移動速度論 問 題

2015年前期 マテリアル工学科 2年 試験 2015.7.30
移動速度論 問 題
1.移動速度式と境膜の速度式
① 解答用紙に従って移動速度式の基本構成を完成させた上で,運動量移動に関する移動速度式を示せ。(構成要素等は語群か
ら選んでもよい。 はベクトル演算子でGradient(勾配)を表す)
② 電磁気学の分野で移動速度式で表現できる式を1つ示せ。(構成要素等は語群から選んでもよい)
③ 境膜内の熱移動に関する速度式を完成せよ。(構成要素等は資料4から選ぶこと)
(語群: 物性値,熱力学の第一法則,Fickの第一法則,熱力学の第二法則,勾配, 移動係数, ニュートンの式,駆動力,
流束, 面積, フーリエの式, 時間,移動し易さ,移動し難さ,オームの法則,q:熱流束,D:拡散係数,
σ: 電気伝導度 , v:速度勾配,μ:粘性係数,N:物質流束,λ:熱伝導度, C 濃度勾配,τ:粘性せん断力,
J:電流密度, T:温度勾配, φ:電位勾配, 熱力学の第一法則,ρ:比抵抗,ファラデーの法則 )
w
2.定常問題と非定常の現象
厚さWの無限平板(熱伝導度λ)の両面を高温TH,低温TLに保ちました。
① 熱移動が定常状態になった時の平板内の温度分布(温度Tがxの関数)を解答用紙に従って導出
して下さい。 項の名称は下の語群から選ぶこと。
② ①の定常状態から突然高温側の温度を下げ,TH にしました。その瞬間から新たに定常状態にな
るまでの温度分布を与える方程式を書き下し,どのように変化するかを模式的に示して下さ
い。 項の名称は下の語群から選ぶこと。
TH
平
板
x
x=0
3.定常問題
半径Rの十分長い水平の円管内に圧力をかけて水を流している。流速の成分はz方向のみで,
円管内ではr方向に変化している。流れは定常で,距離LでΔPの圧力が減少していた
(ΔPは正の値)。円管内の水の流速vzのr方向の分布を求めよ。
各項の名称については下の語群から選ぶこと。
x=W
vz
R
€
4.境膜導入の条件
温度300Kの撹拌流体中に固体があり,その表面温度が700Kで一定に保たれている。表
面近傍の温度を詳細に測定したところ,次式のような分布であった。右にそのグラフを
模式的に示す。 T = 400e−250 x + 300
T: 液体の温度(K),x:表面からの距離(m)
① ここで,あえて境膜を設定するとして,解答用紙の文章を完成させながら,その境膜
厚さを計算しなさい。(重複して選んでも良い)
(語群:定常,非定常,表面,境界層,境膜,直線,放物線,傾き,均一,一致)
z
ΔP
L €
700
€
T = 400e−250x + 300
300
€
② グラフ上に境膜を設定した場合の温度分布を実際の濃度分布とあわせて描きなさい。
5.擬定常問題
図のように十分に広い容器に成分Aの溶液が入っており,その溶液中に成分Aが固めら
れた直径dのサイズの丸棒(密度ρ,初期長さL0)を角速度ωで回転させながら浸漬して
いる。丸棒の側面はコーティングされており成分Aは端面(下の面)からのみ溶液中に
溶け出している。端面近傍に境膜を設定するとして,丸棒の長さLの時間変化を求め
よ。
① 境膜内の物質移動速度定数をkdとしてdt時間での丸棒の長さLの変化量(-dL,dLは正の
値)と溶け出す量の関係(収支式)を書き下して下さい。容器は十分広く,バルクの
濃度はC0で一定とする。表面の濃度は成分Aの溶解度から求められ,ここではCSで
一定とし,表面から均一に溶け出し,端面は平面であるとする。濃度Cの単位は
kg/m3 で溶液1m3 に含まれる成分Aの質量(kg)とする。
② 長さLに対する微分方程式を導出し,解を求めて下さい。
③ 物質移動速度定数を算出する式を資料4から選んで下さい。
④ 必要な無次元数とhを計算し,長さが2cm短くなるまでの時間を計算して下さい。必
要な数値は以下のとおりである。
ω=15 rad/s, d=0.04 m, ν=8x10-5 m/s2,D=8x10-8 m/s2 ,
CS=0.2kg/m3 ,C0=0.02kg/m3, ρ=1500 kg/m3
TL
ω
€
d
d
CS
C
各項の名称の語群:
拡散項.発熱項,粘性項,定常項,非定常項,対流項,慣性項,発生項,圧力項,伝導項,外力項