授業科目名 観光地理学(06∼03) 【観光地理学】(02∼99) 単位 配当年次 2 2 クラス・コース 期別 担当者 後期 横山 秀司 講義概要 1960年代以降、ヨーロッパではマス・ツーリズムが普及して、地中海やアルプスのリゾートは観光開発が 進んだ一方で、環境や景観の悪化が表面化した。80年代に入ると環境に優しい観光を志向する動きが現れ、 ソフト・ツーリズム、グリーン・ツーリズム、持続可能な観光、エコツーリズムなどの観光スタイルが定着 するようになった。わが国では60年代から90年代まで観光開発が各地で進行したが、それは環境や生態系、 あるいは景観に配慮を欠いたものであった。2005年にようやく景観緑三法が施行し、美しい日本を取り戻 す動きが始まった。本講義では、ヨーロッパとわが国の事例をもとに、観光・保養地の環境・景観問題に関 して理解し、環境に優しい持続可能な観光のあり方について考察する。 講義計画 回 数 テ ー マ 内 容 第1回 導入 第2回 ヨーロッパの観光と環境Ⅰ 第3回 ヨーロッパの観光と環境Ⅱ 第4回 ヨーロッパの観光と環境Ⅲ 第5回 日本の観光開発と環境Ⅰ 戦後∼高度経済成長期の観光開発と環境問題について理解する。 第6回 日本の観光開発と環境Ⅱ 低成長期∼バブル経済成長期の観光開発と環境問題について理 解する。 第7回 日本の観光開発と環境Ⅲ バブル経済以後の観光開発と環境問題について理解する。 第8回 日本型グリーン・ツーリズムの検 討 第9回 観光地景観論 第10回 景観活用と観光振興 ヨーロッパにおける保養地形成 Ⅰ ヨーロッパにおける保養地形成 Ⅱ 戦後の農村観光から90年代以降のグリーン・ツーリズムの歩みを 概観し、ヨーロッパのグリーン・ツーリズムと比較検討する。 日本の観光地景観の評価。辻村太郎の観光地景観論を基に考察 する。 自然景観と人文景観を生かした観光地の形成を、実例を見なが ら理解する。 ドイツの農村・田園地域における農村再生と保養地形成のありか たを理解する。 アルプス地方における環境に優しい保養地形成のあり方を理解す る。 まとめ 日本の観光地における環境と景観保全のあり方を考察する。 第11回 第12回 第13回 観光地の環境と景観について。 マス・ツーリズムの発達によってあらわれた環境景観問題を理解 する。 1980年代からあらわれた環境に優しい観光としてのソフト・ツー リズムについて理解する。 ルーラル・ツーリズムとグリーン・ツーリズムの相違について理解 する。 学習・教育目標 ヨーロッパと日本の観光・保養地のあり方を環境と景観の観点から比較検討することによ って、理想的な日本の観光地のあり方を理解させたい。 評価基準 定期試験の成績により評価する 評価方法 定期試験の成績により評価する 受講上の注意 出席数が不足の場合には定期試験を受けられない事がある 関連する科目 観光と地理、観光学基礎論 教科書 指定図書 古今書院 『観光のための環境景観学』 『 観 光 学 / 基 本 と実 践 』 横山秀司 古今書院 溝尾良隆 参考文献
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