森麻季さんへドレスデン聖十字架合唱団公演に向けてのインタビュー ──ドレスデン聖十字架教会合唱団とはなんども共演されているかと思いますが、このよ うなコンサートをはじめるきっかけはどのようなものだったのでしょうか。 森「あるコンサートでペーター・シュライアー先生がキャンセルして、急遽この合唱団の 音楽監督であるローデリッヒ・クライレ先生が指揮することになったことがありまして、 その共演で気に入っていただいたことがきっかけで、ソロでも共演するようになりました」 ──ドレスデン聖十字架教会合唱団にはどのような印象をお持ちですか。 森「もう本当に美しい声で、まさに天使の歌声です。みんなかわいらしくて、とてもまじ めな子供たちです。日本に来ている間もきちんと勉強もしているんですよ。そして声が美 しいだけではなくて、言葉がはっきりと聞こえてきます。これはクライレ先生も力を入れ ている点で、これくらい言葉が聞こえなければいけないのかと思ってしまいます」 ──むしろ、子供たちからも学ぶところがあるということでしょうか? 森「そうなんです。もちろん、まだ子供たちですから大人の歌手とは比べられませんが、 ひとつにまとまったときの美しさや統一感はすごいと思います。バッハの『マタイ受難曲』 やヘンデルの『メサイア』といった作品でも、すばらしい声を聴かせてくれました」 ──子供たちといっしょに共演することの難しさはありますか。 森「いえ、難しいことはまったくありません。みんなとても優秀です」 ──クリスマスにふさわしい曲が並びました。 森「ドレスデン聖十字架教会合唱団の声も、清らかで透明感があって、クリスマスらしい 声ですよね。いっしょに歌っていると、自分も影響されてしまいます。ヴィブラートもあ りませんし、器楽的な歌い方で、言葉がまっすぐ伝わってきます。曲にもよりますが、バ ロックの宗教曲などでは、本来これが目指すべき方向なのでしょう。まるで天使がやって きたかのような合唱団ですから、きっと心が洗われるような気持ちでお聴きいただけると 思います」 インタビュアー:飯尾洋一
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