「ビッグデータ」が結ぶ “愛顔(えがお)”(愛媛)(PDF形式:227KB)

「ビッグデータ」が結ぶ“愛顔(えがお)”
平成27年9月
~婚活事業にシステムを導入し、成果を上げるえひめ結婚支援センターの本気度~
松山財務事務所
一社)愛媛県法人会連合会が運営する「えひめ結婚支援センター」では、過去の婚活事業で蓄積したデータを活用した新たな出会いシス
テムがカップリングに効果を上げている。また、企業との連携や「世話焼き」ボランティアの活躍もあって、着実に「成婚」の実績を上げている。
3.婚活事業の課題からの脱却
1.事業内容
○出会いの場の提供
ホテルやレストランなど出会いの場を提供する応援企業(197社)、企業内
の独身者を案内する協賛企業(721社)を募り、結婚支援イベント(婚活パ
ーティ等)を開催。経済団体が県から委託を受け取り組むのは全国初。
○お見合い事業
システムを利用した1:1のお見合い事業(愛結び)。引合わせにビッグデ
ータの分析を活用。成立して以降は無償ボランティア(213人)が「世話焼
き」を行いフォロー。
2.ビッグデータの活用
○蓄積された約200万件のデータから婚活者の行動・嗜好パターンを
分析。システムのマイページにて新たな出会いへと誘導。
【失敗要因】
同類のイベントに
偏って参加してい
る傾向にある
【失敗要因】
同様の条件の相
手を求め続ける
傾向にある
ビッグ
データ
異なるイベントごとに新しく出会える
確率を「出会い予報」として提示。新
たなイベントへ誘導。
ビッグ
データ
①自分と同じ異性を選んだ同性群
が選んだ異性群を抽出。
②自分を含む同じタイプの同性群
を選んだ異性群を抽出。
⇒マッチングさせ、実は好み好まれ
ているかもしれない相手を紹介。
【ビッグデータからのおすすめ】
「あなた(Aさん)が選んだ異性(Bさん)
を選んだ人たちは、こんな人(Cさん)
も選び、その異性からも好まれています。」
Aさんのグループを
好む女性達
Aさんのグループが
選んだ女性達
Bさん
Cさん
※AさんはBさんが好み。CさんはAさんの
直接の好みではないが、Aさんを選んだ
女性と好みが似ている所がある。
モテないのではなく、これまでは可能性の
少ないグループを選んでいたのかも・・・
Cさんのグループを
好む男性達
Aさん
Cさんのグループが
選んだ男性達
大量の資料を基に相手紹介
を行うため時間がかかる・・・
脱
紙ベース
婚活データをシステムに蓄
積(ビッグデータ)。利用者の
情報検索・ボランティア同
士の情報交換の容易化。
真に効果的な相手紹介が
できているか疑問・・・
脱
一発限りの支援が多く、継続
的な支援になっているか疑問・・・
脱
アンケート型
登録者の行動パターンに
よって分析。同様の動きが
見られるグループを抽出し、
相手紹介につなげる。
一過性支援
イベントの対象年齢、開催
地等を計画的に策定。ボラ
ンティア、自治体、協賛企
業と連携し継続的支援。
4.活動の成果
○ビッグデータ導入で、 お見合い実現確率が上昇中。
○応援企業、協賛企業の賛同で年間240件以上のイベン
トを開催。どれも募集打切りとなる人気ぶり。
○平成20年の開設以降、8268組のカップル成立。500組
の成婚が報告されている。⇒背景にはボランティアによる
人間味ある仲立ちや助言・相談が奏功しているもの。
5.今後の展望と課題
5.
今後の展望
○成婚に効果的であったボランティアの
好フォロー事例を充実させる。
○自治体との連携事業を拡大し、県単位で
情報共有・支援体制の構築を。
○システムを全国展開し、婚活情報を全国
的共有へと発展させる。
○高齢者の婚活にも対応し、一人暮らしの
解消、支え合う社会を実現。
○「次の次の世代につながる少子化対策」
として若年者向け啓発事業を強化。
センターが抱える課題
○過疎・離島などの地域では、婚活事
業への期待感が薄く、参加が少ない。
⇒農業、島暮らしなどは都会女性に人
気。地元男性の啓発活動から始める必
要がある。
○成婚に至るにはボランティア(無償)
の寄り添い、助言が不可欠であるが、
人材育成・研修のための予算がない。
⇒国の助成に期待。
財務事務所では、今後もセンターの活動、成果を注視していくなかで、連携
を深め、国の少子化対策などに対する意見要望などを把握していく。