品質カイゼン室の 花、だけじゃないよ!そこが知りたい。 トウガラシ編!! 秋の気配が漂い始めますが、まだまだ残暑厳しい時期です。世間は辛いもののブーム!夏バテ解消にもっ てこいっ! 前置きが長くなりましたが、花き市場でもしっかり取り扱っている品目でもあります。食用のみならず薬用とし て昔から栽培されてきたこの品目を、多分に食用メインですが花きの側面からもアピールしていきたいと思いま す。 トウガラシアラカルト とうがらしについて。 ☆トウガラシって、 学名:Capsicum annuum ※日本の栽培種のほとんどはコレ!! ナス科トウガラシ属の実。 シシトウ・ピーマン・パプリカ等も含ます。 ☆原産地は? 中南米といわれています。メキシコとの 見方が有力のようです。 トウガラシ生産スケジュール(国内の一例) 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 播種 施肥 収穫 ※高冷地・暖地など一括に示す為、かなりアバウトな時期設定となっています。 トウガラシは中南米の熱帯地方が原産地です。ゆえに高温に強く低温に弱いという特徴がある為、播種も気 温が上昇する春以降がベスト。収穫までの4~5ヶ月での管理や施肥次第で収穫に差が出ます。水はけの良い 土壌も実りある収穫の重要なファクターです。プランター等で手軽に生産できますので試みられては如何! ちなみに唐辛子の唐とは? 唐は、一般的に古代中国の王朝(西暦 618-690・ 705-907)を指します。遣唐使で日本と非常に馴染の 深い国です。中国原産? しかし、先に中南米原産と 述べている為大きな矛盾が生じます。 この場合の「唐」は、広義で外来の・舶来の、という 解釈で使われています。 Q:辛いとは?具体的な表現方法ってあるの? A:辛さとは人間の痛覚に作用、つまり痛みによるものです。 辛さの程度を表現する方法としてスコヴィル値と呼ばれるもの があります。辛味を具現化させるカプサイシンを砂糖水で希釈 した場合の量、つまり辛さを感じなくなる倍率で辛さの度合いを 示すものです。 但し感覚によって変化するものなのであくまでも参考・目安 としてみると良いかもしれません。 辛さの強豪・・・ ハバネロ・ハラペーニョ等、日本でも馴染みのトウガラシ達。 しかし、世界にはコレを上回る辛さを誇る辛子が存在する。 上記のスコヴィル値でハバネロは一番辛いものでも 50 万未満、 ところがブート・ジョロキアで 100 万前後。更に、 トリニダート・モルガ・スコーピオンに至って 150 万 前後の数値。これらを凌ぐのがキャロライナ・リーパー の 300 万。コレはもはや生体兵器の域。 トウガラシの辛さ 辛味は先述のカプサイシンにより触発されます。辛さの成分は何 となく全体から感じられますが実際は胎座と呼ばれる部分に多く含 まれています。 この部分が胎座 カプサイシン・・・アルカロイド(塩基性の植物成分)の一種。 赤い果肉は見た目非常に辛そうですが、上記の胎座に比べると カプサイシンの含有量は少ないようです。 良く見かけますが食べてすぐより、一呼吸おいてからリアクション が出るのが多い訳は、辛さを司る部位が内側だったからといえる でしょう。 辛さに特化した話題が続きましたが先に出たとおり、ピーマン・パプリカ・シシトウは仲間なれどカプサイシンを 含有しない甘唐辛子の範疇なります。刺激のみならず苦味と甘味にも通じ色まで楽しめる奥深い品目といえま しょう。 さて、肝心の花き市場の話がおざなりになりましたが、どういった入荷状況となっているのでしょうか? 花き市場のトウガラシ。 我々の花き市場でも花すなわち観賞用としてトウガラシを見ることが出来ます。入荷分の幾つかを見てみまし た。 ある日の鉢物市 カメラマンのセンスが悪いのはご愛嬌という事でっ! 鉢物は関東中心に花鉢や苗物生産者の方々からご出荷頂いております。夏場の、出荷量・品目数の少ない 時期に五色トウガラシ・鷹の爪等の様々な名称で出荷されています。ポットや小鉢中心に、カラフルな色合いと 容姿で見る人の目を楽しませてくれます。 切花市のカラシとその仲間達 切花ではトウガラシとナス科の仲間が様々な姿で出荷されています。 トウガラシというくくりで見ると、ブラックパール・カッパーコニック・フリーズドルフ・コニカル・鷹の爪又、ナス科 では名のとおり花ナス等、意外に多くのカラシ達が活躍しています。入荷分から幾つか画像を見てみたいと思い ます。 残念ながら、フリーズドルフやカッパーコニックといった大振りの品種の撮影が出来ませんでした。 但し今後も入荷予定がありますので、今回ご案内できなかった品種とも出会えると思います。 以上、観賞用トウガラシを見てきました。見た目小粒の物から枝振りのよい物まで、選り取り見取りとまでは いきませんが流通しています。園芸品(鉢物)は出荷スケジュールに準じて夏場中心、切花は夏場から秋口まで と若干の相違はあるものの今がまさに旬! シーズンも残りわずかですが観賞用トウガラシを是非お試しください。 (株)大田花き 品質カイゼン室
© Copyright 2025 ExpyDoc