28P-pm404

28P-pm404
3 -オキサゾリンを経るアルデヒドからのオキサゾール合成
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◯村井 健一 1 ,
高原 勇介 1 ,
藤岡 弘道(
阪大院薬)
【目的】オキサゾールは様々な生物活性化合物中に見られる重要な複素環である。
これまでに、我々はワンポット縮合−酸化反応により、アルデヒドと1,2−ジ
アミンからイミダゾリンを得る実用的な反応を開発している。1) 今回、本法の展
開としてアルデヒドを原料とするオキサゾール合成法の開発を目指した。
【結果】天然物中に見られるオキサゾールはセリン等のアミノ酸由来であるため、
4位にエステル基などの置換基を有するものが多い。そこで、アルデヒドとセリ
ンメチルエステルのワンポット縮合−酸化反応について検討した。興味深いこと
に、一般的な2−オキサゾリンは得られず、3−オキサゾリンが生成することが
分かった。これまでに、3−オキサゾリンからオキサゾールへの変換はほとんど
知られていないが、酸化条件を見出し、アルデヒドから2工程でオキサゾールを
得ることに成功した。本法は、従来より汎用されているカルボン酸等を原料とす
る手法に比べて短工程の合成である。アルデヒドを原料とする手法はほとんど報
告されておらず、本法はオキサゾール誘導体合成における選択肢を広げるもので
ある。
1) Tetrahedron Lett. 2005, 46, 2197.; Tetrahedron 2007, 63, 638.