情報提供資料 欧州不動産関連証券の足元の市場動向と 今後の見通しについて 2015年8月26日 中国景気の悪化、世界経済への悪影響が懸念されたことなどを背景にグローバルなリスク回避の動きが強ま り、欧州不動産関連証券市場は8月19日から24日にかけて大幅下落。 欧州不動産関連証券市場は、短期的には、投資家のリスク回避的な行動に振らされる場面も想定されるもの の、欧州の不動産市場のファンダメンタルズは総じて改善傾向にあることや、欧州不動産への海外投資家な どからの強い投資需要などを背景に、中期的には堅調な相場展開を見込む。 <足元の市場動向> 不動産関連証券市場 欧州不動産関連証券指数の推移 2014年8月29日~2015年8月25日:日次 2015年6月以降の欧州不動産関連証券市場は、①ギリ シャ債務問題をめぐる不透明感の高まり、②欧州各国の長 期国債利回りの上昇、③欧州の不動産関連証券各社による 相次ぐ増資計画の発表などが嫌気され、7月上旬にかけて 軟調な展開が続きました。 しかし、7月中旬には、ギリシャ債務問題をめぐる交渉進 展や、欧州各国の長期国債利回りがおおむね低下基調で推 移したことなどから、投資家のリスク選好姿勢が強まり、 英国、大陸欧州市場ともに大きく上昇しました。その後、 7月末にかけて、急速な上昇に対する警戒感などからいっ たん下落する局面があったものの、7月末から8月中旬にか けては再び堅調な相場展開となりました。 8月中旬以降は、米国での利上げに向けた不透明感が高ま る中で、人民元の実質切り下げやコモディティ価格の下落 などを受け、改めて中国経済や世界経済の成長鈍化が懸念 されたことなどから、グローバルなリスク回避の動きが強 まり、市場は大きく下落しました。 (ポイント) 4,500 4,250 4,000 3,750 3,500 3,250 3,000 2,750 14/8 14/11 ユーロについては、ギリシャ債務問題の混迷や、米連邦準 備制度理事会(FRB)による年内の利上げ観測の高まりを 受けた米ドル高などが下落要因となりました。 足元では、ギリシャ債務問題が落ち着きをみせていること に加え、中国経済の悪化による世界経済の先行き不透明感 の高まりを背景にした米国の利上げ時期の後ずれ観測など もあり、両通貨は対米ドルで上昇基調となりました。ただ し、対米ドルで円高が進行したこともあり、対円では英ポ ンドは下落、ユーロはもみあう展開となりました。 15/5 (年/月) ※FTSE EPRA/NAREIT Developed Europe指数(トータルリ ターン、ユーロベース)を使用。 ※FTSE®は、London Stock Exchange Groupの会社が所有す る商標であり、ライセンス契約に基づき、FTSE International Limited が 使 用 し ま す 。 NAREIT® は NAREIT が 所 有 す る 商 標 です。 為替市場(英ポンド、ユーロ) 2015年6月以降の英ポンドについては、欧州連合(EU) 離脱を問う国民投票を実施する方針が示されたことや、ギ リシャ債務問題を受けユーロ圏の政治リスクが意識された ことなどが下落要因となりました。一方、英国の持続的な 景気回復や賃金上昇に伴う利上げ期待が上昇要因となりま した。 15/2 対円為替レートの推移 2014年8月29日~2015年8月25日:日次 (円) 200 190 円安 180 英ポンド/円 170 160 ユーロ/円 150 140 130 120 14/8 円高 14/11 15/2 15/5 (年/月) 出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問 が作成。 ※上記は、将来における欧州不動産関連証券指数および対円為替 レートの推移を示唆、保証するものではありません。 ※最終ページの「本資料のご利用にあたっての注意事項等」をご覧ください。 1/3 <今後の見通し> 欧州不動産関連証券市場は、8月19日から24日までの下落により、今年7月中旬から8月中旬にかけての上昇分を相殺 した形となりました(FTSE EPRA/NAREIT Developed Europe指数(トータルリターン、ユーロベース))。この ように足元の市場の変動は大きなものであったことから、目先は投資家のリスク回避的な投資行動が継続し、欧州不動 産関連証券市場もこれに振らされる相場展開となる可能性があります。 しかし、8月25日に中国人民銀行が政策金利と預金準備率を同時に引き下げたように、中国政府は今後も景気底割れを 回避するため様々な対策を講じることが想定されます。このような政策努力などにより、中国経済の成長鈍化懸念、ひ いては世界経済の成長鈍化懸念が後退するとともに、市場は次第に落ち着きを取り戻し、投資家の関心は、再び欧州不 動産関連証券各社の業績に戻ってくるものと思われます。 欧州不動産関連証券各社の業績は、以下のマクロ環境や不動産市況などに下支えされ堅調な推移が見込まれます。中国 経済の成長鈍化による、欧州主要輸出国におけるオフィステナント需要への悪影響の可能性などには注意を払う必要が あるものの、相対的に長期の賃貸借契約により賃料収入が確保されている不動産関連証券各社は、このようなテナント 需要減退に対しても一定の耐性があるといえます。中期的には、欧州不動産関連証券市場も、このような業績推移に 沿った堅調な相場展開を見込みます。 マクロ環境 ・英国景気については、足元の改善基調は今後も継続することが期待され、堅調な拡大が見込まれます。また大陸欧 州についても、欧州中央銀行(ECB)による金融緩和政策などを背景に、景気は徐々に回復に向かうとみられます。 不動産市況、資金調達環境 ・欧州の不動産市況は、セクターや地域によりその改善度合いはまちまちであるものの、主要都市での限定的な物件 新規供給などを背景に、総じて改善傾向にあります。 ・欧州の優良不動産に対する海外投資家などからの投資需要は強く、不動産価格も上昇傾向にあります。 ・ECBの金融緩和姿勢の下、資金調達環境は良好であり、健全な財務状態にある多くの不動産関連証券はこれらの恩 恵を受けています。 主な上昇要因 英国 不動産関連証券 大陸欧州 両市場 主な下落要因 ・ロンドン中心部のオフィス市況の改善加速 ・(中期的に)欧州連合(EU)離脱の国民投票 ・経済成長の波及効果による国内全体の不動産市 をめぐる政治的不透明感の高まり 況の改善 ・欧州広域における優良小売物件の底堅い賃料 ・マクロ経済の回復の遅れ 上昇 ・ギリシャ関連でのマイナス材料となる報道 ・ドイツ住宅セクターの底堅い賃料上昇 ・パリのオフィス市況の回復の遅れ ・その他地域の不動産価格回復期待 ・良好な資金調達環境の継続 ・不動産投資資金の流入継続 ・合併・買収(M&A)の増加期待 ・配当利回りの相対的な高さ ・中国経済や世界経済の成長鈍化に対する懸念な どからくる、投資家のリスク回避姿勢の強まり ・長期金利の急上昇 ・(価格上昇が継続した場合)高値警戒感による 売り圧力の強まり ・地政学リスクの継続 ユーロ ・ギリシャ債務問題のいったんの合意を受けた米 ドル高の調整 ・FRBによる利上げ観測が根強いこと ・ユーロ圏の高水準の経常黒字 ・FRBによる米国の利上げ時期の後ずれ観測 為替 英ポンド ・景気回復の持続 ・英国の利上げ期待の高まり ・EU離脱を問う国民投票に関する動向 ・米連邦準備制度理事会(FRB)による米国の ・FRBによる利上げ観測が根強いこと 利上げ時期の後ずれ観測 ※最終ページの「本資料のご利用にあたっての注意事項等」をご覧ください。 2/3 [投資信託のお申込みに際しての一般的な留意事項] ●投資信託に係るリスクについて 投資信託は、主として国内外の株式、公社債および不動産投資信託証券(リート)などの値動きのある証券等 (外貨建資産に投資する場合には為替変動リスクもあります。)に投資しますので、ファンドの基準価額は変 動します。したがって、投資者の皆さまの投資元金は保証されているものではなく、基準価額の下落により、 損失を被り、投資元金を大きく割り込むことがあります。ファンドの運用による損益はすべて投資者の皆さま に帰属します。また、投資信託は預貯金と異なります。 投資信託は、個別の投資信託ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることか ら、リスクの内容や性質が異なりますので、お申込みの際は投資信託説明書(交付目論見書)を必ずお読みく ださい。 ●投資信託に係る費用について みずほ投信投資顧問株式会社が運用する投資信託については、ご投資いただくお客さまに以下の費用をご負担 いただきます。 ■直接ご負担いただく費用 購入時手数料 : 上限3.78%(税抜3.5%) 換金時手数料 : 換金の価額の水準等により変動する場合があるため、あらかじめ上限の料率等を示す ことができません。 信託財産留保額 : 上限0.5% ■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用 運用管理費用(信託報酬)※ :上限 年2.16%(税抜2.0%) ※上記は基本的な料率の状況を示したものであり、成功報酬制を採用するファンドについては、成功報酬 額の加算によってご負担いただく費用が上記の上限を超過する場合があります。成功報酬額は基準価額 の水準等により変動するため、あらかじめ上限の額等を示すことができません。 ■その他の費用 上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)等で ご確認ください。 ●投資信託は、預金商品、保険商品ではなく、預金保険、保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。登 録金融機関が取り扱う投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。投資信託の設定・運用は、投資信 託委託会社が行います。 《ご注意》 上記に記載しているリスクや費用の項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率 につきましては、みずほ投信投資顧問株式会社が運用するすべての公募投資信託のうち、ご負担いただくそれ ぞれの費用における最高の料率を記載しております。 投資信託をお申込みの際は、販売会社から投資信託説明書(交付目論見書)をあらかじめ、または同時にお渡 しいたしますので、必ずお受け取りになり、投資信託説明書(交付目論見書)の内容をよくお読みいただきご 確認のうえ、お客さまご自身が投資に関してご判断ください。 みずほ投信投資顧問株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第398号 加入協会/一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会 【本資料のご利用にあたっての注意事項等】 本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資 勧誘を目的に作成されたものではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成にあたり、当社 は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記 載した当社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のものであり、今後予告なしに変更さ れることがあります。また、本資料に記載した当社の見通し等は、将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。 3/3
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