論文試験( 869KB)

(出典) Pamela C. Champe, Ph.D. and Richard A. Harvey, Ph.D.,
Lippincott's Illustrated Reviews : Biochemistry 2nd edition,
Copyright (c) 1987,1994, by J.B. Lippincott Company, 1994
(出典) Nobel Lecture: CROSS-COUPLING REACTIONS OF ORGANOBORANES:
AN EASY WAY FOR C-C BONDING by Akira Suzuki, December 8, 2010 (c)
The Nobel Foundation 2010
(出典) Reprinted from Tetrahedron Letters, Volume 20, Issue 36, 1979, Norio Miyaura, Kinji Yamada, Akira Suzuki,
Tetrahedron Letters : A new stereospecific cross-coupling by the palladium-catalyzed reaction of 1alkenylboranes with 1-alkenyl or 1-alkynyl halides, 3437-3440., (c)1979 with permission from Elsevier.
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0040403901954292
問題
II
次の酵素反応に関する英文(的,(b)を読んで、 問1~6に答えよ。解答はそれぞれ所
定の解答欄に記入せよ。
(a)
-7-
-8-
-9-
一
Ignacio Tinoco, Kenneth Sauer, James C. Wang, Joseph Puglisi, Physical Chemislly (4th ed.), pp.
406-480, Prentice-Hall, Inc. (2002); Irwin H. Segel, Biochemical Ca/culαlions (2nd ed.), pp.
214-216, John Wiley & Sons (1975)から抜粋、 一部改変
(I) substrate:基質(反応の原料物質)
(2) initial rate:初速度
(3) rate constant :速度定数
(4) steady-state :定常状態。酵素反応においては、反応中間体の生成速度と分解速度が等し
い状態。
ー
(5) prot回目,プロテア ゼ (タンパク質加水分解酵素)
- 10 -
問l
一
般には、酵素反応も含め、すべての化学反応は可逆約に進行する。 ところが、
eq 12の導出にあたり、 酵素一基質複合体から生成物が生じる反応は不可逆的に
進行すると仮定している。 このような仮定が成立する条件を述べよ。
問2 ?#.欄(A)に当てはまる数式を示せ。
問3酵素濃度が 一 定である場合、
「 基質濃度が十分低い時には、 反応の初期速度は基
質濃度に比例する」あるいは 「 基質濃度が高い時には、 反応の初期速度はある
一定値に収束する」との観測結果が得られている。 この結果を、 ミカエリス ー メ
ンテン式(Michaelis-Menten equation) (eq 12)を用いて説明せよ。
間4本文は、 基質1分子から生成物1分子が生じる酵素反応について記述したもの
である。 プロテア ー ゼが触媒する反応は、 タンパク質と水の2分子が反応基質
として関与する反応であるにもかかわらず、 その反応様式は多くの場合ミカエ
リス ー メンテン式で記述できることが知られている。 それはなぜか理由を述べよ。
-11-
(b)
-12-
qυ
-1 -
問 5 下線部①に関して、 トロンピン(thrombin)が Receptor A に作用して、 効果的な
‘
シグ ナノレ伝達を行う模式図として以下のA ~ Dのうちどれが最も適切か。 正し
いものをlつ選んで解答欄に記すとともに、 その理由も述べよ。
問6以下の文章1 ~ 9で、(b)の問題文を通して著者が主張したいことと合致してい
るものにはO、 合致していないものには×を解答欄に記せ。
1.
出血が起きるとはじめに凝固カスケ ー ドが作動し、 その後血小板が凝集する。
2.
トロンピンはタンパク質加水分解酵素であり、 凝固カスケ ー ドの最終に位置す
る。
3.
組織因子と factor Vlla により factor X が活性化され、その後プロトロンピンが活
性型トロンピンに変換される。
4.
トロンピンはフィプリン単量体を重合させ、 フィブリノ ー ゲンを形成する。
ー 15 ー
5.
トロンピンにより形成された血栓は治癒後、 活性化した赤血球により徐去され
る。
6.
トロンビンは血管内皮の形状および透過性を変化させることができる。
7.
トロンピンの作用にはReceptor Aを介した経路と介さない経路の2通りがある。
8.
トロンピンのReceptor Aに対する作用にはタンパク質加水分解酵素活性が必要
な場合と不要な場合の2通りがある。
9.
トロンどンは止血に重要な悶子であるから、 その働きを促進する薬物が脳卒中
や心筋梗塞の治療に有望である。
問題は, このページで終わりである.
-16-