教育研究所だより 活動の啓発ニュース №58 平成26年(2014年)10月14日 明 石 市 教 育 研 究 所 研修講座・研究グループ実施報告14 第2回 研究グループ「『アセス』研究会」 【8月27日開催】 「学校適応感(アセス)」を活用した教育活動の推進 ~ 的 確 な 児 童 生 徒 理 解 と 適 切 な 指 導 ・ 支 援 の た め に ~ 講師:広島市立高陽中学校教頭 中司 博之 先生 なおそうとするな、わかろうとせよ! ◎生徒指導は、児童生徒理解にはじまって児童生徒理解に終わる。 ☆的確な理解をすることが良質な生徒指導(教育活動)につながる☆ 多面的な多くの「情報」をもとに、3つの理解を組み合わせて、的確な児童生徒理解を図ろうとする(分かろうと する)スタンスが何より大切です。 「理解」とはボタンと同じで、最初のボタン(理解)を掛け違えるとその児童 生徒のニーズと教師の指導・支援にずれが生まれ、不適切な指導支援につながってしまいます。 3つの理解 ① 主観的理解 自分の経験則や価値観を基に「情報」を処理・判断することですが、経験則 や価値観に裏打ちされた主観的理解だけでは、「理解したつもり」「自分に都 合のいい理解」という落とし穴にはまってしまうことがあります。 ② 共感的理解 難しさと大切さ ③ 客観的理解の必要性 (データ等の活用) ◎良質な生徒指導・教育活動はアセスメントに始まってアセスメントに終わる。 ☆組織的なアセスメントが、的確な児童生徒理解につながり、適切な生徒指導(教育活動)を 推進することができる☆ 見立てともいわれ、解決すべき問題や課題のある事例の家族や地域、関係者などの情報から、なぜその ような状態に至ったのか、児童生徒の示す行動の背景や要因を情報を収集して系統的に分析し明らかに しようとするものである。アセスメントを行うにあたっては、校内で組織的対応を行うことが重要である。 アセスメントとは「診断・査定・評価・理解」 ( (生徒指導提要より) ○児童生徒の状況や、必要としている支援などについて情報収集を行い、それを的確に見極め判断し見立てを行う(多面的な情報収集)。 ○組織として、児童生徒に係る「情報・理解・方針・役割(チーム支援)」を共有する。 ○子ども個人だけでなく、子どもを取り巻く環境(人間環境など)またその環境と子どものとの関係(子どもがその環境をどうとらえているのかなど)についてアセスメ ントを行う。「環境の中の子ども(人間)」という視点を大切にする。 ○「環境の中の援助資源を探す(アセスメントする)」という発想を大切にする。 ○何のために(成長を支援) ○何を?(ニーズ・環境・活用資源) 児童生徒の「満足感(適応感)・困り感(不適応感)を把握(理解)し、成 長発達を実際に支援し、「児童生徒がもっと楽しい学校生活をおくること ができる」ようにする 児童生徒の多面的な適応感(度)、ニーズ(願い)、環境としての学級集 団の状態や雰囲気、支援するために活用できる資源(強み・よさ・持ち 味)など アセスメント ○どうやって(様々な多面的な情報を組み合わせて) ○ポイントは(原因追及ではなく、解決志向で) 観察による情報+面接による情報+心理検査等(アセス)のデータ を組み合わせて 本人、保護者のニーズ(願い)を把握し、内的資源(本人の持っている強さ・よさ・持ち味な ど)・外的資源(周囲の支える人・場・物など)を見つけ、積極的に活用する。 ○最終ゴールは?(組織的なアセスメントと支援) 複数の教職員で、情報・理解・支援方針・支援の役割を共有し、 チーム(組織で)支援できるようにすること この後、「学校環境適応感尺度(アセス)」の概要として、『適応 感』『アセスの因子』『因子間の相関関係』『支援(サポート)のポ イント』について詳しくご指導いただきました。 (報告者)児童生徒支援課 指導主事 横田 直季 先生
© Copyright 2024 ExpyDoc