「戦後 70 年を迎えるにあたって」 平和に向けた特別決議 「平和」は、私

「戦後 70 年を迎えるにあたって」
平和に向けた特別決議
「平和」は、私たちが安心して働き、暮らすためのすべての礎である。
連合は基本目標のひとつに、主権在民、基本的人権、恒久平和を基調とする日本
国憲法の理念に沿った自由、平等、公正で平和な社会を実現することを掲げ、結成
以来四半世紀に亘り、国民とともに平和運動を進めてきた。
特に悲痛な経験と平和への祈りを、世代を越えて組織内外へ発信し続けている、
沖縄、広島、長崎、根室の平和 4 行動は、今や地域を代表する平和運動の中核とな
っている。
この間、平和を巡る世界情勢は、連合結成直後の東西冷戦構造終焉後、中国やイ
ンドなど新興国が台頭する一方、民族、宗教、地域をめぐる対立やテロの発生など
大きく変化し、地球規模での不安定化は深刻さを増している。
こうした中にあって、現政権である安倍政権は、国民的合意形成や立憲主義の原
則を軽視し、国民の懸念にこたえないまま安全保障法制を推し進めようとしてい
る。
戦後 70 年、私たちが今一度、真正面から向き合うべきは、日本が他の国々、とり
わけアジア諸国の人々に与えた苦痛と悲しみ、そして、多くの日本国民が戦場に散
り戦禍に倒れた事実であり、敗戦の経験と共に残された多くの教えである。
また、危険と隣り合わせの米軍基地とともに暮らしている人々、原爆の後遺症に
苦しみ、いわれのない差別にさらされてきた人々、生まれ育った島を追われ、ふる
さとに戻れない人々、そして、今もなお戦争の爪痕に苦しむ人々がいることも決し
て忘れてはならない。
私たちには、戦禍をくぐり抜け過酷な体験にさらされた人々と今同じ時代に生き
るものとして、戦争の悲惨さと平和の尊さを次世代にしっかりと継承していく責務
がある。それぞれの地域で語り継がれてきた戦争の歴史を将来の世代につなげてい
く責務がある。
今なお抱える困難や課題を、他人事ではなく自らの事として考えるとともに、痛
みを分かち合う心と感性、平和を希求する願いを全ての働く仲間と共有していこ
う。
連合はこれからも、平和への願いを全ての仲間と共有し、平和 4 行動にしっかり
と取り組んでいくとともに、「人間の安全保障」、すなわち貧困撲滅、人権確立な
ど徹底して社会正義を追求し、平和への脅威に徹底して対峙していく。
二度と戦争を起こしてはならない。全世界で憎しみの連鎖を断ち切らねばならな
い。
連合は、ここに世界の働く者の連帯、地球規模での“絆づくり”を誓い、決議す
る。
2015 年 6 月 3 日
第 70 回中央委員会