情報提供資料 ギリシャ問 題 の行 方 2015 年 3 月 17 日 2015 年 6 月末までギリシャ向け金融支援の延長で合意。当面の危機は回避されたが、根本的な 解決には依然として時間を要する見通し。 ギリシャ支援を巡る交渉は引き続き難航するものの、国内世論に配慮しながらギリギリのところで 妥結するとみられる。 2010 年の欧州債務危機以降、財政再建やセーフティーネットの整備が進んでおり欧州各国に信用 不安が波及する可能性は低いとみられる。 ギリシャ向け金融支援延長で当面の危機は回避 図表① ギリシャが資金不足に陥ることは当面は回避されました。 しかしギリシャが融資を受けるためには、財政改革の内容に ついて4月末までにEUと合意する必要があり、交渉の行方 が注目されています。 また、金融支援の期限は6月末ですが、7月に大量の国債 償還を控えています。7月以降の新たな支援継続については、 ギリシャの財政改革の進展等が条件になるとみられます。5 ~6月頃が交渉の山場になるとみられ、ギリシャの出方次第 では市場で不安が高まる可能性もあります。 ギリシャ 根本的解決には時間がかかるとみられる 《支援内容》 ・10 年 5 月、1100 億ユーロ規模 の第一次支援 ・12 年 2 月、1300 億ユーロ規模 の第二次支援 EU・IMF 欧州連合(EU)はユーロ圏財務相会合において、2月末 に期限が切れるギリシャ向け金融支援を4ヵ月延長し、6月 末までとすることを決定しました。債務減免等を求めるギリ シャ政府とそれを認めない欧州連合(EU)の間で激しい交 渉が繰り広げられましたが、最後はギリシャが折れる形で決 着しました。支援の延長に合意したことで、ギリシャ政府の 債務不履行(デフォルト)は当面回避される見通しとなりま した。 ギリシャ支援の主な仕組み 《支援の条件》 ・増税や年金削減等の財政再 建策や構造改革の実施 ・財政収支や債務残高の目標 達成 出所:各種報道を基にみずほ投信投資顧問が作成。 ※上記は、将来におけるギリシャ向け支援を示唆、保証する ものではありません。 図表② 今後のギリシャ支援関連日程 時期 内容 2015年4月末 ギリシャが提出する詳細な 財政改革案の合意期限 6月末 延長した金融支援の終了期限 ギリシャのユーロ離脱は回避される見通し 今後もギリシャとEU等の間では金融支援に関する難しい 交渉が続くと予想されます。反緊縮を掲げて政権交代を果た したチプラス首相と、国内でギリシャ支援への反対論が強い ドイツ等のEU諸国はともに自国の世論に配慮する必要があ り、結論はギリギリまでもつれるものとみられます。交渉の 難航が市場の不安を高める可能性はありますが、ギリシャの ユーロ離脱や債務不履行(デフォルト)は避けたいとの思惑 は一致しており、最後はどちらかが妥協する形で合意がなさ れる見通しです。 7月 ギリシャ政府債務償還期限 (約72億ユーロ) 8月 ギリシャ政府債務償還期限 (約46億ユーロ) ※ギリシャ政府債務の償還額は2015年3月16日時点のブ ルームバーグデータを基に作成。 出所:各種報道およびブルームバーグが提供するデータを基 にみずほ投信投資顧問が作成。 ※上記は、将来におけるギリシャの国債償還額を示唆、保証 するものではありません。 ※最終ページの「本資料のご利用にあたっての注意事項等」をご覧ください。 1/3 最悪のケースとして、ギリシャがデフォルトしてしまった 場合の影響について考えてみましょう。ギリシャ政府債務の 約7割は国際通貨基金(IMF)等の公的機関が保有しており 民間への影響は限られるとみられます。また、そもそもギリ シャの経済規模がEU全体の1%程度と小さいことから、そ の影響は限定的と予想します。 図表③ 各国の基礎的財政収支 (%) (期間:2010 年~2016 年、2014 年以降は IMF 予想値) 6 黒字 4 2 0 信用不安が周辺国に波及するリスクは限られる ‐2 2010年のようにギリシャの信用不安が周辺国に波及す ‐4 るかという点についても考えてみましょう。欧州債務危機の 際に信用不安に見舞われた各国では財政再建が進んでいます。 ‐6 さらに危機に陥った国を救済するためのセーフティーネット ‐8 が整備されたことで信用不安が波及するリスクは小さくなっ ているとみられます。欧州中央銀行(ECB)が3月9日から ‐10 毎月600億ユーロ(約8兆円)の量的金融緩和を開始したこ とも欧州債券市場の安定化に寄与するものと期待されます。 以上のことから、ギリシャ危機の解決には依然として時間 がかかるものの、この問題が欧州全体を揺るがすような危機 に発展する可能性は低いと予想します。 フランス ドイツ ギリシャ イタリア スペイン 赤字 2010 2011 2012 2013 2014 基礎的財政収支:利払い費等を除く財政収支 2015 2016 (年) 出所:IMF World Economic Outlook October 2014が 提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。 ※上記は、将来における各国の基礎的財政収支を示唆、保証す るものではありません。 《ご参考》欧州の主な金融セーフティーネットについて 目的 概要 欧州安定メカニズム (ESM) ユーロ圏諸国が財政危機に陥っ た際に金融支援を行う。 2012 年 10 月に欧州金融安定基 金(EFSF)を引き継ぐ形で設立 された常設機関。最大 7,000 億 ユーロの支援が可能。支援を受 けるためには財政改革などが求 められる。 国債買入れ (OMT) ユーロ圏諸国の国債を直接買い入 れることで金融市場の安定を促す。 2012 年 9 月に導入。ECBが短期国 債を中心に買入を行う。買入分は不 胎化※されるためECBの資金供給 量は増加しない。買入額の上限は 設けられていない。 緊急流動性支援 (ELA) 資金繰りが危うくなったユーロ圏 の銀行に支援を行う。 各国の中央銀行を通じて支援を 行う。実施の可否や、利用額の 上限はECBが判断する。 ※不胎化とは、ECBの国債買入れによって起こる資金供給量の増加を相殺する金融調節を行うこと。市場の資金量を一定に保つことを目的 とする。このためOMTは国債等の買入れによって資金供給量を増やす量的金融緩和とは異なる。 出所:各種報道等を基にみずほ投信投資顧問が作成。 ※上記は、将来における欧州の金融セーフティーネットを示唆、保証するものではありません。 《ご参考》欧州株式・不動産関連証券の推移 (円) 160 (期間:2013年12月31日~2015年3月13日) 200 欧州不動産関連証券 欧州株式 175 《ご参考》ユーロの推移 (期間:2013年12月31日~2015年3月13日) (米ドル) 1.40 1.35 155 ユーロ高 1.30 150 150 125 145 1.25 100 140 1.20 75 135 1.15 50 130 25 125 ※2013年12月31日を100とし指数化 0 13/12 14/3 14/6 14/9 14/12 (年/月) 120 13/12 ユーロ安 ユーロ/円(左軸) ユーロ/ドル(右軸) 14/3 14/6 14/9 出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。 ※上記は、将来における欧州株式、不動産関連証券およびユーロの推移を示唆、保証するものではありません。 欧州株式:FTSE Europe 指数(トータルリターン・ユーロベース) 欧州不動産関連証券:FTSE EPRA/NAREIT Developed Europe 指数(トータルリターン・ユーロベース) ※最終ページの「本資料のご利用にあたっての注意事項等」をご覧ください。 2/3 1.10 1.05 1.00 14/12 (年/月) [投資信託のお申込みに際しての一般的な留意事項] ● 投資信託に係るリスクについて 投資信託は、主として国内外の株式、公社債および不動産投資信託証券(リート)などの値動きのあ る証券等(外貨建資産に投資する場合には為替変動リスクもあります。)に投資しますので、ファン ドの基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元金は保証されているものではなく、 基準価額の下落により、損失を被り、投資元金を大きく割り込むことがあります。ファンドの運用に よる損益はすべて投資者の皆さまに帰属します。また、投資信託は預貯金と異なります。 投資信託は、個別の投資信託ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異 なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、お申込みの際は投資信託説明書(交付目論見 書)を必ずお読みください。 ● 投資信託に係る費用について みずほ投信投資顧問株式会社が運用する投資信託については、ご投資いただくお客さまに以下の費 用をご負担いただきます。 ■直接ご負担いただく費用 購入時手数料 :上限 3.78%(税抜 3.50%) 換金時手数料 :換金の価額の水準等により変動する場合があるため、あらかじめ上限 の料率等を示すことができません。 信託財産留保額 :上限 0.5% ■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用 運用管理費用(信託報酬)※ :上限 年 2.16%(税抜 2.00%) ※ 上記は基本的な料率の状況を示したものであり、成功報酬制を採用するファンドに ついては、成功報酬額の加算によってご負担いただく費用が上記の上限を超過する 場合があります。成功報酬額は基準価額の水準等により変動するため、あらかじめ 上限の額等を示すことができません。 ■その他の費用 上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目 論見書)等でご確認ください。 ● 投資信託は、預金商品、保険商品ではなく、預金保険、保険契約者保護機構の保護の対象ではありま せん。登録金融機関が取り扱う投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。投資信託の設定・ 運用は、投資信託委託会社が行います。 《ご注意》 上記に記載しているリスクや費用の項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。 費用の料率につきましては、みずほ投信投資顧問株式会社が運用するすべての公募投資信託のうち、 ご負担いただくそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。 投資信託をお申込みの際は、販売会社から投資信託説明書(交付目論見書)をあらかじめ、または 同時にお渡しいたしますので、必ずお受け取りになり、投資信託説明書(交付目論見書)の内容をよ くお読みいただきご確認のうえ、お客さまご自身が投資に関してご判断ください。 みずほ投信投資顧問株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 398 号 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 【本資料のご利用にあたっての注意事項等】 本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資 勧誘を目的に作成されたものではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成にあたり、当社は 情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記載 した当社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のものであり、今後予告なしに変更される ことがあります。また、本資料に記載した当社の見通し等は、将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。 FTSE®は、London Stock Exchange Group 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