30N-am09 リアノジンの不斉合成研究 1 1 東大院薬) ◯田渕 俊樹 1 ,占部 大介 1 ,井上 将行( 【目的】細胞内カルシウムイオン濃度を調節するリアノジン (1)1)は高度に官能基が密集した 5 環性縮環骨格を有する。当研 究室ではラセミ体 1 の全合成研究を行っており、これまでに 1 に存在する 7 連続四置換炭素の構築に成功している 2)。今回、 開発した合成経路を基盤とした 1 の不斉全合成を目指し研究 に着手した。 【方法・結果】既知化合物より 6 工程にて合成したキラルジエン 2 を TBSOTf 存 在下、アクロレインとの Diels-Alder 反応に付すことで 2 つの四置換炭素を有する ビシクロ[3.2.2]ノネン 3 を位置・立体選択的に得た。環拡大反応を含む 7 工程を経 て、3 をビシクロ[3.3.2]デセン 4 へと変換した。4 より酸素官能基の導入と、当研 究室で開発した渡環型アルドール反応を経て 4 つの連続する四置換炭素を含むリ アノジン AB 環部 5 を合成した。現在 5 からの DE 環構築を検討している。 【参考文献】 1) Wiesner, K.; Valenta, Z.; Findlay, J. A. Tetrahedron Lett. 1967, 41, 221. 2) 長友優典, 萩原幸司, 田渕俊樹, 占部大介, 井上将行, 第 52 回天然物化学討論会, 23, 静岡, 平成 22 年 9 月
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