1.国際総合科学部をエンジンとした教育機能の強化について

1.国際総合科学部をエンジンとした教育機能の強化について
■ 平成27年1月15日、文部科学省から、「国立大学等の機能強化を推進する改革構想」として、
山口大学の教育改革構想について、約1億8千万円が予算措置されたとの内示がありました。
■ この予算は、国立大学の機能強化を積極的に推進する大学に対して重点配分されるもので、平成
27年度予算で新たに措置されたのは、全国で12大学のみです。
■ 本学の取り組みは、「地方創生」を掲げる国の施策とも合致しており、山口県内を中心とした自治
体や企業等と連携した実践的課題解決型プロジェクトや学生の長期海外留学を必須化した国際総
合科学部を設置するほか、徹底した全学的教育改革により、地元企業の海外事業展開や地域の課
題解決、発展に資する人材を育成し、地方創生の寄与に取り組んでいきます。
<国際総合科学部の設置>
本学の教育機能強化のエンジンとして、山口県内を中心とした自治体や企業等と連携し、実践的課題
解決型プロジェクトや学生の長期海外留学を実施する国際総合科学部を設置し、地域社会や国際社会で
活躍するグローバル人材の育成を加速化させる。
国際総合科学部の主な取り組みは下記のとおり。
■
「ローカルからグローバルまで」、地域のニーズに対応した「プロジェクト型課題解決研究」を実施し、
実践的課題解決能力を育成する。
■
2 年次秋から 3 年次夏までの海外留学により、コミュニケーション能力と異文化を理解することによる
共働力を養成する。
■
本学の強みである、知的財産及び技術経営分野を活かし、実践的な文理融合型教育を実施するとと
もに、自治体や企業に潜在する知的財産を運用、既存の技術の活用ができる人材を育成する。
■
ディプロマ・ポリシーとして設定した能力を学生がどの程度修得しているかを定量的に示し、可視化す
る教育システムを新たに導入し、教育内容及び育成する人材の質保証を行う。
<周防大島町役場とのプロジェクト>
― 国際総合科学部でのプロジェクト型課題解決研究の取組事例 ―
周防大島町はかつて多くの人がハワイに移民しており、ハワイとはゆかりのある場所である。周防大
島町の「ハワイ移民資料館」には、貴重な資料が未整理のまま保存されており、これらの資料を活用し
た地域活性化プランを作成する。その際には、周防大島町役場だけではなく、ハワイ大学や在ホノルル
大使館とも連携する必要がある。また、日本とアメリカ、山口県とハワイの文化・歴史、自然、農林水産
業、製造業など様々な分野における地域理解と、それらを結び付けた新たな価値を生み出すことが必
要となる。
このような取り組みは、ローカルからグローバルまで、山口地域の課題を解決し、地域の発展に資す
る人材を育成することにより、地方創生に貢献するものである。
<既存学部・研究科における取組>
大学の持つ「防災」、「観光」、「農業」などの専門領域からのアプローチとともに、地域社会が抱える
■
様々なテーマからのアプローチによる双方向からの課題解決にチャレンジし、併せて学修成果を可視化
する教育システムにより人材の質保証を行う。
■
大学院技術経営研究科においても、アジアをフィールドとした課題解決型学習を推進し、将来の中小
企業の経営者や大企業のトップマネジメント層を育成し、地方創生の一翼を担う取り組みを推進する。
国際総合科学部をエンジンとした教育機能の強化について
【山口大学の教育機能強化に向けた取組】
山口県内を中心とした自治体や企業等と連携し,実践的課題解決型プロジェクトや学生の長期海外留学を実施する国際総合科学部を設置し,
地域社会や国際社会で活躍するグローバル人材の育成を加速化させる。
学部,大学院
国際総合科学部(H27新設)
■ローカルからグローバルまで,山
口地域の課題を解決し,地域の発
展に資する人材を育成
専門領域を活かした実践的な課題解決型学習を展開
教育改革のエンジン
■山口県内を中心とした自治体や
企業等と連携した「課題解決型学
習」PBLの導入(Problem-and
Project-Based Learning)
■修得した知識・能力を可視化した
山口大学能力基盤型カリキュラム
システム(YU CoB CuS)の導入と卒
業要件化
課題解決型学習
人文学部
防 災
工学部
教育学部
教 育
農学部
経済学部
観 光
共同獣医学部
理学部
医 療
国際総合科学部
医学部
農 業
大学院
グローバル化
地域連携
文理融合型教育
■大学の持つ専門領域からのアプローチとともに,地域社会が抱える様々なテーマからの
アプローチによる双方向からの課題解決にチャレンジする
■グローバルな課題は,地域社会(ローカル)の現場で現れるという観点のもと,ローカルか
らグローバルまで,地域の発展に資する人材を育成
■山口大学の強みである知財教育及びMOT教育のノウハウを最大限に活用し,実際の現場で即戦力となる人材及び課題解決策を地域社会に供給,「社会の目」を意
識した教育へ質的転換!
■学生の修得能力をレーダーチャートを用いて可視化(数値化)することにより,修得した能力の質保証を行う
地域のニーズに応える人材の輩出
地方公共団体
企業
■開発した製品・技術の知
財,ネーミング,ブランディ
ング,海外展開等の事業
戦略を企画・立案・実践す
る人材
■地域の防災力向上,工業
及び農業振興,観光資源の
活用など,地域の「足元」に
ある課題を解決する
■実践的指導力のある教
員や行政の施策を企画・立
案・実践できる公務員など,
地域の中核を担う人材
「売れるモノ」
「利活用されるモノ」
「地域を支えるヒト」
づくり
づくり
づくり
地域の発展に資する人材養成
を行い,地域活性化の中核的
拠点を目指す。
さらに,共同研究による技術的
課題解決,理工系人材育成等,
研究における地域連携をも強化
し,地方創生の一翼を担う。