかったので、第6戦はしっかり
チェッカーを受けることを目的に走り
ました。クラッシュしたクルマをメカニ
ックさんがよく修復してくれたので第 6 戦を迎えることができた
のだなと感謝しています。序盤は、アドバイスされたように、最
初からむやみに攻めるのではなくて、周囲の状況を一旦見て
考えることを心がけました。そこからプッシュを始めて、中盤、
結構オーバーテイクできました。でも、もう少し早くプッシュを始
めていればシングルにいけたのかなと悔やむ気持ちもあります。やはり予選のポジションが重要ですね。
●ドライバーズコメント:#9
HFDP/SRS-F/コチラレーシング 石坂瑞基
第 5 戦ではスタートで 4 番に上がったのに、走り始めのペースが遅いですね。自分の性格のせいだ
と思います。気持ちはあるんだけど、状況を把握して自分の気持ちと噛み合わせるまで時間がかか
るんです。第 5 戦では少し無理し
て前に出ようとしたら押し出されそ
うになったので引きました。あそこ
でうまくすれば 2 台抜けるかも知
れないと思ったのですが。第 6 戦
では序盤から乗れていてペース
良く走れました。スタートでは第1 コーナーで接触があり、そ
れを避けるために順位を落としたけれど、そこから追い上
げて4ワイドになって順位を上げようとしたら第1コーナーで
内側のマシンと当たってしまいました。あそこで引くわけに
はいきませんでしたが、並んだときにその先のラインの取り方をもっとよく考えていれば無事 4 番手に上がれたかもしれませ
ん。でもチャレンジの結果だからしかたないと思っています。トップと同じレベルで走れることも確認できたので、次の鈴鹿でこ
の悔しさを晴らします。予選でもっと前に並びます。
●ドライバーズコメント:#10 SRS-F/コチラレーシング 金石勝英
予選でコースインしたら後にクルマがいたので前に行かせて、ゆっくりタイヤを暖めてスリップをうま
く使ったらタイムが出ました。今回は火曜日から練習走行をして、セッションごとにバラつきがありま
したが金曜日頃から安定して走れるようになりました。前大会と今大会のインターバルに S-FJ に乗
ったりして自分で練習して、今まで気持ちばかりが先走っていたのに自信がついて視野が広がった
ように思います。第 5 戦では路面が
汚れていてイン側から第 1 コーナー
へ進入したら前が混乱していてブレ
ーキをもう一度踏んだらロックして止まりきれず前のクルマに
追突してしまいました。第 6 戦はトップからスタートしたので、3
位という結果はあまり気持ちのよいものではありません。スタ
ートではミスしてしまいました。でもまず一歩引いて無理はしな
いようにしてとにかく結果を残そうと自分に言い聞かせました。
その結果自分の思う中での最低ラインではありますがレース
を無事終えて表彰台にも上がることができ、悔しいけれど少し
安心した気持ちにもなりました。レース中は上位選手と同じペースで走れて、うまく前について行ければもっと順位を上げるこ
とができたかなと反省しています。
<<監修 : HFDP事務局 阿部 正和>>