化学熱力学

化学熱力学
教員名 : 本間 清士 Email:[email protected]
教員室 : 物質工学科棟 1 階 124 室(0144-67-8036)
Chemical Thermodynamics
物質工学科 4年
単位数・期間
1単位必修 前期週2時間
授業の概要、授業の方針(授業の進め方等)
ケミカルエンジニアの為の熱力学を修得させる。基礎概念,特にケミカルポテンシャルの概念を徹底的に把握・理解
させるとともに,出来るだけ化学工業で実際に取り入れられている応用例を示し理解を助けるとともに,十分活用でき
る応用力を養わせる。
履修上の注意(準備する用具,前提となる知識・科目など)
関数電卓。分析化学,化学工学,物理化学で習得した基礎知識,関連知識を前提。
授
業
の
内
容
時
授
業
項
目
学
習
目
標
間
熱力学の第一法則を理解し,閉じた系から仕事,熱量,
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1.熱力学の第一法則
内部エネルギーなどのエネルギー収支を計算できる。
1-1 熱力学の第一法則
1-2 閉じた系に対するエネルギー収支
定容比熱,定圧比熱を理解し,更に比熱の温度変化,圧
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2.熱化学
力変化および平均熱容量などが計算できる。
2-1 熱容量
2-2 反応熱
理想気体の法則を用いた式だけではなく,実在気体の適
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3.圧力−容積−温度関係
用できるいくつかの式を用いて計算できる。
3-1 状態方程式
3-2 フガシティ
熱力学の第二法則,熱機関の効率に基づいて考えられた
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4.熱力学の第二法則
エントロピーを理解し計算できる。また、不可逆過程の
4-1 熱力学の第二法則
熱力学量,エントロピー変化も計算できる。
4-2 エントロピー
4-3 不可逆課程
前期中間試験
ギブスの自由エネルギー,ヘルムホルツの自由エネルギ
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5.熱力学的諸性質
ー変化を説明し計算できる。定圧比熱と定容比熱の関係
5-1 エンタルピーとエントロピー
式,熱力学的関数,マクスウェルの関係式などを説明で
5-2 自由エネルギーと内部エネルギー
きる。
5-3 定圧比熱と定容比熱の関係
5-4 状態量の相互関係
等温過程,定圧過程及び断熱過程を組み合わせてサイク
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6.圧縮と膨張
ルを作り仕事量,内部エネルギーなどを計算できる。
6-1 理想的なサイクルを組み立てている課程
6-2 理想的なサイクル
化学平衡の状態にある分圧と自由エネルギーの関係か
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7.化学平衡
ら質量作用の法則,平衡定数が求められることを理解
7-1 化学平衡と平衡定数
し,気相反応における種々の化学平衡の平衡定数,平衡
7-2 いろいろな形の平衡定数
濃度,解離度が計算できる。
7-3 平衡定数の温度による変化
7-4 平衡定数の算出
7-5 気相反応における平衡
−−−前期定期試験−−−
熱力学は熱的な現象を巨視的な立場から扱う学問分野の一つで,熱力学の第一法則,熱力学の第二
法則,熱力学の第三法則などの工学基礎から成り立っている。それらの法則を理解するとともに,実
在気体,不可逆過程の熱力学的量の算出,圧縮,膨張に関する関係式の理解,ギブス,ヘルムホルツ
達 成 目 標
の自由エネルギー変化と平衡関係,質量作用の法則,種々の化学平衡の平衡定数,平衡組成,解離度
の計算もできることを目標としている。
本校学習教育目標 D-3,F-1 JABEE基準1(d-1),(d-2a),(c),(e)
1) 達成目標の各項目に関する知識を正確に述べることができるか。
2) 達成目標の各項目にある基礎事項,原理,概念を説明できるか。
評価の観点
3) 達成目標にある各項目について計算できるか。
4) 達成目標にある自由エネルギーと平衡関係について説明できるか。
関 連 科 目
物理学,化学,分析化学,物理化学,統計熱力学
教
大竹,平田「演習化学工学熱力学」丸善,阪上,妹尾,渡辺「概説物理化学」共立出版
科
書
参 考 図 書
講義および試験
の内容水準チェ
ックのための参
考資料
評価法及び基準
ムーア著「基礎物理化学」上,下 東京化学同人,島原健三著 「化学計算」三共出版,島原健三,水
林久雄著「化学計算の解釈研究」三共出版,小野、長谷川,八木著「詳解物理化学演習」共立出版,
小島和夫「エンジニアのための化学熱力学入門」培風館,小島和夫「化学技術者のための熱力学」培
風館,N.O. Smith 著,大竹,寺西訳「化学熱力学-演習によるアプローチ-」東京化学同人
K. Denbigh 「化学熱力学」,上,下 広川書店
G.N. Lewis and M. Randall 「熱力学」 岩波書店
達成目標,評価の基準 1)∼4)に関する問題を中間試験,定期試験において出題し,評価の基準 2),
3),4)において演習問題,課題レポートに基づいて評価する。
定期試験 40%,中間試験 30%,演習および課題レポート 30%の割合で評価する。合格点は 60 点で
である。