＊グローバル投資環境 No.1175 ＊ご参考資料髙木証券投資情報部トルコ再選挙～公正発展党（AKP）圧勝で政治空白回避へ 2015年11月4日作成トルコでは6月に行われた総選挙で従来の与党である公正発展党（AKP）が第一党を維持したものの、単独過半数に届かず、三つの野党との連立交渉も物別れに終わったことで、新たな政権が樹立できなかったことを受けた再選挙が1日に実施され、公正発展党が全議席（550議席）の過半数（276議席）を大きく上回る316議席を獲得した。《獲得議席数》公正発展党（AKP）共和人民党（CHP）民主平和党（HDP）民族主義行動党（NHP） 11/1再選挙 6/7総選挙 316 258 134 132 59 80 41 80 6月の総選挙以来、政治情勢の混迷を嫌気して混乱が続いていたトルコの金融市場では、再選挙が近づくに連れ、選挙後の公正発展党と共和人民党（CHP）の連立に対する思惑から資金流入が目立っていたが、想定外といえる公正発展党の圧勝で政治的な空白は回避されるとみられることを好感、2 日の株式市場ではイスタンブールナショナル100指数が5.4％の急騰となったほか、通貨リラも対米ドルで3.5％上昇、債券も買われて10年国債利回りは前週末比38ベーシス低下した。トルコの第2四半期のGDPは前年同期比3.8％増と、アジアの一部の国を除く新興国の中では比較的高い成長率を記録している一方、通貨安などを背景に、10月のCPIは前年同月比 +7.58％に達しており、高インフレが成長を阻害する可能性があったが、選挙結果を好感した通貨の安定が維持されれば輸入物価の下落に伴ってインフレ懸念の後退も期待できよう。なお、春先にはインフレを警戒する中銀に対してエルドガン大統領が景気刺激の観点から金融緩和を強く求め、高インフレにもかかわらず中銀が利下げを実施したことで金融政策に対する投資家の信認が失われた結果、トルコの金融市場から資金が流出した経験があるだけに、公正発展党の大勝によって大統領の権限が強化されることには一抹の不安もあるが、公正発展党の議席は大統領の権限を強化する憲法改正のために必要な全議席の5分の3（330議席）には届かなかったため、大統領への過度の権力集中は回避されるとみられる。 ◆GDPの推移（前年同期比、％） 2Q +3.8％但し、公正発展党のダウトオール党首は、選挙後の勝利宣言において、憲法改正を優先課題として挙げている。大手格付け会社のフィッチはこの点を踏まえて、2日に公表したレポートで「国内政治の緊張は残る」として、トルコに対する格付け「BBB-」（見通しは「安定的」）を据え置いた。（文責：勇崎聡）（データ出所：トルコ中央銀行、トルコ統計局、トルコ選挙管理委員会、フィッチ及びBloombergより髙木証券作成）当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願いいたします。当資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。株式への投資は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により投資元本を割り込むおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引をご利用いただく場合は、所定の委託保証金または委託証拠金をいただきます。また、信用取引ではその損失額が差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。国内株式取引の委託手数料は、約定代金に対して最大（税込）1.19664%【2,700 円に満たない場合は2,700円（現物取引買付および信用取引売買）】になります。株式を募集等により取得する場合には、購入対価のみをお支払いいただきます。外国株式を委託取引により購入する場合は、所定の委託手数料をいただきます。外国株式の委託手数料は国や市場により異なります。外国株式を店頭取引により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。債券をご購入いただく場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。（経過利子をお支払いいただく場合があります）。債券は、市場の金利水準の変動等により価格が変動しますので、損失が生じるおそれがあります。また、発行体の信用状況や財務状況によっても価格が変動し、利金や償還金の支払遅延や不履行となる場合があります。また、倒産等により元本損失が生じる場合があります。投資信託は、主に国内外の株式や債券を投資対象としているため、基準価額は組み入れた株式や債券の動き、為替相場の変動等の影響により上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。投資信託はファンドごとに設定された購入時手数料をご負担いただきます。また、投資信託を保有期間中に間接的にご負担いただく費用として、ファンドごとに設定された運用管理費（信託報酬）のほか、運用成績に応じて成功報酬をご負担いただく場合があります。外国株式や外国債券、外国投資信託への投資は、上記に加え為替相場の変動等により損失が生じる場合があります。また、通貨発行国の国情の変化により投資元本割れや途中売却ができなくなるおそれがあります。当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等をよくお読みください。商号等：髙木証券株式会社金融商品取引業者近畿財務局長（金商）第20号加入協会：日本証券業協会【広告審査済】髙木証券ｲﾝﾀｰﾈｯﾄﾎｰﾑﾍﾟｰｼﾞ：http://www.takagi-sec.co.jp/