化学 IA 担当 佐藤 しのぶ 13回目(2015.7.9) 6・5 混成軌道 メタンCH4 Cの価電子 2 2 2s 2p <黒板で説明> 水素と結合 するには? 混成軌道の考え方 s軌道 p軌道 sp軌道 s軌道 p軌道 sp軌道 同じ符号のもの は、大きくなる 違う符号のもの は、小さくなる 混成軌道の特性 - + • 軌道が最も伸びた方向はよく重なることが出来る。 共有結合形成に加わる際の方向性が強い • 他の原子の軌道と効率よく重なることが出来る。 混成軌道から生じた結合は、通常の原子軌道 から生じた結合よりも強い傾向がある。 s軌道、p軌道の重なり・・・sp軌道、sp2軌道、sp3軌道 s軌道、p軌道、d軌道の重なり・・・sp3d軌道、 sp3d2軌道 各軌道の形は 図6・15参照 sp軌道、sp3軌道について sp軌道 ___ ___ ___ ___ 2s 2p ↑ ↑ ___ ___ ___ ___ sp軌道 sp3軌道 2p軌道 ↑↓ ↑↓ ↑↓ ___ ↑↓ ___ ___ ___ sp3軌道 sp3混成軌道 ↑↓ O(H2O中) ___ 2s sp3混成軌道 p軌道3つとs軌道の組み合わせによる ↑↓ ___ ↑↓ ___ ↑↓ ___ 2p 混成軌道によってH2O分子が非線形 になる理由を説明する。 宿題 問2 ↑↓ O(H2O中) ___ sp3混成軌道を形成すること により、各軌道は4面体の頂 点に位置する。H2Oの場合、 結合に関与しているのは二つ の軌道なので、これらが非線 形の形を形成する。 ↑↓ ___ ↑↓ ___ ↑↓ ___ 2p 2s ↑↓ ↑↓ ↑↓ ___ ↑↓ ___ ___ ___ sp3軌道 混成軌道の4面体は互いに109.5°の角度を持っている。結合に関与しているのは、二つのsp3軌道 だけである。結合している電子対は二つの核に引き寄せられるので、結合していない電子対より も有効体積が小さくなる。水分子の孤立電子対は2対あるため、これが占める有効体積が大きく なり、孤立電子対がH-Oの結合角を109°よりも押しやるため、結合角は104.5°となる。 配位共有結合の場合 アンモニウムイオン NH4+ 空の1s軌道とアンモニア分子の 窒素上の孤立電子対の重なりあ わせによって生じる 結合角:109.5° 6・6 多重結合 σ結合とは 2重結合 or 3重結合 宿題の答え 隣接した原子の混成軌道の重なりによって生じる結合 π結合 混成に関与していないp軌道に不対電子が存在するとき 互いに形成された結合 エチレンの場合 C ↑↓ ___ SP2混成軌道を使う ↑ ↑ ___ ___ ___ 2s ↑ C ↑ ↑ ___ ___ ___ sp2軌道 C ↑ ↑ ↑ ___ ___ ___ H H C = C 2p ↑ ___ p軌道 ↑ ___ H H エチレンの場合 SP2混成軌道 H H σ結合 C = C H H σ結合 エチレンの場合 π結合 上下でひと組 P軌道 H H C = C H H エチレンの結合 H H C = C C-C σ結合 1つ H C-H σ結合 4つ H C-C π結合 1つ アセチレンの場合 C ↑↓ ___ 2s ↑ C SP混成軌道を使う ↑ ↑ ___ ___ ___ 2p ↑ ↑ ↑ ___ ___ ___ ___ sp軌道 C p軌道 ↑ ↑ ↑ ___ ↑ ___ ___ ___ H C ≡ C H アセチレンの場合 σ結合 H C ≡ C H σ結合 アセチレンの場合 π結合 ひと組目 H π結合 ふた組目 C ≡ C H アセチレンの結合 H C ≡ C H C-C σ結合 1つ C-H σ結合 2つ C-C π結合 2つ まとめると 単結合・・・σ結合 1つ 二重結合・・・σ結合1つとπ結合1つ 三重結合 ・・・σ結合1つとπ結合2つ 分子中の結合を調べる 例題 6・11 分子中の原子によって用いられるσ結合、 π結合を同定する。 H H O C C σ結合 + π結合 O H σ結合 H フェノールの分子中の結合を sp 軌道 p軌道 同定せよ。 ↑ ↑ ↑ 2 C ↑ ___ ___ ___ ___ σ結合 H O H H H H O O C C C C C π結合, σ結合 C H H π結合, σ結合 H 炭酸イオンの分子中の結合を同 定せよ 共鳴構造なので、全体がπ結合している, C-O 結合はσ結合 O σ結合 + π結合 C C ↑ ___ ↑ ___ ↑ ___ O ↑↓ ___ 2s O H O p軌道 sp2軌道 ↑ ___ ↑↓ ___ ↑↓ ___ ↑↓ ___ 2p 電子がどのように軌道に入っているのか、 記載しにくい σ結合 分子軌道理論を使う 6・9 分子軌道理論 分子は原子のある配置を含み、 ひと組の分子軌道がこれらの核の周りに従う。 分子の電子構造は、 原子軌道に電子を入れるときに用いた 規則に従って、これらの分子軌道に 適当な数の電子を与えることによって得られる。 分子軌道 結合性軌道 二つの波(軌道)が加わるとき、その結果出来る分子軌道は、電子密度が二 つの核の間に集まっている様な形になる。 → そのような軌道中の電子は核を寄せ合わせ、分子を安定させる 1s軌道のσ結合の場合、σ1sと書く。 反結合性軌道 二つの波(軌道)が打ち消し合うような場合、その結果出来る分子軌道は、 電子密度が二つの核の間の外側にあるような形になる。 → そのような軌道中の電子は核を寄せ合わす役には立たない。 1s軌道のσ結合の場合、σ1s*と書く。 水素分子の分子軌道は?? 反結合性軌道 σ1S* 1SH 1SH ↑↓ 電子は低い軌道から 埋まっていく。 σ1S (H2) 結合性軌道 次回の授業 6章 共有結合と分子構造 (つづき) 7/16は期末前の最期の授業です。 <九州工業大学 竹中研究室>で検索 研究グループ>佐藤しのぶ (Shinobu Sato)で以下のページを確認しておくこと。 http://takenaka.che.kyutech.ac.jp/2015/member/sato.html
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