Promotion & Campaign China por t Re 26 2015中国シルクロード観光年 人々を魅了する名勝の地 南昌周辺と江西省南部 江西省は総面積の約60%を森林が占め、美しい山河が多く緑あふれるところ。 なんしょう 省都の南昌は中国人民解放軍誕生の地であり、国家歴史文化都市に認定されている。 近年は南昌を中心に経済開発が進み、観光スポットを結ぶ交通網も整備されつつある。 文/皆方久美子 南昌へは日本からの直行便はないの で、上海や広州、北京からの乗り継ぎ 中国共産党のゆかり 便を利用する。上海、広州からは約1 南昌の歴史は古く、紀元前202年に 時間30分、北京からは約2時間10分の 漢の高祖の命により、南昌県が置かれ 所要時間。鉄道では市内に多くの駅が たことに始まる。翌年に現在の南昌駅 市の中心部にある広大な八一広場の あるが、旅行者が主に利用するのは南 付近に築城されて以来、南昌城は都市 南端には、八一南昌起義記念塔がそび 昌駅と南昌西駅である。南昌は主要路 の規模を拡大してきた。 え立つ。高さ45mの巨大な銃剣と紅軍 線や高速鉄道が交わる要衝であり、中 この町が広く知られるようになったの 旗のモニュメントで、南昌市のランド 国各地からのアクセスが可能だ。 は、中国共産党による武装蜂起事件か マークになっている。 江西省の北部、贛江下流に位置する ら。1927年8月1日、 周 恩 来らが指 導 人民解放軍揺藍の地とされる井岡山 南昌は、東北に中国最大の淡水湖であ する共産革命軍が反蒋介石の狼煙を上 にも革命の史跡が多くある。井岡山は る鄱陽湖を臨む平原地帯にある。市内 げ、国民党に対する反撃を開始したも 南昌から西南約315㎞、湖南省との境 には大小の湖が点在し、水辺に広がる ので、八一南昌起義といわれる。 にある景勝地で、険しい峰々や深い谷、 緑と湖面に映る都市の様子が江南地方 南昌は「英雄城」とたたえられるよう 原始林、竹林が織り成す景色が美しい らしい美しい風景を作る。 になり、8月1日は中国人民解放軍の誕 山。毛沢東が武装農民を率いて立てこ 亜熱帯気候に属し、春は雨が集中。 生と捉えられ、健軍節として盛大に祝 もった山であり、茨 坪エリアには井岡 夏は晴天が続くが、雷雨も多い。最高 われる。当時、総司令部が置かれてい 山革命博物館や毛沢東旧居などの革命 気温は40℃を超し、 「中国四大火炉」 た旧江西大旅社と隣に建つ八一南昌起 史跡が点在する。 の1つに数えられるほどの蒸し暑さで有 義紀念館陳列大楼などは八一南昌起義 南昌市街の西にある滕王閣は、江南 名。観光で訪れるには、さわやかで最 紀念館となり、 事件に関する資料を展示。 三大楼閣の筆頭に挙げられる名楼。贛 も美しい季節の秋がおすすめである。 中国共産党の歴史を解説している。 江に面してそびえる高さ57m、6層の楼 かんこう は よ う こ はちいちなんしょうきぎ 南昌市中心にある滕王閣 しへい とうおうかく 閣で、653年に唐の太宗の弟、滕王が 南昌に赴任したときに別荘として建て られた。最上階からは市内を一望でき、 多くの文人が楼上で詩を詠んだ。四季 折々の風景が楽しめるが、 「滕王秋風」 といわれるほど秋の風情がおすすめ。 現在の楼閣は1989年に再建されたもの で、正面に掲げられた「滕王閣」の篇 そ ぶ 額は、宋代の詩人蘇 軾の筆をもとに作 られたものである。 道教の聖地である龍虎山にはいくつもの景観区がある 32 TRAVEL JOURNAL 2015.7.13 南昌市内では、地下鉄1号線と2号線 宋代の城壁で囲まれた贛州 中国革命の聖地である井岡山 八大山人梅湖景区にはいくつもの庭園や竹林、梅林などがある 清代の芸術家、八大山人 仙女湖は穴場の景勝地 が建設中。15年末の開業を目指して工 廬渓河川下りや、切り立った岩山の頂 を同じくする一族が厳密な規則をもっ 事が進んでいる。 に建つ仙人城の境内からの眺望など、 て宗族文化を支えてきた。先祖を祀る 南昌市郊外には、湖水景観スポット さまざまな景色を楽しめる。 祭りや文化的イベントは現在も受け継 の八大山人梅湖景区がある。園内には 龍虎山の名所のひとつが、古代の懸棺 がれ、中国の古村落の中でも希有な村 清代初期の画家、書家、詩人である 遺跡群。約2600年前にこの地方に住ん である。村には名士の肉筆を含む各種 八 大山人の記念館があり、書画約200 でいた越 族系民族のものといわれ、断 の木製の扁額や書画が500以上残り、 点が展示されている。 崖絶壁の岩肌に開いた無数の洞窟に木 豊富な文物資源も多い。 はちだいさんじん けんかん えつ 製の棺桶が納められている。崖墓とも 世界遺産の龍虎山 いわれる古い埋葬方法で、中国南部一 龍虎山は南昌から約140㎞、江西省 ようたん 東部の鷹潭市にある風景名勝区。赤い たんか 砂礫岩が多いカルスト地形の丹 霞の景 じょうじょう 帯から太平洋にかけて見られるという。 江西省南部、贛江上流に位置する かんしゅう 贛 州も訪れたいところのひとつ。四周 を山に囲まれ、三面を河水に臨む風光 明媚な町である。貢水と章水の2本の 町歩きもおすすめ 川に挟まれた半島状の町で、川は岬の 観で知られ、上 饒市の亀峰とともに世 江西省には多くの風景名勝地がある 先で合流して贛江となる。その地形か 界遺産に登録されている。 が、日本人には馴染みのない観光スポ ら「小重慶」の呼び名もある。 中国道教発祥の地とされ、山内には ッ ト が 数 多 い。 南 昌 か ら 約150 ㎞、 古くから江西南部の政治、 経済、 文化、 壮大な道教寺院群が建ち並んでいる。 新 余市にある仙女湖もそのひとつ。底 交通の中心として栄えてきたが、町の 前漢の中ごろ、創始者の張陵が修行を まで見えるほど澄んだ水をたたえる湖と 始まりは漢代にさかのぼり、2100年以 積んでいると、突然、龍と虎が現れた。 島、山岳の絶景が広がる。江西省南部 上の歴史を誇っている。 そこで龍虎山と名付け、道教を開いた を巡る途中で立ち寄りたい景勝地だ。 贛州はまた宋城博物館とも称される。 とされる。 『水滸伝』の張天師が井戸に 江西省中部に位置する流 坑村は「千 東門から西門に至る3.6㎞にわたって残 閉じ込めた妖魔を、洪大尉が誤って逃 古第一村」と賛美される古村落。五代 る城壁は、半島状に突き出た川沿いに がしてしまう舞台もこの山である。 の937 ~ 943年に成立した村で、千年 続き、宋代に築かれた当時の雰囲気を 廬渓河の流れに沿って迫る両岸の の歴史を誇る。村内には明・清代の建 残している。城壁の上には風格ある八 山々は、一方の龍山はうねうねと続き、 築物が260以上あり、そのうちの明代 境台や郁孤台が建つ。市内にも文廟や 一方の虎山は激しく隆起して飛びかか 建築遺跡19カ所が完全な形で保存され 慈雲寺塔などの古建築が多いので、町 る虎のようである。桂林を思わせる岩 ている。楼閣や牌坊、祖廟、橋梁など 歩きを楽しむのがおすすめである。 山がそびえ立つ美しい風景は、訪れる が見ものだ。 人々を魅了してやまない。観光筏での 大多数の村民が薫姓を名乗り、祖先 しんよ るこう ゆうこだい 問い合わせ:江西省中国国際旅行社 E-mail:[email protected] TRAVEL JOURNAL 2015.7.13 33
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