エピクロスの原子論は科学的原子論 今、国際的に世界の科学教育が遅れていると申しましたが、特に遅れている のは何か。原子論の教育です。原子論の教育というのは日本は世界一進んでい いはずなんです。原子論というのははじめに提唱されたのは古代ギリシャです。 みなさんはデモクリトスなんていう名前を知っていると思います。「デモクリ トスは世界最初の原子論者だ。」と言われていますが、それは私のような専門 家からすれば嘘です。エピクロスという人がいます。普通は「古代ギリシャの 原子論は空想的原子論であって科学的でない。」という考え方があるでしょ。 恐らくみなさんはそういうことで教わったと思うんです。 それはまったく違 います。それはキリスト教徒の人たちが思っている原子論であって、エピクロ スの原子論というのは世界観的な原子論であって、その原子論は、ものの重さ に着目した原子論です。だから、これは空想的原子論ではありません。完全に 科学的原子論です。 近代科学は原子論から作られた 私は今、日本で世界で小学校から原子論の教育を始めたい。実際に私の周囲 では小学校の先生方が小学校の1、2年生から原子論を教えています。空想的 原子論ではありません。科学的原子論です。たとえば「100gの水に食塩を 20g入れたら重さはどうなるか。」ということをエピクロスは問題としてい るんです。「100gの水に食塩を20g入れたら重さはどうなるか」という 問題を逐一解決して、それで古代原子論をつくったんです。古代原子論の一番 の協力者はアルキメデスです。アルキメデスはすべての原子論の基礎を作った 人です。アルキメデスという人は《浮力の原理》で有名ですが、 《浮力の原理》 というのは《重さの原理》と結合しているから、それがもとになって、世界最 初の物理学ができたんです。私が「小学校から原子論の教育する。」と言うと 「そんなばかに難しいことを教えるなんて、そんなこと教えられっこない。」 -1- と言う人がたくさんいます。特に高校の理科の先生はそうです。高校の理科の 先生が一番保守的です。自分たちが原子論をよくわかっていないからです。自 信があるらしいんです。原子論というと、現代原子論のことを考えている。私 の考える原子論は古代ギリシャの原子論です。古代ギリシャのエピクロスの考 えることができた原子論です。これは難しくないんです。だれでもわかります。 今の大学の物理学科で教えているような原子論は難しいかもしれないけれど、 古代ギリシャの原子論は難しくない。 仮説実験授業はガリレオ・ガリレイの原子論から生まれた もしかするとご存知の方がいるかも知れませんけれど、私は仮説実験授業を 提唱したのは、もともと私は古代原子論を受け継いだガリレオ・ガリレイの、 (ガリレオ・ガリレイは最も戦闘的な原子論者でありました。)そのガリレオ ・ガリレイの原子論的な《浮力の原理》を勉強して、そこから仮説実験授業を 提唱するようになったのです。先ほど言いましたように私は自分自身の大学を 出たんであって東大を出たんではありません。 -2-
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