高速度ビデオカメラ 一式 仕様書 平成 27 年3月 国立大学法人奈良先端

高速度ビデオカメラ
一式
仕様書
平成 27 年3月
国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学
I 仕様書の概要説明
1 調達の背景及び目的
国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 グリーンバイオナノ研
究室(レーザーナノ操作科学研究室)は、東京大学大学院理学系研究科(合田圭介代表)
の採択された革新的研究開発推進プログラム(ImPACT) 「セレンディピティの計画的創出に
よる新価値創造」の中の分担研究課題「多機能細胞分取技術の開発」を委託研究として担
当し、マイクロチップ中の分岐流路に、高出力フェムト秒レーザーを集光し、そのときに
集光点で引き起こされる爆発現象により、分岐流路での細胞の進行方向を制御することに
より、細胞を秒速1万個以上で高速に分取する技術を確立しようとしている。
本研究では、マイクロチップ中を 0.1m/s 以上の高速流体中でフェムト秒レーザーが照射
されたときに誘導される細胞の動的挙動を高時間分解能・高画質で長時間観察し、解析す
ることが必須とされる。フェムト秒レーザーによりマイクロ流路中で誘導される爆発現象
の時間スケールはマイクロ秒の時間スケールであり、それに追随できる 10µs 以上の時間分
解能をもつ観察が必要となる。また、レーザーにより誘導される細胞の動的挙動は、レー
ザー集光点と細胞の位置関係に依存するため、顕微鏡下でその関係を観察できる 256×256
以上の画素数での高解像度画像撮影が必要になる。さらにこの様な高速かつ高感度な撮影
においては、高輝度な照明が必要とされるが、マイクロチップ内の細胞への負担を最小限
に抑えるため、高輝度照明を避けたく、ISO 感度 100,000 以上で高感度撮影できることが望
ましい。
上記の理由から、標記調達物品が必要となる。
2 調達物品及び構成内容
高速度ビデオカメラ 一式
(操作用パソコン、その他付属部品 一式を含む)
以上、搬入、据付、配線、調整一式を含む。
3 技術的要件の概要
(1) 本件調達物品にかかる性能、機能及び技術等(以下「性能等」という。)の要求
要件(以下「技術的要件」という。)は「II 調達物品に備えるべき技術的要件」
に示すとおりである。
(2) 技術的要件は、全て必須の要求要件である。
(3) 必須の要求要件は、本学が必要とする最低限の要求要件を示しており、入札器機の
性能等がこれらを満たしていないとの判定がなされた場合には不合格となり、落札
決定の対象から除外する。
(4) 入札器機の性能等が技術的要件を満たしているか否かの判定は、本学「高速度ビデ
オカメラ 一式」技術審査職員において、入札器機に係る技術仕様書その他入札説
明書で求める提出資料の内容を審査して行う。
4 その他
(1) 技術仕様等に関する留意事項
入札機器は、入札時点で製品化されていること。ただし、入札時点で製品化され
ていない機器によって応札する場合には、技術的要件を満たしていることの証明
及び納入期限までに製品化され納入できることを保証する資料及び確約書等を提
出すること。
(2) 提案に関する留意事項
① 提案に関しては、提案システムが本仕様書の技術的要件をどのように満たすか、
あるいはどのように実現するのかを要件要求ごとに資料を添付する等して具体
的かつわかりやすく記載すること。従って、本仕様書の技術的要件に対して、単
に「はい、できます。
」
、
「はい、有します。」といった回答の提案書であるため評
価が困難であると調達側で判断した場合は、技術的要件を満たしていない資料と
みなし不合格とするので十分に留意して作成すること。
② 提出資料等に関する照会先を明記すること。
③ 提出された内容等について、ヒヤリングを行う場合があるので誠実に対応するこ
と。
(3) 導入に関する留意事項
① 導入スケジュールについては、本学と協議し、その指示に従うこと。
② 搬入、据付、配線、調達に要するすべての費用は、本調達に含む。
II 調達物品に備えるべき技術的要件
(性能、機能に関する要件)
1. 高速度ビデオカメラ
1. 高速度ビデオカメラは以下の要件を満たすこと。
1.1 256×256 以上の画素数で、1 秒あたり 10 万枚以上(10 µs/frame)の画像を撮影可能な
機能を有すること。
1.2 128×128 以上の画素数で、1 秒あたり 24 万枚以上(4.2 µs/frame)の画像を撮影可能な
機能を有すること。
1.3 128×64 以上の画素数で、1 秒あたり 43 万枚以上(2.3µs/frame)の画像を撮影可能な機
能を有すること。
1.4 モノクロ ISO 感度がデフォルト 100,000 以上であること。
1.5 濃度階調が 12 ビット以上であること。
1.6 最短露光時間が 500ns 以下であること。
1.7 カメラ搭載メモリ容量は 24GB 以上であること。
1.8 外部トリガ信号とフレーム同期させたバーストモードで撮影可能な機能を有すること。
1.9 カメラ内部の部品交換にて、撮像速度の向上ができること。
1.10 10Gb イーサーネットによる PC へのデータ転送が可能な機能を有すること。
1.11 センサー部がペルチェ冷却され、さらにペルチェ素子放熱部がオイル冷却と強制空冷
の組み合わせにより強制冷却される機構を有すること。
1.12 本体寸法が、200×200×275 mm、本体重量 8kg 以下であること。
2. 操作用パソコン
2.1 Windows7 Pro 64bit またはこれと同等以上のオペレーションシステムが動作すること。
2.2 CPU 性能が Intel Core i5-4460 3.2GHz 以上であること。
2.3 HDD 容量が 2.0TB×2 以上であること。
2.4 10Gb イーサネットボードを搭載していること。
3. その他付属部品
3.1 上記 1 記載の高速ビデオカメラと顕微鏡を接続できる C マウントアダプタ。
3.2 上記 1 の高速ビデオカメラを操作できる機能をもつソフトウェア。
3.3 上記 1 の高速ビデオカメラを解析できる機能をもつソフトウェア。
(性能、機能以外に関する要件)
1 設置条件等
1.1
設置場所
国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科
1.2
F 棟 2 階 210 号室
設備要件
本学が用意する以下の一次側電源設備以外に必要な電源設備については、本調達に
含むものとする。
単相 100 V、60Hz、15A 1 系統
1.3
本システムの搬入、設置を計画する上では以下の条件を考慮すること。
最大ドア開口部
天井高
1,300 mm (W) × 2,100 mm (H)
最小 3,230 mm
設置部面積 最大幅 (W)500mm×(D)600mm
1.4
搬入、据付、配線、調整
搬入、据付、配線、調整については、業務に支障をきたさないよう、本学の職員
と協議の上でその指示によること。また、物品の搬入にあたっては、建物、設備
等に損傷を与えないように搬入口、廊下、ドア、及び部屋内等の養生を充分に施
すこと。なお、万が一、建物、設備等に損傷を与えた場合は、速やかに本学職員
に報告し現況に復元すること。
2 保守体制等
2.1
本装置の修理、部品供給、その他のアフターサービスに対して、速やかに対処する体
制を有していること。
2.2
保証期間は納入後 1 年とし、その間に通常の使用により故障及び不具合が生じた場合
は、無償にて速やかに修理すること。
2.3
障害対応に関する報告書をその都度提出すること。
3 教育・支援体制等
利用者に対する本装置の使用方法及び日常の保守についての教育を実施すること。
4 提出書類
取扱い説明書(日本語版)1 部
5 その他
5.1
本仕様に定められた以外の事項で疑義を生じた場合には、本学の指示に従うこと。
5.2
納入にあたっては、納入時間、納入経路等について事前に協議すること。また、納入
が円滑に行われるよう必要な措置を取ること。