がん哲学の花 第20号

がん哲学の花
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一般社団法人「がん哲学外来」関西支部ニュースレター 第 20 号
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発行日:2015 年 10 月 15 日
一般社団法人「がん哲学外来」関西支部の website の URL です。各カフェのスケジュールや連絡先を掲載しています。
http://azuma-clinic.wix.com/cancer-philosophy
大阪がん哲学外来メディカルカフェあずまや / あずま在宅医療クリニック院長
東
英子
シルバーウィークを利用して、7 月にがん哲学外来市民学会で訪れた石川県を再訪しました。石川県には、子供も大人もお年寄り
も、病気や障害があっても、みんなが安心して集える場、いわゆるコミュニティースペースがいくつもあります。ちょっとした工
夫や気遣いで、人と人とのあたたかい繋がりを感じる場。
「がん哲学外来」風に言うと、
「偉大なるお節介」をたくさん感じました。
―今回訪問させていただいた 4 か所はこちら―
お庭も素晴らしい【凪のいえ】
前オーナーさんこだわりの赤い壁もステキな【ややのいえ】
ショッピングセンター内にある【みんなの保健室わじま】
介護食と普通食の隔たりがない【ツバメヤ】
<<編集後記 by あず>>
現在移転中の大阪がん哲学外来メディカルカフェあずまや。マンション 6 階の 1 室からクリニックの向かいの家に移る理由は、何
よりも 1 階に降りてきたかったから。ALL DAY AZUMAYA を開催するようになって、クリニックを会場にしたとき、1 階にある
とふらっと自由に出入りできることを実感した。新あずまやオープンはまもなくです!
【凪のいえ】
「ただいま おかえり」と迎えてくれる凪のいえは、金沢市窪、金沢赤十字病院にほど近い民家をリノベーション
したコミュニティースペース。凪のいえを管理する西田まち子さんは、ベテラン介護福祉士であり、聞き書き仲間のお姉さん的存
在でもあります。昔ながらの和風の空間を活かしつつ、西田さんの介護のキャリアから湧き出るアイデアが随所にみられます。ポ
ータブルトイレでは見えてしまうからと押入れがトイレに変身。他にも、辛
いときに一人で泣ける、内装にこだわったトイレ。お家の中ではトイレって
大切な個室空間ではないですか! その心配りが本当に素晴らしいと感じま
した。
心地よい風を感じ、縁側からお庭を眺めつつ、金沢がん哲学外来の
西村元一先生(本年 7 月のがん哲学外来市民学会第 4 回大会実行委員長)
と、
竹川茂先生(7 月の市民学会で「三城物語」をご講演)と一緒にお茶を楽し
みました。
写真左:西田まち子さん
〒921-8151 石川県金沢市窪 6 丁目 257 番地 1
【ややのいえ】
TEL : 076-205-4100
写真右:家で寛いでいるかのような喫茶スペース
小松市末広町 88 番地にあるややのいえ。住所と名前だけでも末広がりないい感じです。
転居されて空き家になった家に、
「ちひろ助産院」
「暮らしの保健室」
「おまかせうんチッチ」など、代表の榊原千秋さんの多彩なス
キルが満載です。生まれて、食べて、排泄して、老いて、最期を迎える。そんな人として当たり前の営みのなかで、病気になった
り、介護が必要になったりして、わからないことや不安に思うことがあったとき、話を聴いてもらえたり、
相談できたりする場があったらとても安心です。しかも田舎の実家に帰るようなあたたかい雰囲気。一晩泊
めていただきましたが、若かりし頃の合宿みたいで、とっても楽しい一夜でした。朝食に出していただいた
奈良漬けや梅干しはややのいえで漬けたもの。
大学教員をされていた榊原さんの元には若い女性が奈良漬け
や梅干し作りを習いにきて、さらに婚活までできるらしい!
男性諸氏、年齢層も幅広く募集中のようです
よ!
〒923-0945 石川県小松市末広町 88 番地
TEL : 0761-48-4988
豚が大好きな榊原千秋さん
【みんなの保健室わじま】 NHK の朝ドラ「まれ」で盛り上がった輪島。みんなの保健室わじまは、
「がん哲学の花 第 17 号」で
獅子舞の長女とご紹介した中村悦子さんが開設されたまちのなかの居場所。生活に必要なものはほとんど何でも揃うショッピング
センター「ファミィ」の中にあって、元気なお年寄りも、障害をもつ人も、認知症の人も、介護をしている人も、お買い物のつい
でに何となく時間を潰せるところ。もちろん看護・介護の相談もできます。
「こんなのあったらいいな」を散りばめたとおっしゃる
だけのことはあって、イベントも盛りだくさん。地域栄養ケア、ケアラーズカフェ、がんサロン、メンズケアラーの会、認知症カ
フェ、
・・・。500 円でおかわり自由の一汁一菜ランチをいただき(この日のメニューはス
ープカレーと雑穀米とわかめのサラダ)
、翌日のがんサロンに参加しました。この日のがん
サロンは、おしゃべり目的ではなく、中秋の名月を前に、粘土を使って、お月見うさぎを作
りました。私の子供の頃と違って、粘土をこねても、手は汚れないし、むにむにとした手触
りが随分心地エエもんです。参加者の皆さんも、作るのに必死でおしゃべりどころではない
感じでした。何かに集中するのもイイですね!
〒928-0022 石川県輪島市宅田町 7-37 ショッピングセンターファミィ内
TEL : 0768-23-4480
【ツバメヤ】
写真左:中村悦子さん
写真右:東が作った月見うさぎ(実はお手本よりかなり巨大!)
介護食や治療食を必要とする人が「外食」できるレストラン「ツバメヤ」は、金沢駅から
タクシーで 1 メーターの好立地。夜には介護食居酒屋となる。私も大阪へ帰るサンダーバードの終電ギリ
ギリまで、ゴボウやシイタケの煮もの、フライ、お漬物などをアテに呑む。どれも柔らかくて美味しいが、
説明してもらわないと、私のような素人には介護食と普通食の区別がつかない。特別な介護食ではなく、健
常者と一緒に同じものが食べれる工夫を教えてくれる福村美紀子さん、通称「おかみ」
。 デザートは、
(株)
タカキヘルスケアフーズのらくらく食パンをスポンジケーキ代わりに、ホイップクリームと、(株)クリニ
コのマンゴー味カップゼリーをトッピングしたケーキ。美味しさもカロリーも極上なり!
〒921-8047 石川県金沢市大豆田本町ロ-39
TEL : 076-287-6651
お茶目な福村美紀子さん