辛さが体に及ぼす影響 ~脈拍と体温と血圧の関係~ 3 年A組36番 宮下

辛さが体に及ぼす影響
~脈拍と体温と血圧の関係~
3 年A組36番
宮下
すみれ
目次
1.検証の動機
2.仮説
3.検証方法
4.検証結果
5.考察
6.感想
7.参考文献
I like eating and I’m interested in eating. When we eat something, we have some change in our
body. I feel hot when I eat , and this helps me in winter. What is the cause? Is it the hotness of
making curry or the one from spicy of a curry? I want to prove that spicy heat up our body.
1.検証の動機
冬にカレーを食べて熱くなり、汗をかいたことがある。
「辛いものを食べると体が熱くなる」とよく言
うが、辛いものが材料として使われている料理は一般的に炒めたり煮込んだりして熱を通しているため、
料理そのものの温度が高い。そこで、辛さのみによる体の状態の変化を調べるためこの研究を進めてい
こうと考えた。
2.仮説 体が熱く感じていることから体温は上がると考えられる。また、血圧や脈拍も刺激によって
上がるであろう。
3.検証方法 オブラートに七味唐辛子を包んで飲み込み、そこから一時間以内の脈拍と血圧と体温の
変化を測定する。
準備物:七味唐辛子(約 0.1 7g)※料理に3回振って入れる程度
スプーン・はかり・非接触型赤外線温度計(普通の体温計では時間がかかるため)
血圧計(脈拍も計れるもの)・オブラート・タイマー・常温の水・記録用紙
被験者(対象):15才 女子 7名
方法:①リラックスした状態で体温、血圧、脈拍を測る。
※非接触型赤外線温度計を使用したため口の中の体温を計った
②オブラートに七味唐辛子を約 0.1 7g包み、水と一緒に飲み込む
③飲み込んでから60分以内で10分ごとに体温、血圧、脈拍を測る
※血圧は正確に計測できない場合があったため、数分の誤差がある
また、血圧を測るには4~5回測定することが好ましいが時間と台数と人数の都合上、
1回のみにした
4.検証結果
以下に7人の被験者の測定データをグラフ化したものを示す。実験前を0とし、そこからどのくらい
の差が出たかを表している。なお、平均は少数第二位を四捨五入したものである。
①経過時間と脈拍の関係(表1)
30
20
Aさん
脈拍
10
Bさん
0
Cさん
Dさん
-10
Eさん
-20
Fさん
Gさん
-30
平均
-40
-50
0
10
20
30
時間
40
50
60
平均のグラフを見ると 60 分後ほぼ元の状態に戻ったことがわかる。いずれの被験者のデータを見ても
大きな差が出て、全体的に安定していない。しかし、食べてから 10 分後は変化していないことは平均を
見てわかる。
②経過時間と体温の関係(表2)
2.5
2
お腹周りが暑い
1.5
Aさん
暑さがひいた
Bさん
0.5
Cさん
0
Dさん
-0.5
Eさん
-1
Fさん
体温
1
-1.5
Gさん
熱い
平均
-2
-2.5
-3
体が温かくなってきた
0
10
20
30
時間
40
50
60
平均をとるとだんだん体温は下がっていることがわかる。しかし、これは少数第一位も含んでいるた
め、大きく下がったわけではない。平均を見ると食べた直後は少し上昇するが、40分後には元の状態
に戻りそのまま下がり続けている。
③経過時間と最低血圧(表3)
120
100
Aさん
最低血圧
80
Bさん
60
Cさん
Dさん
40
Eさん
20
Fさん
Gさん
0
平均
-20
-40
0
10
20
30
40
50
60
時間
平均を見ると実験前と有意差はないが、徐々に上昇していることが見てとれる。G さん以外は実験前
の最低血圧から上下20の差があることがわかる。
※G さんの20分後の99上昇したというのは明らかにおかしいと判断し、20分後の記録は A~F さ
んの6人の平均とする。
④経過時間と最高血圧(表4)
100
80
Aさん
Bさん
60
最高血圧
Cさん
40
Dさん
Eさん
20
Fさん
0
Gさん
平均
-20
-40
時間
平均を見ると実験前より下がらなかったことがわかる。20分後に上昇したものの30分後には元の状
態にもどっていることもわかる。
5.考察
結果からわかることを以下のようにまとめてみた。
脈拍
平均をみると20分後に下がり、60分後に元の状態に戻っている。
個人のデータには各自ばらつきがあった。
体温
平均をみると10分後に少し上昇し40分後に元の状態に戻ったがそのまま下がり続け
た。熱いと感じた時間に体温は下がっていた。
最低血圧
平均をとると全体を見て安定していることがわかった。G さんを除いた6人は実験前か
らの差は全体を通して見ても上下20の範囲であった。
最高血圧
平均をみると20分後に大きく変化している。30分後には元の状態に戻りその後安定
した。
実験結果にかなり個人差がでた。従って、主に平均のデータを使って考察していきたい。
まずは脈拍について。安定していないということは、変化があったということだと考えられる。どの
ように変化するかは、より多くのデータをとらないとわからない。しかし、体内に刺激が与えられて脈
拍が不安定になったと考えられる。
次に体温について。体温は上昇するという仮説を立てたが、そのような結果にはならなかった。しか
し、半数の被験者が「熱い」や「汗をかいてきた」という言葉を発した。このことから辛いものを食べ
ると熱く感じる・汗をかくということが証明できた。しかし、熱く感じるが実際には体温が下がってい
る。では、なぜ体温は下がったのだろうか。それは、人間にとっての汗の役割を考えれば納得ができる。
体温の結果のグラフを見てわかるように、体が熱く感じて体温が上昇し、汗をかく。その汗が蒸発する
ことによって体温を奪い、それが一時的に体温を下げる原因なのである。もし、汗をかかず体温が下が
らなかったら永遠に体温が上がるだろう。よって、この気化熱というものは人間の体温調節にとって重
要な役割を果たしているといえるであろう。
最低血圧について。変化をしても上下20の間であった。血圧については、常に変動しており、わず
かな緊張でも変化がみられることを考慮すると、平均が比較的安定していることから、辛いものを食べ
てもあまり最低血圧に変化はあらわれないことがわかった。
同様に最高血圧について。食べた直後にあがるがすぐに元に戻るので、これについてもあまり関係は
ないと判断した。よって血圧は辛いものを食べても変化がでにくいと考える。
まとめとして、辛いものを食べた後は、体感的には身体にさまざまな影響が出ているように感じる。
しかし、データとして有意差の見られたものは脈拍と体温だけであった。体温の変化と体に生じた変化、
つまり、汗をかく反応は、私達の体を一定の状態に保つために、無意識のうちに行われていることを確
認することが出来た。
6.感想
血圧計が1台しか準備できなかったため、体温を瞬間的に測ったが、人数分の血圧計と体温計を用意
すればもっと正確なデータを得られただろう。また血圧も1度しか測っていないため、ありえないデー
タが出たりもした。瞬間的に血圧を測れるものがあればいいと思った。
全体を通して個人差が激しい結果となったので平均で考えたが、これはあくまで7人のデータなので
もっと人数を増やして実験を行いたかった。
今後研究する機会があれば血圧計の台数とそれに伴って人数を増やし、男女差や年齢差についても調
べたい。
やはり中学生一人で確実で正確なデータを得るのは難しいと思った。しかし、それは大学生になって
も同じことが言えるであろう。研究は多くの人の支えと助けがあってこそ成功するということを今回の
研究で学んだ。この研究を今後の学習、発表、また、大学での卒業研究に生かしていきたい。
7.参考文献
http://matome.naver.jp/odai/2139468015854030001
http://matome.naver.jp/odai/2137922824929246201